試験項目 2.1.c · CCNA-049
Layer 3 EtherChannel
ドメイン 2 · Switching and Network Access · Configure Network Infrastructure Connectivity
このページのゴール
Layer 3 LACP EtherChannelを構成し、IP AddressとRouting責任をLogical Port-Channelへ集約して確認できるようにする。
このページで学ぶこと
- Layer 3 EtherChannel Members
- No Individual Member IP
- Layer 3 Port-Channel IP Address
- L3 EtherChannel ip routing Distinction
- L3 Port-Channel Adjacency
- L3 EtherChannel Verification
- L3 Port-Channel Connected Route
1. レイヤ3EtherChannelとは何か
レイヤ3EtherChannelでは、複数の物理Ethernetインターフェースを1つの論理ルーテッドインターフェースとしてバンドルします。
SW1 SW2
Gi1/0/1 ───────────────────── Gi1/0/1
Gi1/0/2 ───────────────────── Gi1/0/2
\ /
\ Port-channel /
レイヤ3
論理Port-ChannelへIPアドレスを設定し、1本のレイヤ3リンクとして利用します。
2. レイヤ2EtherChannelとの違い
レイヤ2EtherChannelでは、Port-Channelをスイッチポートとして利用しました。
レイヤ3EtherChannelでは、
Port-channel
→ ルーテッドインターフェース
として利用します。
3. 共通する基本構造
レイヤ2でもレイヤ3でも、
複数物理メンバー
↓
1つの論理Port-Channel
というEtherChannelの基本構造は共通です。
違いは論理Port-Channelがレイヤ2かレイヤ3かです。
4. レイヤ3EtherChannelメンバー
レイヤ3EtherChannelへ参加する物理メンバーは、ルーテッドインターフェースの役割へ揃えます。
Cisco IOS系スイッチでは代表的に、
no switchport
を使用します。
5. no switchportの意味
no switchportは、そのインターフェースをレイヤ2スイッチポートではなくレイヤ3ルーテッドインターフェースとして扱うためのコマンドです。
switchport
→ レイヤ2
no switchport
→ レイヤ3ルーテッドポート
という違いを意識します。
6. メンバーをレイヤ3へ揃える
2本の物理メンバーをレイヤ3EtherChannelへ参加させる場合、
Gi1/0/1 → ルーテッドポート
Gi1/0/2 → ルーテッドポート
のように役割を揃えます。
7. レイヤ2・レイヤ3を混在させない
次のような状態を正常な同一バンドルとして考えません。
Gi1/0/1 → レイヤ3ルーテッドポート
Gi1/0/2 → レイヤ2スイッチポート
メンバー役割を整合させます。
8. 基本的なメンバー構成例
代表例です。
interface range GigabitEthernet1/0/1-2
no ip address
no switchport
channel-group 10 mode active
物理メンバーに個別のネクストホップ用IPアドレスを持たせず、2本をレイヤ3の役割へ変更してLACPチャネルグループ10へ参加させます。
9. active・passiveはLACPモード
channel-group 10 mode active
のactiveはLACPモードです。
レイヤ3モードを意味するわけではありません。
レイヤ3の役割はno switchportで判断します。
10. レイヤ3の役割とLACPを別々に読む
次の設定では、
no switchport
channel-group 10 mode active
それぞれ、
no switchport
→ レイヤ3インターフェース
mode active
→ LACPネゴシエーションモード
という異なる役割があります。
11. Port-Channelが論理レイヤ3インターフェース
物理メンバーをバンドルした後、論理Port-Channelをレイヤ3エンドポイントとして利用します。
Gi1/0/1 ─┐
├─ Port-channel10
