試験項目 1.5.d · CCNA-031
Wireless Interference
Co-Channel / Adjacent-Channel / Non-Wi-Fi / AP Density / Wide Channel / DFS / 信号強度不足との区別
このページのゴール
Wi-Fi通信を悪化させる主要な干渉源を分類し、Channel使用状況・Non-Wi-Fi Device・RF環境から干渉の原因を説明できるようにする。
このページで学ぶこと
- Co-Channel Contention
- Adjacent-Channel Interference
- Non-Wi-Fi Interference
- AP Density / Reuse
- Wide Channel Density Impact
- DFS / Radar Distinction
- 信号強度不足 vs Interference
- Noise / SNR Interference
- Interference 原因 Classification
ページ027〜030では、
ページ027
→ 無線周波数帯
ページ028
→ 無線チャネル
ページ029
→ RF特性
ページ030
→ 無線セキュリティ
を確認しました。
ここでは、
無線通信が遅い
フレームの再送が増える
スループットが低下する
接続品質が不安定になる
といったシナリオで、
何がRF通信を
妨げているのか
を分類します。
無線干渉では、
同一チャネル
隣接チャネル
非Wi-Fi
AP密度
チャネル幅
レーダー・DFS
弱い信号
ノイズ・SNR
をすべて同じ原因として扱わないことが重要です。
基本手順は、
症状
↓
RSSI
↓
ノイズフロア
↓
SNR
↓
チャネル使用率
↓
AP密度・再利用
↓
非Wi-FiのRF
↓
DFS・レーダー
↓
干渉原因を分類
です。
1. 無線は共有媒体である
無線LANでは、
同じRF周波数資源を
複数端末が共有する
ため、
同じエリアに存在する、
AP
無線クライアント
他のRF端末
が通信へ影響する可能性があります。
Ethernetケーブルのように、
各クライアント専用の
物理媒体
を持っているわけではありません。
2. 干渉は1種類ではない
無線通信を悪化させる原因には、
同じチャネルを共有するWi-Fi
重なったチャネルを使うWi-Fi
Wi-Fi以外のRF端末
過剰なAP密度
広帯域チャネルの過剰利用
レーダー
信号強度不足
などがあります。
したがって、
無線が遅い
=
すべて干渉
とは判断しません。
3. 同一チャネルとは
同一チャネルは、
複数の無線端末が
同じチャネルを使用する
状態です。
例えば、
AP-A
→ チャネル1
AP-B
→ チャネル1
なら、
2つのセルは同じチャネルを利用しています。
4. 同一チャネルでは通信時間を共有する
同じチャネル上の802.11端末は、
共有無線媒体
を利用します。
そのため、
誰かが送信中
↓
他端末は媒体利用を待つ
という状況が増えます。
結果として、
利用可能なエアタイム
を複数端末で共有します。
5. 同一チャネルでは「衝突する」と単純化しない
同一チャネル環境を、
同じチャネル
=
常にフレーム同士が衝突する
とは考えません。
802.11では、
媒体が使用中か確認
必要なら待機
競合後に送信
という仕組みで共有します。
したがってここでは、
同一チャネル
→ エアタイム競合
→ 競合増加
として理解します。
6. 同一チャネル競合が増えるとスループットへ影響する
同じチャネルを利用する端末が増えるほど、
1台が使えるエアタイム
は小さくなりやすくなります。
例えば、
1チャネルを
少数クライアントで共有
する場合と、
1チャネルを
多数のAPとクライアントで共有
する場合では、
後者の方が、
エアタイム競合
が大きくなります。
7. AP同士が互いを聞ける範囲で同じチャネルを使う
例えば、
AP-A
チャネル36
AP-B
チャネル36
で、
両セルが強く重なっている場合、
同じチャネルのトラフィック
を共有することになります。
これが、
同一チャネル競合
を考える代表シナリオです。
8. 同一チャネルは必ず設計ミスではない
同じチャネルは、
二度と使ってはいけない
