AWS / SAP-C02

セクション 06 · タスク 2.1 · SAP-C02-051

要件からDeployment Architectureを選択する

コードとしてのインフラストラクチャ(IaC) / CI/CD / マネージドサービス / デプロイパターン / ロールバック要件 / 運用負荷 / アーキテクチャ選択

ゴール

デプロイアーキテクチャを単一のサービス名から決めるのではなく、ビジネス要件と必須制約を分解し、必要な制御を組み合わせて選択できるようにします。

ビジネス要件
↓
必須制約
↓
必要な制御を抽出
↓
プラットフォーム / サービス候補
↓
IaC / CI/CD / デプロイ / 復旧を組み合わせる
↓
運用負荷 / リスクを評価
↓
要件を満たすアーキテクチャを選択

候補を変更すると利用できるデプロイや復旧の選択肢も変わるため、一度の選択で固定せず再評価します。

1. 要件から制御へ変換する

最初にAWSサービスを選ぶのではなく、シナリオの要件をアーキテクチャ上の性質へ変換します。

要件中心となる制御
インフラストラクチャを再現・バージョン管理したいコードとしてのインフラストラクチャ(IaC)
ビルド / テスト / リリースを標準化したいCI/CD
本番前に承認が必要承認ゲート
初期影響範囲を限定したい段階的外部公開
失敗時に既知の状態へ戻したいロールバック / 復旧仕組み
プロビジョニング / パッチ適用負荷を減らしたいマネージドサービス候補

制御名の暗記ではなく、要件から必要な性質を導けることが重要です。

2. 必須制約を利点比較より先に確認する

コンプライアンス、必要なOS 制御、許容ダウンタイムなどの必須制約を満たさない候補は、運用上の利点が大きくても選択できません。

必須制約を満たす?
├─ いいえ → 候補から除外
└─ はい
    ↓
リスク / コスト / 運用負荷を比較

最速・最も自動化された構成を選ぶのではなく、必須要件を満たす候補の中から比較します。

3. 制御をレイヤーとして組み合わせる

各制御は別の責任を持つため、1つを採用しても他のレイヤーが自動的に決まるわけではありません。

信頼できる正本
  コードとしてのインフラストラクチャ(IaC)
        ↓
リリース ワークフロー
  CI/CD / 承認
        ↓
本番ロールアウト
  デプロイパターン
        ↓
障害復旧
  ロールバック / 前進修正
        ↓
運用上のモデル
  マネージド / セルフマネージド

必要なレイヤーだけを要件に合わせて組み合わせます。

4. 自動化と承認を同時に満たす

自動化とガバナンスは二者択一ではありません。例えばビルド、テスト、ステージングまでは自動化し、本番移行だけ手動承認を要求できます。

送信元
↓
ビルド / テスト
↓
ステージング
↓
承認ゲート
↓
本番

承認要件を維持したまま、機械的に実行できる処理を自動化します。

5. デプロイパターンはリスク要件から選ぶ

パターン名から選ぶのではなく、ダウンタイム、初期影響範囲、本番検証、追加キャパシティ、復旧速度の優先度から選択します。

優先要件考える方向
少量トラフィックから検証したいカナリアなどの段階的外部公開
旧環境を保持してトラフィック切り戻ししたいブルー/グリーンなど並行環境
重複 環境を避け段階更新したいローリング
追加環境を避け、停止影響を許容できるインプレースを含む単純なパターン

6. デプロイと復旧を同時に評価する

トラフィックを旧環境へ戻せても、データベーススキーマや外部状態が非互換なら完全な復旧にならない場合があります。

デプロイ戦略
+
復旧トリガー
+
復旧対象
+
状態互換性
+
検証

デプロイの速さだけでなく、失敗時に何をどこまで戻せるかをアーキテクチャ選択へ含めます。

7. 運用負荷をアーキテクチャ要件として扱う

同じビジネス要件を満たす候補なら、プロビジョニング、パッチ適用、バックアップ、スケーリング、フェイルオーバーなどの独自運用をどれだけ減らせるかも比較します。

マネージドサービス候補
↓
厳格な要件を満たす?
↓
互換性成立?
↓
運用上の 責任は減る?
↓
移行リスクを許容できる?

マネージドサービスは自動的な正解ではなく、必要な制御を保ちながら運用負荷を下げられる場合に有力です。

8. 要件が衝突したら優先度とトレードオフを決める

ダウンタイム最小、追加キャパシティ最小、即時ロールバックなどは同時に最大化できないことがあります。

制約トレードオフの例
復旧速度を優先並行環境や追加キャパシティを許容する可能性
追加キャパシティを厳しく制限段階更新や復旧時間とのトレードオフが発生する可能性
承認必須本番までの完全自動化よりガバナンスを優先

必須制約を固定した後、残る要件の優先度で候補を比較します。

9. 候補を変えたら制御も再評価する

アーキテクチャ選択は一方向ではありません。プラットフォームやマネージドサービス候補を変更すると、利用できるデプロイ機能、アップグレード経路、復旧仕組み、顧客責任も変化します。

要件 / 必須制約
↓
プラットフォーム / サービス候補
↓
デプロイ / 復旧制御
↓
運用負荷 / リスク
↓
要件を満たす?
├─ はい → アーキテクチャ選択
└─ いいえ
    ↓
候補または制御を変更
    ↺ 再評価

最初に選んだ制御を固定したままプラットフォームだけ置き換えず、組み合わせ全体を再評価します。

10. シナリオ:複数要件を統合する

顧客向けサービスに次の要件があるとします。

インフラストラクチャを複数環境へ再現
頻繁なリリース
本番前の承認必須
初期 外部公開を限定
異常時は復旧可能
運用要員は少ない

候補は、IaC、CI/CD、承認ゲート、限定外部公開、復旧仕組み、必要に応じたマネージドサービスを組み合わせます。どれか1つだけで全要件を満たそうとしません。

11. 障害モード

誤った判断問題
最初にAWSサービスを固定する要件に必要な制御を見落とす
IaCだけでリリースや復旧まで完成したと考える制御の責任を混同する
最も自動化された構成を常に選ぶ承認や必須制約を無視する
トラフィック切り戻しだけでロールバック完了と考える状態互換性を見落とす
運用負荷だけでマネージドサービスを選ぶ互換性や制御要件を見落とす
候補変更後もデプロイ制御を固定する利用可能な機能や復旧条件の変化を反映できない

12. SAP-C02判断フロー

ビジネス要件
↓
必須制約を抽出
↓
要件 → 制御へマッピング
↓
プラットフォーム / サービス候補を選ぶ
↓
IaC / CI/CD / デプロイ / 復旧を組み合わせる
↓
運用負荷 / リスクを評価
↓
要件を満たす?
├─ いいえ → 候補 / 制御を再評価 ↺
└─ はい → アーキテクチャ選択

まとめ

  • デプロイアーキテクチャは単一サービスではなく、要件に対する複数制御の組み合わせで選択する。
  • 必須制約を利点比較より先に確認する。
  • IaC、CI/CD、承認、デプロイパターン、復旧、運用モデルは別レイヤーとして組み合わせる。
  • デプロイパターンはダウンタイム、影響範囲、検証、キャパシティ、復旧速度から選択する。
  • ロールバックはトラフィックだけでなく状態互換性、復旧対象、検証まで含めて考える。
  • マネージドサービスは要件と互換性を満たしたうえで運用負荷削減を評価する。
  • 要件が衝突したら必須制約と優先度からトレードオフを決める。
  • プラットフォームやサービス候補を変えた場合はデプロイ / 復旧制御も再評価する。

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