Gi1/0/2 ─┘
IP通信ではPort-channel10が論理インターフェースになります。
12. IPアドレスはどこへ設定するか
レイヤ3EtherChannelでは、ネクストホップ間のIPアドレスを論理Port-Channelへ設定するのが基本です。
interface Port-channel10
ip address 10.0.0.1 255.255.255.252
13. 物理メンバーへ個別ネクストホップIPを置かない
EtherChannelメンバーを1つの論理レイヤ3リンクとして利用する場合、
Gi1/0/1 → 10.0.0.1/30
Gi1/0/2 → 10.0.1.1/30
のようにメンバーごとへ別々のネクストホップ用IPを分散する設計ではありません。
論理Port-ChannelへIPを集約します。
14. メンバー個別IPを持たせない
基本構造は、
Gi1/0/1 ─┐
Gi1/0/2 ─┤
│
↓
Port-channel10
10.0.0.1/30
です。
IPエンドポイントはPort-Channelです。
15. 物理メンバーはリンクを提供する
物理メンバーは論理Port-Channelを構成する物理パスを提供します。
物理メンバー
→ リンク帯域・冗長性
Port-Channel
→ レイヤ3エンドポイント
という役割分担で理解します。
16. メンバー IPとPort-ChannelのIPを重複させない
論理Port-ChannelへIPを配置する構成で、物理メンバーにも同じレイヤ3リンク用のIPアドレスを個別配置する考え方ではありません。
レイヤ3エンドポイントを論理インターフェースへ集約します。
17. Port-Channelへレイヤ3設定を集約する理由
EtherChannelは複数の物理リンクを1つの論理リンクとして扱います。
そのためレイヤ3アドレス設定も、
1つの論理リンク
→ 1つの論理IPインターフェース
として考えます。
18. レイヤ3Port-Channel設定例
代表的な例です。
interface Port-channel10
no switchport
ip address 10.0.0.1 255.255.255.252
プラットフォームや既存インターフェース状態により必要なコマンドは異なる場合がありますが、中心はPort-Channelをルーテッドインターフェースとして扱い、IPを論理インターフェースへ設定することです。
19. 対向側も論理Port-ChannelへIPを置く
SW2側も論理Port-ChannelへIPアドレスを設定します。
例:
interface Port-channel10
no switchport
ip address 10.0.0.2 255.255.255.252
20. 論理レイヤ3リンク
SW1とSW2の関係は、
SW1 Po10
10.0.0.1/30
│
│ 論理レイヤ3リンク
│
10.0.0.2/30
SW2 Po10
と考えます。
物理ケーブルが複数でも、レイヤ3の観点では1つの論理リンクです。
21. 同じサブネットを使用する
直接隣接するレイヤ3Port-Channel同士では、通常同一サブネットのアドレスを設定します。
例:
SW1 Po10
10.0.0.1/30
SW2 Po10
10.0.0.2/30
双方とも10.0.0.0/30に属します。
22. 物理メンバーごとに別サブネットを作らない
2本のメンバーを1つのPort-Channelへバンドルする場合、
メンバー1 → サブネットA
メンバー2 → サブネットB
として2本の独立レイヤ3リンクにする設計とは異なります。
EtherChannelでは論理リンクにアドレス設定します。
23. レイヤ3隣接関係のエンドポイント
隣接デバイスから見たレイヤ3エンドポイントはPort-Channelです。
SW1
Port-channel10
↕
Port-channel10
SW2
物理メンバーそのものを個別ネクストホップとして扱うわけではありません。
24. Ping対象も論理IP
基本疎通を確認するときも、対向Port-ChannelのIPアドレスが論理隣接先になります。
例:
SW1 Po10 = 10.0.0.1
SW2 Po10 = 10.0.0.2
SW1から10.0.0.2への疎通を確認できます。
25. レイヤ3EtherChannel構成フロー
基本構成を整理します。
物理メンバーを選ぶ
↓
no ip address
↓
no switchport
↓
メンバーパラメータを整合
↓
channel-group active/passive
↓
論理Port-Channel
↓
レイヤ3IPアドレス