わけではありません。
無線設計では、
チャネル再利用
が必要です。
重要なのは、
同じチャネルを
どこで再利用するか
です。
9. チャネル再利用では空間的分離が重要
同じチャネルを再利用するとき、
AP同士を十分に分離する
ことで、
同じチャネルセル同士の影響を抑えやすくなります。
概念的には、
チャネル1
↓
チャネル6
↓
チャネル11
↓
十分離れた場所で
チャネル1を再利用
という考え方です。
10. 再利用距離が小さすぎると競合が増える
同じチャネルを使用するセルが、
互いに強く見える距離
に多数存在すると、
チャネル再利用
というより、
同一の衝突ドメインに近い
大きなエアタイム共有環境
になります。
結果として、
競合
が増加します。
11. 同一チャネルの原因はAP数だけではない
同一チャネル競合は、
APの数
だけで決まるわけではありません。
例えば、
クライアント数
トラフィック量
セル重複
送信電力
チャネル割り当て
なども影響します。
ここでは詳細なRF設計計算ではなく、
同チャネル利用者が増える
↓
エアタイム競合が増える
という基本関係を扱います。
12. 隣接チャネル干渉とは
隣接チャネル干渉は、
互いに重なる
または十分に分離されていない
周波数資源を
近接セルが利用する
ことで発生する干渉です。
代表例は、
2.4 GHz
です。
13. 2.4 GHzではチャネル番号が違っても重なる
ページ028で確認したように、
2.4 GHzでは、
チャネル1
チャネル2
チャネル3
のように、
チャネル番号が異なっていても、
使用する周波数資源が重なります。
したがって、
チャネル番号が違う
=
干渉しない
とは判断できません。
14. 2.4 GHzでは1/6/11が重要
20 MHzチャネル計画では、
1
6
11
を代表的な非重複チャネル計画として扱います。
例えば隣接APへ、
1
↓
6
↓
11
と割り当てることで、
近接セル間の周波数重複を避けやすくなります。
15. 1/2/3は3つの独立チャネルではない
次の設定を考えます。
AP-A
チャネル1
AP-B
チャネル2
AP-C
チャネル3
一見すると、
3つの異なるチャネル
ですが、
2.4 GHzでは周波数資源が重なるため、
隣接チャネル干渉
の原因になります。
16. 同一チャネルと隣接チャネルを区別する
基本的には、
同じチャネル
→ 同一チャネル
異なる近接チャネル間で
周波数重複または
隣接チャネルエネルギーの影響を受ける
→ 隣接チャネル
と分類します。
例えば、
チャネル1
対
チャネル1
なら同一チャネルです。
チャネル1
対
チャネル2
なら2.4 GHzでは周波数資源の重複を伴う隣接チャネルの代表例です。
したがって、
隣接チャネル
=
必ず周波数資源が重なる場合だけ
とは考えません。
17. 同一チャネルでは802.11同士が媒体を共有できる
同じチャネル上で互いを検出できる802.11端末は、
キャリアセンス(Carrier Sense)
によって媒体利用を調整できます。
そのため、
同一チャネル
では、
効率は低下しても
共有媒体として動作する
という特徴があります。
18. 隣接チャネルはより扱いにくい場合がある
周波数が重なる別チャネルでは、
相手トラフィックを
同じ802.11セルの通信として
正常に共有できない
場合があります。
結果として、
破損
再試行
スループット低下
につながる可能性があります。
したがって、
チャネル番号を分ければよい
のではなく、
非重複チャネル
を選ぶことが重要です。
19. 5 GHzでは20 MHzチャネルの選択肢が多い
5 GHzでは、
2.4 GHzより、
多くの20 MHzチャネル
を利用できます。
これにより、
近接APへ
異なるチャネルを割り当てる
自由度が高くなります。
その結果、
同一チャネル再利用距離
を確保しやすくなります。
20. 5 GHzでもチャネル計画は不要にならない
5 GHzにチャネルが多いからといって、
どのチャネル幅でも
どのチャネル配置でも
干渉を考えなくてよい
わけではありません。
特に、
AP密度
チャネル幅
再利用
の組み合わせが重要です。
21. 広帯域チャネルは多くの周波数資源を使う
チャネル幅を、
20 MHz
40 MHz
80 MHz
