試験項目 1.5 · CCNA-032
Wireless Principles総合判断
Band / Channel / RF / Security / Interferenceを組み合わせたシナリオの説明・比較
このページのゴール
Band・Channel・RF・Security・Interferenceを組み合わせたシナリオを、Objective 1.5のWireless Principlesに基づいて説明・比較できるようにする。
このページで学ぶこと
- Band + 端末 選択
- Channel + Density 説明
- RSSI / SNR Integrated Interpretation
- Band + Security 選択
- 信号強度不足 / Interference Integration
- 到達範囲 / 収容力 Integrated トレードオフ
- Channel Width / Reuse Integrated トレードオフ
- RF / Interference Correlation
- Security Role Integration
- Integrated Wireless 説明
ページ027〜031では、
ページ027
→ 無線周波数帯
ページ028
→ 無線チャネル
ページ029
→ RF特性
ページ030
→ 無線セキュリティ
ページ031
→ 無線干渉
を個別に確認しました。
ページ032では、それらを1つのシナリオの中で組み合わせます。
重要なのは、
周波数帯だけ
チャネルだけ
RSSIだけ
セキュリティだけ
を単独で見るのではなく、
クライアント対応能力
通信範囲
収容能力
チャネル計画
RF条件
セキュリティ要件
干渉
を組み合わせて説明することです。
基本手順は、
要件
↓
クライアント対応能力
↓
周波数帯
↓
チャネル・幅
↓
RSSI・ノイズ・SNR
↓
セキュリティ
↓
干渉
↓
無線状態を説明・比較
です。
1. ページ032は無線の基本原理を統合する
ページ032の目的は、
ページ027〜031を
もう一度個別に講義する
ことではありません。
目的は、
複数の無線基本原理を
同じシナリオへ適用する
ことです。
例えば、
6 GHzを使いたい
クライアントはWPA2のみ対応
AP密度は高い
160 MHzを使用
ノイズは低い
というシナリオでは、
周波数帯、セキュリティ、チャネル幅、クライアント対応能力を同時に判断します。
2. 「説明できる」の範囲で考える
この範囲では、
無線の基本原理を
説明できる
ことが中心です。
したがってページ032では、
なぜその周波数帯が適切か
なぜそのチャネル計画が問題か
RF値が何を意味するか
どのセキュリティ上の役割か
どの干渉分類か
までを扱います。
一方、
OS設定を変更する
ドライバーを再インストールする
コントローラーGUIで修正する
パケットキャプチャから根本原因を確定する
といったトラブルシューティング手順は後続ページで扱います。
3. 無線判断では最初に要件を見る
技術名を先に選ぶのではなく、
何を実現したいか
を確認します。
例えば、
広い通信範囲が必要
多数クライアントを収容したい
旧式クライアントが存在する
高スループットが必要
エンタープライズ認証が必要
では、適切な設計判断が異なります。
4. クライアント対応能力は周波数帯選択より先に確認する
APが、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
へ対応していても、
クライアントが同じ周波数帯へ対応しているとは限りません。
したがって、
AP対応能力
と
クライアント対応能力
の両方を確認します。
5. 2.4 GHzは互換性と通信範囲に価値がある
2.4 GHzは一般に、
旧式クライアント対応
比較的広い通信範囲
という利点があります。
一方、
利用可能周波数資源が限られる
非重複チャネルが少ない
非Wi-Fi干渉源が多い
という制約があります。
6. 5 GHzはチャネル選択肢と収容能力で有利になりやすい
5 GHzでは、
2.4 GHzより多くのチャネル
より広いチャネル幅の利用
チャネル再利用設計の自由度
を得やすくなります。
ただし、
DFS
クライアント対応能力
通信範囲要件
も考慮します。
7. 6 GHzは新しい周波数資源を利用できる
6 GHzでは、