↓
動作確認
26. メンバー互換性も必要
レイヤ3EtherChannelでもメンバー互換性は必要です。
代表的には、
- レイヤ3の役割
- 速度
- デュプレックス
- LACPモードの組み合わせ
- その他バンドル形成に必要な条件
を確認します。
不整合が疑われる場合は、これらのメンバー条件を個別に確認します。
27. レイヤ2 VLAN属性は中心ではない
レイヤ3EtherChannelはルーテッドPort-Channelなので、
アクセスVLAN
ネイティブVLAN
許可VLAN
を論理レイヤ3リンクの中心属性として扱うわけではありません。
それらはレイヤ2スイッチポートの概念です。
28. トランクEtherChannelとの違い
レイヤ2トランクEtherChannelでは、
Port-channel
→ switchport mode trunk
でした。
レイヤ3EtherChannelでは、
Port-channel
→ ルーテッドインターフェース
→ IPアドレス
として利用します。
29. VLANで隣接するわけではない
レイヤ3Port-Channel同士の隣接関係を考えるとき、
ネイティブVLANが同じだから隣接できる
という判断はしません。
レイヤ3インターフェースのIPアドレス・プレフィックスを確認します。
30. Port-ChannelのIPアドレス
論理インターフェースへ、
ip address <address> <mask>
を設定します。
例:
interface Port-channel10
ip address 192.0.2.1 255.255.255.252
31. プレフィックスを対向と整合させる
SW1:
192.0.2.1/30
SW2:
192.0.2.2/30
なら同一サブネットに属します。
32. アドレスが同一であってはいけない
同一サブネットにすることと、同じIPアドレスを設定することは違います。
SW1 = 192.0.2.1/30
SW2 = 192.0.2.1/30
のようなアドレス重複は避けます。
33. サブネットが異なる場合
直接接続するレイヤ3Port-Channel同士で、
SW1 = 10.0.0.1/30
SW2 = 10.0.1.2/30
のように異なるサブネットなら、通常期待する直接接続のレイヤ3隣接関係としては不整合です。
34. レイヤ3Port-Channelの隣接関係
レイヤ3EtherChannelでの論理隣接関係は、
ローカルPort-ChannelのIP
↕
対向Port-ChannelのIP
で形成します。
物理メンバー単位のIP隣接先ではありません。
35. IPアドレス設定だけとルーティング機能を分ける
Port-Channelがレイヤ3インターフェースとして存在し、IPアドレスが設定されていることと、
デバイスがレイヤ3ルーティングを実行できる状態
は別の確認です。
36. ip routingとは何か
マルチレイヤスイッチなどでは、
ip routing
によってIPルーティング機能を有効化する構成があります。
これは特定Port-Channelだけの設定ではなくデバイス全体のルーティング動作に関係します。
37. no switchportとip routingを混同しない
no switchport
はインターフェースをルーテッドポートとして扱う設定です。
ip routing
はデバイスのレイヤ3フォワーディング機能に関係します。
別の設定です。
38. Port-Channelがレイヤ3でもip routingは別
次の状態を考えます。
Po10
レイヤ3
IPアドレスあり
up/up
それだけから、
デバイスのip routingも必ず有効
とは判断しません。
39. ルーティングが期待どおりでない場合
レイヤ3Port-Channel自体は正常でも、
デバイスを経由したルーティング
が期待どおりでなければ、ip routingの状態も別に確認します。
40. 直接隣接先通信と中継ルーティング
次の2つを分けます。
同一リンク上の対向Port-Channelとの通信
と、
デバイスを経由して別ネットワークへルーティング
は確認対象が異なります。
41. レイヤ3インターフェース成立の確認
Port-Channelがレイヤ3インターフェースとして期待どおり動作しているかを確認します。
代表的なコマンドには、
show ip interface brief
があります。
42. show ip interface brief
show ip interface briefでは、代表的に、
- Interface
- IP-Address
- OK?