160 MHz
と広げるほど、
1つのチャネルが使用する、
周波数資源
は増加します。
22. 広帯域チャネルでは独立チャネル数が減る
同じ利用可能周波数資源の中で、
1チャネル当たりの幅
を広げるほど、
同時に利用できる、
独立チャネル
は減少します。
したがって、
広帯域チャネル
↓
再利用の選択肢減少
というトレードオフがあります。
23. 広帯域チャネルと高密度にはトレードオフがある
高密度環境では、
多数AP
多数クライアント
へ周波数資源を分配する必要があります。
その状態で広帯域チャネルを多用すると、
独立チャネル数が減る
↓
同チャネル再利用が増える
↓
同一チャネル競合が増えやすい
場合があります。
24. 80/160 MHzが常に高速なネットワークを作るわけではない
1クライアントの最大スループットだけを見ると、
広帯域チャネル
は有利になる場合があります。
しかし配置全体では、
チャネル再利用
AP密度
クライアント密度
利用可能な周波数資源
も考える必要があります。
したがって、
160 MHz
=
常に20 MHzより
配置上の収容能力が高い
とは判断しません。
25. 20 MHzには高密度上の利点がある
20 MHzでは、
利用する周波数資源が比較的小さい
ため、
より多くの独立チャネルを
配置しやすい
という利点があります。
高密度WLANで、
20 MHz
が利用される理由の1つです。
26. AP密度とは
AP密度は、
一定エリア内に
どの程度APが配置されているか
という考え方です。
クライアント数や通信範囲要件に応じて、
APを増やす
場合があります。
27. APを増やせば必ず収容能力が増えるわけではない
例えば、
同じエリアへ
APを追加
しても、
そのAPが、
既存APと同じチャネルを使用
セルが大きく重なる
状態なら、
エアタイム競合
を増やす可能性があります。
28. 通信範囲不足と収容能力不足を分ける
APを追加する目的には、
通信範囲を広げる
クライアント収容能力を増やす
などがあります。
しかし、
通信範囲が弱い
問題と、
同チャネルの利用者が多すぎる
問題は異なります。
29. AP密度が高いほどチャネル再利用が重要になる
APが増えるほど、
限られたチャネルを
複数回再利用する
必要性が高まります。
したがって、
AP密度
↑
チャネル計画の重要性
↑
と考えます。
30. セル重複が大きすぎると同チャネル影響が増える
近接するAPの通信範囲が、
大きく重複
していて、
さらに、
同じチャネル
を利用している場合、
互いのトラフィックが、
同一チャネル上で
検出される範囲
が広くなります。
これにより、
競合
が増えやすくなります。
31. 非Wi-Fi干渉とは
Wi-Fiと同じ周波数帯では、
802.11ではないRF信号
も存在できます。
このような信号が無線通信へ影響する場合、
非Wi-Fi干渉
として分類します。
32. Bluetoothは代表的な非Wi-Fi干渉源
Bluetoothは、
2.4 GHz周波数帯
を利用します。
そのため、
近接したBluetooth端末が送信すると、
2.4 GHzのWi-Fi
へ影響する場合があります。
33. Bluetoothは常に大規模障害を起こすわけではない
Bluetooth端末が存在するだけで、
Wi-Fiが必ず使用不能になる
わけではありません。
影響は、
端末数
活動量
距離
送信電力
周波数使用率
などで変わります。
重要なのは、
Bluetooth
→ 非Wi-FiのRF発生源になり得る
という分類です。
34. 電子レンジも代表的な発生源
電子レンジは、
2.4 GHzのWi-Fi
へ影響する可能性がある代表的な非Wi-Fi干渉源です。
例えば、
昼休みだけ
無線性能が悪化
し、
近くの電子レンジ利用と
時間が一致する
なら、
非Wi-Fi干渉を疑うシナリオになります。
35. コードレス電話も干渉源になり得る
一部のコードレス電話など、
Wi-Fiと重なる周波数資源を
利用する端末
も干渉源になり得ます。
したがって、
Wi-Fi AP以外に
RFを発生する端末がないか
を見る必要があります。
36. 非Wi-Fi干渉源は802.11のチャネル規則に従うとは限らない
Wi-Fi APは、
802.11チャネル