広い周波数資源
多数のチャネル
広帯域チャネル
を利用できます。
一方、
6 GHz対応クライアント
最新のセキュリティ
が必要です。
したがって、
6 GHz対応APがある
=
すべてのクライアントを6 GHzへ移せる
とは判断しません。
8. ケース1:旧式ハンドヘルド端末と新しいノートPCが混在する
環境:
倉庫
旧式携帯端末
→ 2.4 GHzのみ
最新ノートPC
→ 5 GHzと6 GHz対応
なら、
旧式互換性
→ 2.4 GHzが必要
最新クライアント収容能力
→ 5 GHzと6 GHzへ分散する価値がある
と説明できます。
1つの周波数帯だけですべてを解決する必要はありません。
9. 通信範囲と収容能力は同じ要件ではない
通信範囲は、
信号が必要エリアまで届くか
です。
収容能力は、
必要なクライアント・トラフィックを
収容できるか
です。
したがって、
遠くまで届く周波数帯
=
最も高収容能力
とは限りません。
10. 2.4 GHzへ全クライアントを集めればよいわけではない
2.4 GHzが広く届くとしても、
多数クライアントを1つの限られた周波数資源へ集めると、
エアタイム競合
チャネル再利用制約
が大きくなる場合があります。
そのため、
互換性
と、
収容能力
を分けて考えます。
11. 周波数帯統合比較
| 周波数帯 | 主な利点 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| 2.4 GHz | 互換性、比較的広い通信範囲 | 限られた周波数資源、1/6/11、非Wi-Fi |
| 5 GHz | チャネル選択肢、収容能力 | DFS、通信範囲、クライアント対応能力 |
| 6 GHz | 広い周波数資源、広帯域チャネル | クライアント対応能力、現行セキュリティ |
この表は、
どの周波数帯が常に最善か
を決める表ではありません。
要件に応じて使い分けます。
12. 周波数帯の次にチャネルを考える
周波数帯を決めても、
どのチャネルを使うか
が不適切なら、
無線効率は低下します。
特に、
2.4 GHz
高密度
ではチャネル計画が重要です。
13. 2.4 GHzでは1/6/11を基本に考える
20 MHzを利用する代表的な計画では、
1
6
11
を非重複チャネルとして扱います。
近接APに、
1/2/3
を割り当てても、
独立した3チャネルにはなりません。
14. ケース2:近接APが1/3/6を使用する
環境:
AP-A
チャネル1
AP-B
チャネル3
AP-C
チャネル6
なら、
チャネル1と3
は2.4 GHzで周波数資源が重複します。
したがって、
隣接チャネル干渉
を説明できます。
15. 同じチャネルの再利用自体は禁止ではない
無線ネットワークでは、
チャネル再利用
が必要です。
例えば、
チャネル1
↓
チャネル6
↓
チャネル11
↓
十分離れた場所でチャネル1
という再利用は正常な考え方です。
問題は、
同一チャネルセルが
近すぎる
ことです。
16. 同一チャネルでは通信時間を共有する
近接するAPが、
同じチャネル
を使用すると、
同チャネル上の端末は、
共有媒体
として通信時間を競合します。
したがって、
同一チャネル
→ 同一チャネル競合
として説明します。
17. チャネル幅も同時に考える
チャネル番号だけでなく、
20 MHz
40 MHz
80 MHz
160 MHz
というチャネル幅も重要です。
幅を広げるほど、
1チャネルが使用する周波数資源は増えます。
18. 広帯域チャネルには最大スループット上の利点がある
利用可能な条件が整えば、
80 MHz
160 MHz
などの広帯域チャネルは、
1クライアントの高いデータレートに有利になる場合があります。
しかし、
広帯域
=
常に配置全体で最善
ではありません。
19. 広帯域チャネルでは独立チャネル数が減る
利用可能周波数資源が同じなら、
チャネル幅を広げる
↓
1チャネルが使う周波数資源増加
↓
独立チャネル数減少
となります。
その結果、
再利用
が難しくなる場合があります。
20. 高密度では20 MHzが有利な場合がある
多数APを配置する環境では、
独立チャネルを多く確保する
ことが重要です。
そのため、
20 MHz
を利用してチャネル再利用を改善する方が、
広帯域チャネルを大量に使うより適する場合があります。