- Method
- Status
- Protocol
を一覧で確認できます。
43. Port-Channelを探す
例:
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Port-channel10 10.0.0.1 YES manual up up
この場合、Po10にIPアドレスがあり、インターフェース状態・ラインプロトコルがともにupであることを確認できます。
44. up/upを読む
Status = up
Protocol = up
なら、レイヤ3インターフェースの動作状態を判断する重要な材料になります。
45. up/upだけで全部正常とはしない
Port-Channelがup/upでも、
- アドレス設定
- ルーティング有効化
- ルーティングテーブル
- 対向エンドポイント
などは別に確認する場合があります。
46. show etherchannel summaryも使う
レイヤ3EtherChannelでも、
show etherchannel summary
は重要です。
論理Port-Channelとメンバーバンドル状態を確認します。
47. レイヤ3サマリーフラグ
一般的なCiscoのEtherChannelサマリーでは、
R
がレイヤ3Port-Channelを示すフラグとして使用されます。
48. Uフラグ
同じサマリーで、
U
はPort-Channelが使用中であることを示す一般的なフラグです。
49. レイヤ3Port-Channelの例
代表的な出力イメージです。
Group Port-channel Protocol Ports
10 Po10(RU) LACP Gi1/0/1(P) Gi1/0/2(P)
プラットフォームやソフトウェアバージョンにより表示形式は異なる場合があります。
50. Po10(RU)を読む
一般的なフラグでは、
R
→ レイヤ3
U
→ 使用中
として読みます。
51. メンバーの(P)
Gi1/0/1(P)
Gi1/0/2(P)
のPは、一般的なサマリー表示で物理インターフェースがPort-Channelへバンドルされていることを示します。
52. レイヤ3バンドルとしてまとめて読む
次の出力なら、
Po10(RU) LACP Gi1/0/1(P) Gi1/0/2(P)
基本的には、
Po10
→ 論理Port-Channel
R
→ レイヤ3
U
→ 使用中
LACP
→ 集約プロトコル
(P)
→ バンドル済みメンバー
と読み取ります。
53. サマリーとIP状態は別情報
show etherchannel summaryからバンドル状態を確認できます。
しかし、
Port-ChannelのIPアドレス
まで詳しく確認するには、別のコマンドも利用します。
54. show ip interface briefとの組み合わせ
show etherchannel summary
で、
バンドル・メンバー状態
を確認し、
show ip interface brief
で、
IPアドレス・インターフェース状態
を確認します。
55. running-configも確認材料
設定を確認する場合は、
show running-config
や、プラットフォームで対応するインターフェース指定の表示を利用できます。
確認したいのは論理Port-Channelへ正しいIPが配置されているかです。
56. メンバー側設定確認
物理メンバーでは、
no ip address
no switchport
channel-group 10 mode active
などを確認します。
個別ネクストホップ用IPがメンバーへ残っていないことも確認対象です。
57. Port-Channel側設定確認
論理インターフェースでは、
interface Port-channel10
no switchport
ip address 10.0.0.1 255.255.255.252
などを確認します。
58. 物理と論理を両方見る
レイヤ3EtherChannelでは、
物理メンバー
と
論理Port-Channel
の両方を確認します。
片方だけで構造全体を判断しません。
59. 直結ルート
レイヤ3インターフェースへIPプレフィックスが設定され、そのインターフェースがルーティングテーブルへ反映される状態になると、対応ネットワークは直結ルートとして確認できます。
60. 直結ルートの例
Po10に、
10.0.0.1/30
を設定した場合、対応するネットワークは、
10.0.0.0/30
です。
61. show ip route
ルーティングテーブルを確認する代表的なコマンドが、
show ip route
です。
62. 直結ルート出力のイメージ
例:
C 10.0.0.0/30 is directly connected, Port-channel10
表示形式はプラットフォーム・ソフトウェアバージョンにより異なる場合があります。
63. Cは直結
Cisco IOS系の一般的なルーティングテーブル表示では、
C
は直結ルートを示します。
64. インターフェースも確認する
直結ルートエントリで、