として通信します。
一方、
非Wi-Fi端末は、
Wi-Fiチャネル番号を使って
通信するとは限らない
ため、
Wi-Fi側から見ると、
ノイズ・干渉エネルギー
として観測される場合があります。
37. 非Wi-Fi干渉ではノイズフロアが上昇することがある
ページ029で、
ノイズフロア
を確認しました。
強い干渉エネルギーが存在すると、
背景RFエネルギー
が増え、
ノイズフロアが高くなる場合があります。
例えば、
通常
ノイズ -95 dBm
問題
ノイズ -72 dBm
なら、
問題時の方がノイズ電力が強い状態です。
38. ノイズフロアが高くなるとSNRは低下しやすい
次の状態を考えます。
信号
-60 dBm
ノイズ
-90 dBm
なら、
SNR
=
30 dB
です。
ノイズが、
-70 dBm
まで上昇すると、
SNR
=
10 dB
になります。
信号が同じでも、
ノイズ上昇
によってSNRは悪化します。
39. 干渉シナリオではRSSIだけを見ない
例えば、
RSSI
-55 dBm
なら、
信号自体は比較的強く見えます。
しかし、
ノイズ
-60 dBm
なら、
SNR
5 dB
しかありません。
したがって、
強いRSSI
=
干渉なし
とは判断できません。
40. 弱い信号と干渉を区別する
次のシナリオを比較します。
ケースA:
RSSI
-85 dBm
ノイズ
-95 dBm
ケースB:
RSSI
-60 dBm
ノイズ
-70 dBm
どちらも、
SNR
10 dB
です。
しかし、
ケースAは、
信号自体が弱い
状態です。
ケースBは、
信号は強いが
ノイズも非常に強い
状態です。
41. 距離による弱い信号は干渉とは限らない
クライアントがAPから遠くなり、
RSSI
-50 dBm
↓
-82 dBm
へ低下した場合、
その主原因が、
距離
壁
減衰
なら、
信号強度不足
です。
必ずしも干渉ではありません。
42. 壁による減衰も干渉ではない
例えば、
AP
↓
コンクリート壁
↓
クライアント
によって信号が大きく弱くなった場合、
これはページ029で扱った、
減衰
です。
別のRF信号が
通信を妨害した
とは限りません。
43. RSSIが十分でも低いSNRならノイズを疑う
例えば、
RSSI
-58 dBm
ノイズ
-66 dBm
なら、
SNR
8 dB
です。
この場合、
APからの信号が
単純に弱い
という説明だけでは不十分です。
ノイズの高い環境
を確認します。
44. RSSIとノイズが両方弱いシナリオ
例えば、
信号
-86 dBm
ノイズ
-96 dBm
なら、
SNR
10 dB
です。
この場合、
まず、
信号強度不足
距離
減衰
を考えるシナリオです。
45. RSSIとノイズが両方強いシナリオ
例えば、
信号
-55 dBm
ノイズ
-65 dBm
なら、
SNR
10 dB
です。
信号は強いにもかかわらず、
ノイズフロアも非常に高い
ため、
干渉・高いRFノイズ
を考えます。
46. SNRだけで原因を1つに確定しない
SNRが低いことは、
信号とノイズの差が小さい
ことを示します。
しかし、
原因は、
信号が弱い
ノイズが高い
その両方
の可能性があります。
したがって、
SNRだけ
で原因を確定しません。
47. DFSとは
DFSは、
動的周波数選択
です。
5 GHzの一部チャネルでは、
レーダーシステム
との共存が必要です。
そのためAPは、
レーダーを検出した場合
対象チャネルから移動する
必要があります。
48. レーダー検出と同一チャネル競合を区別する
例えば、
5 GHzのAPが
突然別チャネルへ移動
したシナリオで、
ログやイベントに、
レーダー検出
とあれば、
DFS
を考えます。
これは、
Wi-Fiクライアントが多すぎて
エアタイム競合が発生した
同一チャネル競合とは別です。
49. DFSチャネルを使うこと自体が干渉設計ミスではない
DFS対象チャネルは、
使用禁止チャネル
ではありません。
規制要件に従い、
レーダー検出
チャネル退避
などを行うことで利用できます。
したがって、
DFSチャネル
=
誤ったチャネル
とは考えません。
50. レーダーは一般的な同一チャネル競合とは異なる
レーダー信号が検出された場合、
APは、