21. ケース3:高密度オフィスで160 MHzを使用する
環境:
高密度オフィス
AP多数
160 MHz
で、
同一チャネルセルが
近距離で繰り返し再利用
されている場合、
広帯域チャネルによって
独立チャネル数が減少
↓
同一チャネル再利用増加
↓
エアタイム競合増加
という関係を説明できます。
22. チャネル幅統合比較
| 幅 | 周波数資源消費 | 独立チャネル数 | 配置上の特徴 |
|---|---|---|---|
| 20 MHz | 小さい | 多く確保しやすい | 高密度で再利用しやすい |
| 40 MHz | 増える | 減る | スループットと再利用の中間 |
| 80 MHz | 大きい | さらに減る | 最大レートを高めやすい |
| 160 MHz | 非常に大きい | 少ない | 周波数資源に余裕が必要 |
| 320 MHz | 極めて大きい | さらに限られる | Wi-Fi 7の6 GHz |
重要なのは、
幅を広げる
=
必ずネットワーク収容能力が増える
ではないことです。
23. RF値はチャネル計画と別の情報を与える
チャネル計画が適切でも、
信号が弱い
ノイズが高い
場合があります。
そこで、
RSSI
ノイズフロア
SNR
を確認します。
24. RSSIは受信信号強度を見る
例えば、
-50 dBm
-75 dBm
なら、
-50 dBm
の方が強い信号です。
負のdBmでは、
0に近い方が強い
と判断します。
25. ノイズフロアは背景RFエネルギーを見る
例えば、
-95 dBm
-70 dBm
なら、
-70 dBm
の方がノイズ電力は強い状態です。
したがって、
ノイズ -95 dBm
の方が低ノイズです。
26. SNRは信号とノイズの差を見る
基本式は、
SNR
=
信号 - ノイズ
です。
例えば、
信号
-60 dBm
ノイズ
-90 dBm
なら、
SNR
=
30 dB
です。
27. 同じRSSIでもRF状態は異なる
ケースA:
RSSI
-60 dBm
ノイズ
-95 dBm
SNR
35 dB
ケースB:
RSSI
-60 dBm
ノイズ
-68 dBm
SNR
8 dB
なら、
RSSIは同じでも、
ケースA
の方が信号とノイズを分離しやすいRF状態です。
28. ケース4:強いRSSIだが通信品質が悪い
環境:
RSSI
-55 dBm
ノイズ
-62 dBm
なら、
SNR
7 dB
です。
この場合、
AP信号が弱すぎる
という説明より、
高いノイズ・干渉
を考える方が適切です。
29. 弱いRSSIと低いノイズを読む
環境:
RSSI
-85 dBm
ノイズ
-96 dBm
なら、
SNR
11 dB
です。
このシナリオでは、
距離
減衰
通信範囲
による信号強度不足を優先して考えます。
30. 強いRSSIと高いノイズを読む
環境:
RSSI
-55 dBm
ノイズ
-65 dBm
なら、
SNR
10 dB
です。
信号自体は強いですが、
ノイズフロアが高い
ため、
干渉を疑います。
31. RF統合判断表
| RSSI | ノイズ | SNR傾向 | 主な解釈 |
|---|---|---|---|
| 強い | 低い | 高い | 良好なRF状態 |
| 弱い | 低い | 低くなり得る | 通信範囲・減衰 |
| 強い | 高い | 低い | 干渉・高いノイズ |
| 弱い | 高い | 低い | 信号とノイズ双方を確認 |
SNRだけで原因を決めず、
信号
ノイズ
を分けて確認します。
32. 減衰と干渉を区別する
クライアントがAPから離れ、
RSSI
-50 dBm
↓
-82 dBm
ノイズ
ほぼ不変
なら、
距離・減衰
による信号強度低下を考えます。
これは、
他のRF信号が妨害している
とは限りません。
33. 壁による信号損失も減衰
例えば、
AP
↓
コンクリート壁
↓
クライアント
で信号が弱くなる場合、
減衰
として説明できます。
ページ031の干渉とは分けます。
34. 干渉ではノイズの変化を見る
正常時:
RSSI
-58 dBm
ノイズ
-94 dBm
問題時:
RSSI
-58 dBm
ノイズ
-70 dBm
なら、
信号は同じです。
大きく変化したのは、
ノイズフロア
です。
この場合、
RF干渉
を考えます。
35. 非Wi-Fi干渉源も周波数帯と組み合わせる
Bluetoothや電子レンジは、