Port-channel10
が出力インターフェースとして関連付けられていれば、論理Port-Channelのサブネットとして確認できます。
65. ローカルルートが表示される場合
プラットフォームやIOS系ソフトウェアでは、インターフェースIPに対するローカルホストルートが、
L
として表示されることもあります。
確認の中心は、サブネットに対応する直結ルートです。
66. 直結ルートとスタティックルートを混同しない
Port-Channelへ直接設定したサブネットは、
直結
として確認する対象です。
手動でネクストホップを設定するスタティックルートとは別です。
67. 直結ルート確認の意味
直結ルートがルーティングテーブルに存在することは、
デバイスがそのネットワークを
直結ネットワークとして認識
していることを確認する材料になります。
68. up/upとIPプレフィックスを組み合わせて見る
直結ルートを考える際には、
Port-Channelの動作状態
と
IPアドレス・プレフィックス
を関連付けます。
69. up/upだけではプレフィックスは分からない
Po10がup/upでも、
どのサブネットが直結か
はIP設定を見なければ分かりません。
70. IPだけでも動作状態を無視しない
設定に、
ip address 10.0.0.1 255.255.255.252
が存在しても、インターフェース状態を確認します。
設定と動作状態を分けます。
71. 確認の基本3段階
レイヤ3EtherChannelでは、代表的に次の3段階で確認できます。
1. バンドル
show etherchannel summary
2. レイヤ3インターフェース
show ip interface brief
3. ルーティングテーブル
show ip route
72. バンドル確認
まず、
期待するメンバーが
Port-Channelへバンドルされているか
を確認します。
73. IPインターフェース確認
次に、
Port-Channelに
期待するIPアドレスがあるか
up/upか
を確認します。
74. ルート確認
さらに、
設定プレフィックスが直結ルートとして
ルーティングテーブルに存在するか
を確認します。
75. 必要なら隣接先との疎通も確認する
対向Port-Channelとの論理レイヤ3疎通を確認する場合、設計に応じて対向IPへのPingなどを利用できます。
基本確認では、バンドル・IP・ルートの状態を分けて確認します。
76. Pingだけでバンドル状態は分からない
Pingが成功しても、
全メンバーが期待どおりバンドルされている
ことまで自動的に証明するわけではありません。
バンドルはサマリーでも確認します。
77. サマリーだけでIP状態は分からない
逆に、
Po10(RU)
だけを見て、IPアドレスが期待値かどうかまで判断しません。
レイヤ3インターフェース情報を確認します。
78. show ip routeだけでメンバー状態は分からない
直結ルートが存在しても、
すべての物理メンバーが
期待どおりバンドルされている
とは限りません。
目的ごとにコマンドを使い分けます。
79. 確認コマンド比較
| 確認対象 | 代表的なコマンド |
|---|---|
| Port-Channel・メンバーバンドル | show etherchannel summary |
| Port-ChannelのIP・up/down | show ip interface brief |
| 設定 | show running-config |
| 直結ルート | show ip route |
80. レイヤ3EtherChannel構成例
SW1:
interface range GigabitEthernet1/0/1-2
no ip address
no switchport
channel-group 10 mode active
interface Port-channel10
no switchport
ip address 10.0.0.1 255.255.255.252
81. 対向SW2構成例
SW2:
interface range GigabitEthernet1/0/1-2
no ip address
no switchport
channel-group 10 mode active
interface Port-channel10
no switchport
ip address 10.0.0.2 255.255.255.252
82. 論理トポロジ
この構成をレイヤ3の観点で見ると、
SW1 Po10 SW2 Po10
10.0.0.1/30 ─────────── 10.0.0.2/30
という1本の論理リンクです。
83. 物理トポロジも残っている
実際には、
Gi1/0/1 ───────── Gi1/0/1
Gi1/0/2 ───────── Gi1/0/2
という複数物理リンクが存在します。
論理的な見え方と物理的な見え方を両方理解します。
84. 帯域と冗長性も引き継ぐ
レイヤ3EtherChannelでも、複数メンバーをバンドルするため、
- 集約帯域
- メンバーリンクの冗長性