規制要件
に従ってチャネルを変更します。
これは、
同じチャネルのWi-Fi端末同士が
CSMA/CAでエアタイムを共有する
シナリオとは異なります。
51. DFSによるチャネル変更とランダム切断を分ける
クライアント切断が発生したとしても、
原因
=
必ずRF干渉
とは限りません。
しかし、
DFSイベント
レーダー検出
APチャネル変更
が同時に確認できる場合、
DFSによるチャネル移行を原因候補として分類できます。
詳細なクライアント接続トラブルシューティングは後続ページで扱います。
52. 同一チャネルシナリオ1
環境:
AP-A
チャネル1
AP-B
チャネル1
AP-C
チャネル1
3セルが大きく重複
症状:
RSSIは十分
ノイズも極端には高くない
利用者増加時に
スループット低下
なら、
主な原因候補は、
同一チャネル競合
です。
53. 同一チャネルシナリオ2
環境:
多数AP
20 MHz
同じチャネルを
近距離で繰り返し再利用
なら、
同一チャネルセル間の
エアタイム競合
を疑います。
改善の考え方は、
チャネル割り当て
再利用
セル設計
ですが、
RRM設定そのものより、チャネル割り当て・再利用・セル設計の関係を理解することが重要です。
54. 隣接チャネルシナリオ1
環境:
2.4 GHz
AP-A
チャネル1
AP-B
チャネル2
なら、
異なるチャネル番号
でも周波数資源が重複します。
分類は、
隣接チャネル干渉
です。
55. 隣接チャネルシナリオ2
環境:
2.4 GHz
AP-A
チャネル1
AP-B
チャネル6
AP-C
チャネル11
なら、
代表的な20 MHz計画として、
周波数重複を
避けやすい配置
です。
したがって、
1/6/11を使っている
=
隣接チャネル干渉
とは判断しません。
56. 広帯域チャネルシナリオ
環境:
高密度オフィス
多数AP
80 MHzチャネルを多数使用
症状:
チャネル再利用が多い
同一チャネルセルが近い
なら、
広帯域チャネルによる
独立チャネル数減少
が原因の1つとして考えられます。
57. より狭いチャネルが有効な場合がある
高密度環境で、
80 MHz
↓
20 MHz
へチャネル幅を狭くすると、
利用できる独立チャネル数
を増やせる場合があります。
その結果、
近接セルの
同一チャネル再利用
を減らしやすくなります。
58. 広帯域チャネルそのものを干渉と呼ばない
80 MHz
160 MHz
自体が、
干渉源
というわけではありません。
問題は、
限られた周波数資源で
広帯域チャネルを使う
↓
独立チャネルが減る
↓
再利用が増える
↓
競合しやすくなる
という間接的な関係です。
59. 非Wi-Fiシナリオ1:電子レンジ
症状:
2.4 GHzのみ品質低下
昼休みだけ発生
キッチン近くで強い
なら、
電子レンジ
による非Wi-Fi干渉を疑うシナリオです。
60. 非Wi-Fiシナリオ2:Bluetooth
症状:
2.4 GHzで不安定
近くで多数Bluetooth端末が
稼働中
RFノイズ増加
なら、
Bluetooth
も原因候補になります。
ただし、
Bluetoothが存在するだけ
で断定しません。
61. 非Wi-Fiシナリオ3:その他のRF端末
周波数資源上に、
802.11トラフィックではない
強いRFエネルギー
が存在する場合、
非Wi-Fi干渉
として分類します。
ここでは、
スペクトラムアナライザーを操作して
端末種別を特定する
手順までは扱いません。
62. ノイズフロアシナリオ
正常時:
RSSI
-58 dBm
ノイズ
-94 dBm
SNR
36 dB
問題発生時:
RSSI
-58 dBm
ノイズ
-70 dBm
SNR
12 dB
なら、
信号は変化していません。
変化しているのは、
ノイズフロア
です。
この場合、
高いRFノイズ・干渉
を強く疑います。
63. 弱い信号シナリオ
正常時:
RSSI
-55 dBm
ノイズ
-95 dBm
移動後:
RSSI
-85 dBm
ノイズ
-95 dBm
なら、
ノイズは変化せず、
信号だけが低下
しています。
この場合、
距離・減衰
を中心に考えます。
64. 弱い信号と高いノイズを同じ対策にしない
信号が弱い場合と、
ノイズが高い場合では、
原因
が異なります。
弱い信号