2.4 GHz
に影響する代表的な非Wi-Fi干渉源です。
したがって、
2.4 GHzだけ不安定
5 GHzは正常
キッチン付近で発生
というシナリオなら、
周波数帯情報と干渉情報を組み合わせます。
36. ケース5:昼休みに2.4 GHzだけ悪化する
環境:
2.4 GHzクライアント
→ 性能低下
5 GHzクライアント
→ 通常
発生時間
→ 昼休み
場所
→ キッチン付近
なら、
電子レンジ
による非Wi-Fi干渉を原因候補として説明できます。
37. DFSも周波数帯と組み合わせる
DFSは、
5 GHzの一部チャネル
でレーダーとの共存に使用します。
したがって、
5 GHz
DFSチャネル
レーダー検出
チャネル変更d
なら、
DFS・レーダーイベント
として説明します。
38. DFSを同一チャネル競合と混同しない
DFSによるチャネル変更は、
レーダー検出
による規制上の動作です。
一方、
同一チャネル競合
は、
同チャネルのWi-Fi端末が通信時間を共有する問題です。
この2つは異なります。
39. セキュリティも周波数帯とは独立ではない
セキュリティを選ぶとき、
パーソナル
エンタープライズ
だけでなく、
使用する周波数帯
も確認します。
特に、
6 GHz
ではセキュリティ要件が重要です。
40. WPA2-PersonalとWPA3-Personalを分ける
基本対応は、
WPA2-Personal
→ PSK
WPA3-Personal
→ SAE
です。
SAEを、
暗号化アルゴリズム
とは考えません。
認証・鍵確立側です。
41. エンタープライズでは802.1Xを考える
基本対応は、
WPA2-Enterprise
→ 802.1X/EAP
WPA3-Enterprise
→ 802.1X/EAP
です。
一般的なエンタープライズWLANでは、
RADIUS
も認証基盤として関連します。
42. AES-CCMPは認証ではない
AES-CCMPは、
トラフィックの暗号化・完全性
側です。
したがって、
802.1X
→ エンタープライズ認証
AES-CCMP
→ 通信保護
と分離します。
43. セキュリティ上の役割統合表
| 要素 | 主な役割 |
|---|---|
| PSK | WPA2-Personalの認証・鍵管理 |
| SAE | WPA3-Personalの認証・鍵確立 |
| 802.1X/EAP | エンタープライズ認証 |
| RADIUS | エンタープライズAAA基盤 |
| AES-CCMP | トラフィックの暗号化・完全性 |
| PMF | ロバスト管理フレーム保護 |
同じ無線セキュリティの中でも役割は異なります。
44. ケース6:小規模オフィスでWPA3を使う
要件:
小規模オフィス
共有パスワード
クライアントはWPA3対応
なら、
WPA3-Personal
SAE
を説明できます。
エンタープライズ802.1Xを必須とする要件ではありません。
45. ケース7:企業WLANでユーザー単位認証が必要
要件:
企業WLAN
ユーザー単位認証
中央認証サーバー
なら、
エンタープライズセキュリティ
802.1X/EAP
RADIUS
を関連付けます。
46. 6 GHzではWPA2を使用しない
6 GHzのWLANでは、
WPA2のみ
をセキュリティ方式として利用しません。
したがって、
クライアント
→ WPA2のみ
周波数帯
→ 6 GHz
なら、
セキュリティ対応能力が
要件を満たさない
と説明できます。
47. 6 GHzパーソナルではWPA3-PersonalとSAEを考える
要件:
6 GHz
パスワード型
パーソナルWLAN
なら、
WPA3-Personal
SAE
PMF必須
を関連付けます。
48. 6 GHzエンタープライズでは802.1Xを考える
要件:
6 GHz
企業
エンタープライズ認証
なら、
WPA3-Enterprise
802.1X/EAP
PMF必須
を関連付けます。
49. 6 GHzゲストではOWEという選択肢がある
要件:
6 GHz
ゲスト
パスワードなし
トラフィックは暗号化したい
なら、
拡張オープン(Enhanced Open:OWE)
を考えます。
OWEは、
WPA3-PersonalとSAE
とは別です。
50. ケース8:6 GHz対応APだが旧式クライアントが接続できない
環境:
AP