というEtherChannelの基本的な利点を利用できます。
85. 1つのメンバー障害と論理IP
一部物理メンバーが利用できなくなっても、論理Port-Channelが継続する構成では、
Port-ChannelのIP
自体を別インターフェースへ付け替えるような設計ではありません。
論理インターフェースとして継続します。
86. IPは物理リンク本数に依存しない
メンバーが2本でも4本でも、
論理Port-Channel
が1つなら、その論理レイヤ3エンドポイントへIPを設定します。
87. メンバー追加でもネクストホップIPを増やさない
既存Port-Channelへメンバーを追加したからといって、
新しい物理メンバー用の
別ネクストホップIP
を追加する考え方ではありません。
論理エンドポイントはPort-Channelです。
88. シナリオ:レイヤ3メンバーを作る
Gi1/0/1-2をレイヤ3EtherChannelにする場合、
interface range GigabitEthernet1/0/1-2
no ip address
no switchport
channel-group 10 mode active
のように、物理メンバーに個別IPを持たせず、ルーテッドメンバーとしてチャネルグループへ参加させます。
89. シナリオ:物理メンバーへIPを置く選択肢
次の方針を考えます。
Gi1/0/1 = 10.0.0.1/30
Gi1/0/2 = 10.0.1.1/30
これらを1つのレイヤ3Port-Channelとして扱う目的なら、ネクストホップIPをメンバーごとへ分散する方針ではありません。
90. シナリオ:論理Port-ChannelへIPを設定
適切な基本構造は、
物理メンバー
→ no ip address
→ no switchport
→ channel-group
Port-channel10
→ IPアドレス
です。
91. シナリオ:対向を/30で接続
SW1とSW2を10.0.0.0/30で隣接させるなら、
SW1 Po10 = 10.0.0.1/30
SW2 Po10 = 10.0.0.2/30
のように論理Port-Channel同士へアドレスを配置します。
92. シナリオ:ネイティブVLANでレイヤ3隣接
レイヤ3EtherChannelで、
ネイティブVLANを揃えれば
IPなしでレイヤ3隣接できる
とは考えません。
レイヤ3隣接関係には論理ルーテッドインターフェースのIP設定を確認します。
93. シナリオ:Po10はup/upだがルーティングできない
Po10が、
10.0.0.1/30
up/up
でも、デバイスを経由するルーティングが期待どおりでなければ、
ip routing
の状態も別に確認します。
94. シナリオ:直結ルートを確認
Po10が10.0.0.1/30でup/upなら、
show ip route
で、
10.0.0.0/30
が直結ネットワークとして存在するか確認します。
95. シナリオ:サマリーを見る
次の出力を考えます。
10 Po10(RU) LACP Gi1/0/1(P) Gi1/0/2(P)
一般的にはレイヤ3Port-Channelが利用中で、2つのメンバーがバンドルされていると判断できます。
96. シナリオ:IP確認
次の出力を考えます。
Port-channel10 10.0.0.1 YES manual up up
Po10のIPアドレスと動作状態を確認できます。
表示形式はプラットフォームによって異なる場合があります。
97. シナリオ:バンドルとIPを組み合わせる
show etherchannel summary
→ Po10(RU)
→ メンバー(P)
show ip interface brief
→ Po10 10.0.0.1 up/up
のように複数情報を組み合わせて確認します。
98. よくある誤り:メンバーへ別IPを設定する
レイヤ3EtherChannelを1論理リンクとして使う構成で、各物理メンバーへ別ネクストホップIPを設定するのは基本構造と異なります。
IPは論理Port-Channelへ集約します。
99. よくある誤り:Port-Channelはレイヤ2専用
Port-Channelはレイヤ2だけでなくレイヤ3ルーテッドインターフェースとしても利用できます。
100. よくある誤り:no switchportだけでルーティング有効
no switchportはインターフェースの役割をレイヤ3へ変更します。
デバイス全体でルーティングフォワーディングを行うためのip routingとは別です。
101. よくある誤り:ip routingがPort-Channelを作る
ip routingによってEtherChannelが形成されるわけではありません。
EtherChannel形成は物理メンバーとチャネルグループの設定・状態で判断します。
102. よくある誤り:Poがupなら直結ルートも確認不要
Port-Channelがup/upでも、ルーティングテーブル上で期待するプレフィックスが存在するかを確認したい場合は、
show ip route
を使用します。