→ 通信範囲・減衰側
高いノイズ
→ 干渉側
として分離します。
設定手順よりも、
原因分類
を優先します。
65. 干渉原因分類では根拠を見る
原因を判断するときは、
症状だけ
ではなく、
RSSI
ノイズ
SNR
チャネル
チャネル幅
近接AP
周波数帯
発生時間
周辺RF端末
DFSイベント
などを組み合わせます。
66. 「遅い」だけでは原因を決めない
無線が、
遅い
という情報だけでは、
弱い信号
同一チャネル
隣接チャネル
非Wi-Fi
高いクライアント負荷
DFSイベント
などを区別できません。
追加情報が必要です。
67. 同じRSSIでも原因は異なる
2台のクライアントが、
RSSI
-60 dBm
だったとしても、
クライアントA:
ノイズ
-95 dBm
クライアントB:
ノイズ
-68 dBm
なら、
RF状態は大きく異なります。
68. 同一チャネルと高い利用率を読む
シナリオ:
RSSI
良好
SNR
良好
同一チャネルAPが多数
チャネル使用率が高い
利用者増加時に遅い
なら、
同一チャネル競合
を原因候補として説明できます。
69. 重複チャネルと再試行を読む
シナリオ:
2.4 GHz
AP-Aのチャネル1
AP-Bのチャネル3
近距離
再試行増加
なら、
隣接チャネル干渉
を考えます。
70. 高いノイズと安定したRSSIを読む
シナリオ:
RSSI
ほぼ変化なし
ノイズフロア
大幅上昇
SNR
低下
なら、
RF干渉
を疑います。
特に周辺に、
非Wi-Fi干渉源
があるか確認するシナリオです。
71. 低いRSSIと安定したノイズを読む
シナリオ:
RSSI
大幅低下
ノイズフロア
ほぼ同じ
クライアントがAPから遠い
なら、
信号強度不足
を優先します。
これは、
干渉
とは別の原因分類です。
72. レーダーイベントを読む
シナリオ:
周波数帯
5 GHz
DFSチャネル使用
イベント
レーダー検出
その後
チャネル変更
なら、
原因分類は、
DFS・レーダーイベント
です。
73. AP密度と広帯域チャネルを組み合わせて読む
シナリオ:
高密度
多数AP
80 MHz
同じチャネルブロックの再利用が多い
なら、
単純に、
APが足りない
とは判断しません。
むしろ、
広帯域チャネル
+
高AP密度
+
再利用不足
の組み合わせを確認します。
74. 周波数帯ごとの代表的な干渉観点
| 周波数帯 | 主な確認観点 |
|---|---|
| 2.4 GHz | 限られた周波数資源、1/6/11、Bluetooth、電子レンジなど |
| 5 GHz | チャネル再利用、チャネル幅、DFS・レーダー |
| 6 GHz | チャネル幅、再利用、配置密度 |
これは、
この周波数帯なら
必ずこの干渉が起きる
という表ではありません。
周波数帯ごとに、
どの要素を確認しやすいか
を整理したものです。
75. 干渉種別比較
| 原因 | 基本状態 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 同一チャネル | 同じチャネルを近接セルで使用 | 通信時間の競合 |
| 隣接チャネル | 重複または近接する異なる周波数資源 | 破損・再試行などにつながる |
| 非Wi-Fi | 802.11以外のRFエネルギー | ノイズフロア上昇など |
| 弱い信号 | 距離・減衰等 | RSSI低下 |
| DFS・レーダー | レーダー検出 | チャネル退避・変更 |
| 広帯域チャネル密度 | 独立チャネル数減少 | 再利用・競合増加につながる |
76. 同一チャネルと隣接チャネルの比較
| 項目 | 同一チャネル | 隣接チャネル |
|---|---|---|
| チャネル | 同じ | 異なる近接チャネル |
| 周波数関係 | 同一チャネル周波数資源 | 周波数資源の重複または隣接チャネルエネルギーの影響 |
| 代表例 | チャネル1対チャネル1 | 2.4 GHzのチャネル1対チャネル2 |
| 主な問題 | 通信時間共有・競合 | 周波数の漏れ・重複による干渉 |
| チャネル計画 | 適切な再利用 | 十分な周波数・空間的分離 |
77. RSSI・ノイズ・SNRによる分類
| 状態 | RSSI | ノイズ | 主な見方 |