→ 6 GHz対応
クライアント
→ 5 GHzまで
なら、
セキュリティ以前に、
周波数帯対応能力不足
があります。
したがって、
APが6 GHz対応
=
クライアントも6 GHzへ接続可能
とは判断しません。
51. ケース9:クライアントは6 GHz対応だがWPA2のみ
環境:
クライアント無線
→ 6 GHz対応
セキュリティ対応能力
→ WPA2のみ
なら、
6 GHz利用条件を満たしません。
つまり、
周波数帯対応能力
セキュリティ対応能力
の両方が必要です。
52. 周波数帯とセキュリティはセットで評価する
例えば、
2.4 GHzと5 GHz
なら、
移行期間に、
WPA2/WPA3移行モード
を利用する場合があります。
一方、
6 GHz
へWPA2クライアントをそのまま収容する考え方は使いません。
53. 移行モードは互換性のために使う
2.4 GHzと5 GHzで、
旧式クライアント
→ WPA2-Personal
最新クライアント
→ WPA3-Personal
が混在するなら、
WPA2/WPA3移行モード
は段階移行の候補です。
しかし、
WPA3専用
と同じではありません。
54. 無線判断ではクライアントだけを見ない
クライアント要件が重要でも、
AP密度
チャネル幅
ノイズ
セキュリティ
も同時に考える必要があります。
例えば、
最新クライアントだから
160 MHzを使う
と自動的には決まりません。
55. ケース10:現行クライアント多数を高密度で収容する
環境:
最新クライアント
5 GHzと6 GHz対応
AP密度
高
160 MHz使用
なら、
クライアント対応能力だけを見れば広帯域チャネルを使えます。
しかし配置では、
独立チャネル数
再利用
競合
も確認します。
高密度なら、
20/40 MHz
の方が全体収容能力に適する場合があります。
56. 最大スループットとシステム全体の収容能力を分ける
最大スループットは、
1クライアントが
どれだけ高速に通信できるか
に近い考えです。
システム全体の収容能力は、
ネットワーク全体で
多数クライアントをどれだけ収容できるか
です。
したがって、
最大チャネル幅
=
最大システム収容能力
とは限りません。
57. ケース11:通信範囲を伸ばしたいだけなのにAPを増設する
通信範囲不足のシナリオで、
クライアントRSSI
-85 dBm
ノイズ
-95 dBm
なら、
信号強度不足が中心です。
ここで、
チャネル幅を160 MHzへ変更
しても、
通信範囲問題を直接解決するとは限りません。
58. ケース12:同じチャネルのAPを追加する
環境:
既存AP
チャネル36
追加AP
チャネル36
セル重複大
なら、
AP数は増えますが、
エアタイム競合
も増える可能性があります。
AP追加
=
必ず収容能力増加
ではありません。
59. 統合シナリオでは原因と結果をつなぐ
例えば、
広帯域チャネル
だけで終わらず、
広帯域チャネル
↓
独立チャネル数減少
↓
再利用増加
↓
同一チャネル競合増加
↓
配置上の収容能力へ影響
まで説明できることが重要です。
60. RFと干渉も因果関係で読む
例えば、
非Wi-FiのRFエネルギー増加
↓
ノイズフロア上昇
↓
SNR低下
↓
フレーム受信が難しくなる
↓
性能低下
という流れで説明します。
単に、
ノイズが高い
で終わらせません。
61. セキュリティも役割から説明する
例えば、
WPA3-Personal
という名称だけでなく、
SAE
→ 認証・キー確立
PMF
→ 管理フレーム保護
トラフィック暗号方式
→ データ保護
という役割を分けて説明します。
62. ケース13:RSSIは良好だが再試行が多い
環境:
RSSI
-55 dBm
ノイズ
-68 dBm
SNR
13 dB
2.4 GHz
近傍で電子レンジが稼働
なら、
弱い信号
より、
高いノイズ・非Wi-Fi干渉
との整合性が高いシナリオです。
63. ケース14:RSSIが低いがノイズは低い
環境:
RSSI
-84 dBm
ノイズ
-96 dBm
クライアント
APから遠い
なら、
通信範囲・減衰
を説明します。
同一チャネル干渉
を自動的に選びません。
64. ケース15:6 GHz高密度企業WLAN要件
6 GHz対応クライアント
エンタープライズ認証
高いクライアント密度
なら、
セキュリティでは、