|---|---|---|---|
| 良好な信号・低いノイズ | 強い | 低い | RF状態良好 |
| 弱い信号・低いノイズ | 弱い | 低い | 通信範囲・減衰 |
| 強い信号・高いノイズ | 強い | 高い | 干渉を疑う |
| 弱い信号・高いノイズ | 弱い | 高い | 信号と干渉双方を確認 |
78. よくある誤判断
誤り1:同じチャネルを使うと必ずパケット同士が衝突する
同じチャネルの802.11端末は媒体を共有し、主に通信時間の競合が増えます。
誤り2:同一チャネルは同じチャネルを使うこと自体が禁止
チャネルは空間的分離を取りながら再利用します。
誤り3:チャネル番号が違えば隣接チャネル干渉はない
2.4 GHzではチャネル1と2などが重複します。
誤り4:2.4 GHzで1/2/3を使えば3つの独立チャネルになる
代表的な20 MHz非重複チャネル計画は1/6/11です。
誤り5:APを増やせば必ず収容能力が増える
不適切な再利用では同一チャネル競合が増える場合があります。
誤り6:広帯域チャネルは干渉を必ず減らす
広帯域チャネルは独立チャネル数を減らし、再利用を難しくする場合があります。
誤り7:20 MHzは古くて高密度には不向き
20 MHzは独立チャネル数を確保しやすい利点があります。
誤り8:Bluetoothや電子レンジはWi-Fiチャネルとして動作する
非Wi-FiのRF発生源としてWi-Fiへ影響する場合があります。
誤り9:強いRSSIなら干渉はない
ノイズフロアが高ければSNRは低くなる場合があります。
誤り10:低いSNRなら必ず干渉
信号強度不足でも低いSNRになる場合があります。
誤り11:壁によるRSSI低下は隣接チャネル干渉
壁や距離による損失は減衰です。
誤り12:DFSチャネルは使用禁止
規制要件に従って利用できます。
誤り13:レーダー検出は同一チャネル競合
DFS・レーダーイベントと通常のWi-Fi通信時間の競合は別です。
誤り14:無線が遅いだけで原因を確定できる
RSSI、ノイズ、SNR、チャネル、密度、周辺RF発生源などを確認して分類します。
79. 原因分類手順
無線性能低下
↓
RSSI確認
RSSIが低いなら、
距離
減衰
通信範囲
を確認します。
RSSIが十分なら、
ノイズフロア
↓
SNR
を確認します。
ノイズが高ければ、
非Wi-FiのRF
重複チャネル
その他干渉
を疑います。
ノイズ・SNRが大きく悪化していなくても、
同一チャネルAP多数
高いチャネル使用率
高いクライアント密度
なら、
同一チャネル競合
を確認します。
80. チャネル分類手順
近接APが同じチャネル
↓
同一チャネル
近接APが
互いに影響する異なるチャネル
↓
隣接チャネル
多数AP
+
広帯域チャネル
+
再利用不足
↓
密度・チャネル幅の問題
81. 非Wi-Fi干渉分類手順
Wi-Fiチャネル計画に
明確な問題がない
↓
ノイズフロアが高い
↓
時間・場所で変化
↓
周辺RF端末を確認
↓
Bluetooth
マイクロ波
コードレス電話などのRF機器
↓
非Wi-Fi干渉候補
です。
82. DFS分類手順
5 GHz
↓
DFS対象チャネル
↓
レーダー検出イベント
↓
APがチャネル退避
↓
別チャネルへ移動
なら、
DFS・レーダー
として分類します。
83. 干渉原因の分類に集中する
ここで重要なのは、
スペクトラムアナライザーの操作
CleanAir設定
RRM設定
パケットキャプチャ解析
クライアントOSの接続修復
RFリンクバジェットの詳細
そのものではなく、
与えられた無線シナリオから
干渉原因を分類する
ことです。
84. 関連する観点を整理する
無線の状態を判断するときは、
周波数帯
→ どの周波数帯を使っているか
チャネル
→ どのチャネル・幅を使っているか
RF
→ RSSI、ノイズ、SNRをどう読むか
セキュリティ
→ どのセキュリティ方式を使っているか
干渉
→ 何が通信を妨げているか
のように観点を分けて確認します。
干渉を判断するときは、
干渉原因
の切り分けに集中します。
85. 次に組み合わせる観点
実際の無線シナリオでは、
周波数帯
チャネル
RF
セキュリティ
干渉
を組み合わせて判断します。
ここではまず、
同一チャネル