WPA3-Enterprise
802.1X/EAP
PMF必須
を考えます。
チャネル計画では、
利用可能周波数資源
チャネル幅
再利用
を考えます。
つまり、
6 GHz
=
必ず最大チャネル幅
ではありません。
65. 周波数帯・チャネル・RF・セキュリティを順番に確認する
統合シナリオでは、
1. クライアントが周波数帯へ対応しているか
2. 周波数帯の通信範囲・収容能力特性は要件に合うか
3. チャネル・幅・再利用は適切か
4. RSSI・ノイズ・SNRはどうか
5. セキュリティ対応能力は合うか
6. 干渉を示す根拠はあるか
という順で整理できます。
66. すべてを「最強設定」にしない
無線設計では、
最も新しい周波数帯
最大チャネル幅
最高送信電力
最も多いAP
を同時に選べば最善、とは限りません。
無線では、
互換性
通信範囲
収容能力
再利用
セキュリティ
RF環境
のトレードオフを考えます。
67. よくある誤判断
誤り1:6 GHzが使えるなら全クライアントを6 GHzへ移せばよい
クライアントの周波数帯対応能力とセキュリティ対応能力を確認します。
誤り2:2.4 GHzは古いので使用価値がない
旧式互換性や通信範囲で必要になる場合があります。
誤り3:最も広いチャネル幅が常に最も高収容能力
高密度では独立チャネル数とのトレードオフがあります。
誤り4:APを増やせば必ず収容能力が増える
再利用が悪ければ同一チャネル競合が増える場合があります。
誤り5:RSSIが強ければRF状態は良好
ノイズとSNRも確認します。
誤り6:低いSNRなら必ず信号が弱い
高いノイズでも低いSNRになります。
誤り7:信号が遠距離で弱くなったら干渉
距離・減衰の場合があります。
誤り8:2.4 GHzで1/2/3を使えば3チャネルに分離できる
周波数資源が重複します。
誤り9:同チャネルは一度しか使用できない
空間的分離を取りながら再利用します。
誤り10:WPA3ならすべてSAE
エンタープライズでは802.1Xを利用します。
誤り11:AES-CCMPは認証方式
AES-CCMPは暗号化・完全性などのトラフィック保護側です。
誤り12:6 GHzでWPA2-Personalを利用できる
6 GHzではWPA2を使用しません。
誤り13:OWEはWPA3-Personal
拡張オープン(OWE)とSAEは別です。
誤り14:DFSは同一チャネル干渉を検出する仕組み
DFSはレーダーとの共存に関係します。
誤り15:無線が遅いだけで原因を決められる
周波数帯、チャネル、RF、セキュリティ、干渉を示す根拠を組み合わせます。
68. 統合比較表
| シナリオ | 最初に注目する要素 | 主な説明 |
|---|---|---|
| 旧式クライアントが接続必要 | クライアント・周波数帯 | 2.4 GHz等の互換性 |
| 高密度で広帯域チャネル | 幅・再利用 | 独立チャネル数減少と競合 |
| 強いRSSIと高いノイズ | RF・干渉 | 低いSNR、高いノイズ |
| 弱いRSSIと低いノイズ | RF・通信範囲 | 距離・減衰 |
| 6 GHzとWPA2のみのクライアント | 周波数帯・セキュリティ | 対応能力不一致 |
| 6 GHzエンタープライズ | セキュリティ | WPA3-Enterprise・802.1X・PMF |
| 5 GHz DFSイベント | 周波数帯・DFS | レーダー検出によるチャネル変更 |
| 2.4 GHzのチャネル1とチャネル2 | チャネル | 隣接チャネル干渉 |
69. 無線統合判断手順
要件を確認
↓
クライアント対応能力を確認
↓
周波数帯を選ぶ
↓
チャネル・幅・再利用を確認
↓
RSSIを確認
↓
ノイズフロアを確認
↓
SNRを計算
↓
セキュリティ要件を確認
↓
干渉を示す根拠を確認
↓
複数原理を組み合わせて説明
です。
70. このページで扱う判断範囲
ここでは、次のような具体的な設定変更や復旧操作ではなく、無線の基本原理を説明・比較することに集中します。
WindowsのIP設定を修正する
DHCPリースを更新する
ドライバーを再導入する
コントローラーGUIでWLANを変更する
APスイッチポートを修正する
VLANを変更する
PoE障害を修正する
71. 次に確認する内容
次のページ033からは、クライアント接続トラブルシューティングを扱います。