隣接チャネル
非Wi-Fi干渉
弱い信号
高いノイズ
広帯域チャネルとAP密度
DFS・レーダー
を区別し、干渉原因を切り分ける観点を確実にします。
86. 最終的に判断できるようにすること
最終的に、
同一チャネルを
同じチャネルの共有として
説明できる
同一チャネルで
エアタイム競合が
増えることを説明できる
同一チャネルを
単純なフレーム衝突と
同一視しない
チャネル再利用が
必要であることを説明できる
再利用距離が
小さすぎる場合の
競合を説明できる
隣接チャネル干渉を
異なる近接チャネル間の
周波数干渉として
説明できる
2.4 GHzで
チャネル1/6/11を
関連付けられる
チャネル1/2/3が
独立チャネルではないと
判断できる
同一チャネルと
隣接チャネルを
区別できる
Bluetoothを
非Wi-Fi干渉源として
認識できる
電子レンジを
非Wi-Fi干渉源として
認識できる
一部コードレス電話などを
RF干渉源として
認識できる
AP密度が高すぎる場合に
チャネル再利用が重要になると
説明できる
APを増やせば
必ず収容能力が増えるわけではないと
判断できる
広帯域チャネルが
独立チャネル数を減らすことを
説明できる
広帯域チャネルと
高密度のトレードオフを
説明できる
20 MHzが
高密度環境で
有効な場合があると判断できる
RSSIが低いシナリオと
干渉を区別できる
距離・壁による
減衰を
干渉と混同しない
ノイズフロア上昇を
干渉を示す根拠として
利用できる
SNR低下の原因を
弱い信号と高いノイズに
分けて考えられる
強いRSSIでも
高いノイズなら
低いSNRになり得ると
説明できる
DFSを
動的周波数選択として
説明できる
5 GHzの一部チャネルで
レーダー検出が必要と
判断できる
レーダー検出による
チャネル変更を
同一チャネル競合と
区別できる
DFSチャネルを
使用禁止チャネルと
誤認しない
シナリオから
同一チャネル
隣接チャネル
非Wi-Fi
弱い信号
高いノイズ
広帯域チャネル密度
DFS・レーダー
を分類できる
必要があります。
まとめ
無線干渉では、
同じチャネル
近接する異なるチャネル
Wi-Fi以外のRF信号
AP密度
チャネル幅
レーダー
弱い信号
ノイズ
を分けて考えます。
同じチャネルを近接セルで利用すると、
同一チャネル競合
が発生し、
エアタイム
を共有します。
重要なのは、
同チャネル
=
必ずフレーム衝突
と単純化しないことです。
2.4 GHzで、
チャネル1
チャネル2
のような重複するチャネルを近接利用すると、
隣接チャネル干渉
の原因になります。
また隣接チャネル干渉は、
周波数資源が完全に重なる場合だけ
に限定せず、
異なる近接チャネル間の
隣接チャネルエネルギー
による影響も含めて考えます。
代表的な2.4 GHz 20 MHz計画は、
1/6/11
です。
Wi-Fi以外にも、
Bluetooth
電子レンジ
一部のコードレス電話
その他RF端末
が非Wi-Fi干渉源になる場合があります。
高密度環境では、
AP密度
+
チャネル幅
+
チャネル再利用
を組み合わせて考えます。
広帯域チャネルは、
1チャネルが使う周波数資源
を増やす一方、
独立チャネル数
を減らします。
したがって、
広帯域チャネル
=
常に高い収容能力
ではありません。
RF値を見るときは、
RSSI
ノイズフロア
SNR
を組み合わせます。
例えば、
弱いRSSI
+
低いノイズ
なら、
通信範囲・減衰
を考えます。
一方、
強いRSSI
+
高いノイズ
+
低いSNR
なら、
干渉
を疑います。
5 GHzの一部チャネルでは、
DFS
によってレーダーを検出し、
必要に応じて、
チャネルから退避
します。
これは、
同一チャネル競合
とは別の原因分類です。
最終手順は、
無線問題
↓
RSSI
↓
ノイズ
↓
SNR
↓
チャネル
↓
チャネル幅
↓
AP密度・再利用
↓
非Wi-FiのRF
↓
DFS・レーダー
↓
干渉原因の分類
です。
次は、
無線の基本原理総合判断
として、
周波数帯
チャネル
RF特性
セキュリティ
干渉
を組み合わせてシナリオを判断します。
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