ページ033ではまず、
クライアントIP設定
を確認し、
インターフェース
IPアドレス
プレフィックス
デフォルトゲートウェイ
DNS
アドレス割り当て方式
などから設定不一致を識別します。
ここでは、
確認
→ 根本原因
→ 修正
→ 再確認
という一連の復旧手順そのものではなく、無線の基本原理を組み合わせた判断に集中します。
72. 最終的に判断できるようにすること
ページ032では最終的に、
クライアント対応能力から
利用可能周波数帯を判断できる
2.4 GHzと5 GHzと6 GHzの
通信範囲・収容能力・
互換性のトレードオフを
説明できる
旧式クライアントと
最新クライアントが混在するシナリオで
周波数帯を使い分けられる
2.4 GHzで
1/6/11を
チャネル計画へ適用できる
同一チャネルと
隣接チャネルを
シナリオから区別できる
チャネル幅を広げると
独立チャネル数が減ることを
説明できる
高密度で
20 MHzを使う理由を
説明できる
広帯域チャネルと
ピークスループットと
配置上の収容能力を
区別できる
RSSIをdBmで比較できる
ノイズフロアをdBmで比較できる
SNRをdBで計算できる
同じRSSIでも
ノイズによってRF条件が
変わると説明できる
弱い信号と
高いノイズを区別できる
距離・壁による
減衰を
干渉と区別できる
非Wi-FiのRFによる
ノイズ上昇を説明できる
Bluetooth・マイクロ波を
2.4 GHz干渉源として
関連付けられる
DFS・レーダーイベントを
同一チャネル競合と
区別できる
WPA2-PersonalとPSKを
関連付けられる
WPA3-PersonalとSAEを
関連付けられる
エンタープライズセキュリティと
802.1X/EAPを
関連付けられる
AES-CCMPを
通信保護として
説明できる
PMFを
管理フレーム保護として
説明できる
6 GHzで
WPA2を使用しないと
判断できる
6 GHzパーソナルで
WPA3-PersonalとSAEを
判断できる
6 GHzエンタープライズで
WPA3-Enterpriseと802.1Xを
判断できる
OWEを
パスワードなしの暗号化されたWLANとして
認識できる
周波数帯とセキュリティ対応能力を
組み合わせて判断できる
AP密度とチャネル幅と再利用を
組み合わせて説明できる
RSSI・ノイズ・SNRと
干渉を示す根拠を
組み合わせて説明できる
複数の無線基本原理から
シナリオを説明・比較できる
必要があります。
まとめ
ページ032では、
周波数帯
チャネル
RF特性
セキュリティ
干渉
を統合しました。
無線シナリオを見るときは、
クライアント対応能力
から始めます。
次に、
周波数帯
について、
互換性
通信範囲
収容能力
を比較します。
チャネルでは、
チャネル番号
チャネル幅
再利用
AP密度
を組み合わせます。
高密度では、
広帯域チャネル
↓
独立チャネル数減少
↓
再利用増加
↓
同一チャネル競合増加
というトレードオフを説明できます。
RFでは、
RSSI
ノイズフロア
SNR
を組み合わせます。
強いRSSI
かつ
高いノイズ
かつ
低いSNR
なら干渉を疑い、
弱いRSSI
かつ
低いノイズ
なら通信範囲・減衰を優先して考えます。
セキュリティでは、
WPA2-Personal
→ PSK
WPA3-Personal
→ SAE
エンタープライズ
→ 802.1X/EAP
AES-CCMP
→ 通信保護
PMF
→ 管理フレーム保護
と役割を分離します。
6 GHzでは、
WPA2を使用しない
PMF必須
という条件を周波数帯判断と組み合わせます。
干渉では、
同一チャネル
隣接チャネル
非Wi-Fi
高いノイズ
広帯域チャネル密度
DFS・レーダー
を根拠から分類します。
最終的には、
要件
↓
クライアント
↓
周波数帯
↓
チャネル・幅・再利用
↓
RSSI・ノイズ・SNR
↓
セキュリティ
↓
干渉
↓
無線状態を説明・比較
という手順で判断します。
次のページ033からは、
後続ページ
クライアント接続トラブルシューティング
へ進み、
まずクライアント側の、
インターフェース
IPアドレス
プレフィックス
デフォルトゲートウェイ
DNS
アドレス割り当て方式
を確認して、期待設定との不一致を識別します。
理解確認
このページの内容を14問で確認します。
理解確認14問へ →