103. よくある誤り:サマリーだけで直結ルートを確認する
show etherchannel summaryはバンドル確認のコマンドです。
直結ルートの存在を直接確認する中心コマンドではありません。
104. よくある誤り:show lacp neighborでルートを確認する
show lacp neighborはLACP隣接先情報の確認に利用します。
IPルーティングテーブルの直結ルート確認とは役割が違います。
105. よくある誤り:レイヤ3Port-ChannelでもトランクVLANが必要
レイヤ3Port-Channelはルーテッドインターフェースです。
レイヤ2トランクとしてVLANを運ぶPort-Channelとは役割が異なります。
106. よくある誤り:同一サブネット=同一IP
対向同士は同一サブネットの異なるホストアドレスを使用します。
10.0.0.1/30
10.0.0.2/30
のように設定します。
107. よくある誤り:物理メンバーだけ確認する
レイヤ3EtherChannelでは論理Port-ChannelへIPやルーティング上の役割が集約されます。
物理メンバーだけでなく論理インターフェースも確認します。
108. レイヤ3EtherChannel基本確認表
| 確認対象 | 基本判断 |
|---|---|
| 物理メンバー | 個別ネクストホップIPを持たせずno switchportでルーテッドの役割 |
| LACP参加 | channel-group <id> mode active/passive |
| メンバー個別IP | ネクストホップ用IPを分散しない |
| 論理レイヤ3インターフェース | Port-Channel |
| レイヤ3アドレス | Port-Channelへ設定 |
| デバイスルーティング | ip routingを別途確認 |
| レイヤ3隣接関係 | 対向Port-Channelと同一サブネット |
| バンドル状態 | show etherchannel summary |
| IP・up/down | show ip interface brief |
| 直結ルート | show ip route |
109. 問題パターン1:レイヤ3EtherChannelメンバー
レイヤ3EtherChannelの物理メンバーを、
no switchport
でルーテッドインターフェースの役割へ揃えることを判断します。
110. 問題パターン2:メンバー個別IPを持たせない
レイヤ3EtherChannelでは、ネクストホップ用IPを各物理メンバーへ分散せず、論理Port-Channelへ集約することを判断します。
111. 問題パターン3:レイヤ3Port-ChannelのIPアドレス
論理Port-ChannelへIPアドレス・プレフィックスを設定し、レイヤ3エンドポイントとして利用することを判断します。
112. 問題パターン4:レイヤ3EtherChannelとip routing
Port-Channelがレイヤ3インターフェースとして成立していることと、デバイスのip routingが有効であることを別々に判断します。
113. 問題パターン5:レイヤ3Port-Channelの隣接関係
対向論理Port-Channel同士へ同一サブネットの異なるIPアドレスを設定し、論理レイヤ3リンクを形成することを判断します。
114. 問題パターン6:レイヤ3EtherChannel確認
show etherchannel summary
show ip interface brief
show running-config
などを使い分け、バンドルとレイヤ3状態を確認します。
115. 問題パターン7:レイヤ3Port-Channelの直結ルート
Port-Channelへ設定したプレフィックスが、
show ip route
で直結ルートとして存在するか確認します。
116. 問題パターン8:レイヤ3メンバーとIP配置
物理メンバーから個別ネクストホップ用IPを除去し、
no switchport
でレイヤ3へ揃え、論理Port-Channelへレイヤ3設定を集約する構成を判断します。
117. 問題パターン9:Port-ChannelのIPと隣接関係
SW1・SW2の論理Port-Channelへ同じサブネットの異なるアドレスを配置し、レイヤ3隣接関係を作ることを判断します。
118. 問題パターン10:ip routingと確認
Port-Channelがup/upでIPが正しくても、デバイスを経由するルーティングが期待どおりでない場合に、
バンドル・インターフェース状態
と
ip routingの状態
を分けて確認することを判断します。
119. 問題パターン11:直結ルートの確認
レイヤ3Port-Channelがup/upになった後、直結プレフィックスの成立を確認する情報として、
show ip route
の直結ルートを確認します。
120. 最終構成フロー
レイヤ3EtherChannelの構成は次のように整理できます。
物理メンバー
↓
no ip address
↓
no switchport
↓
メンバー互換性
↓
channel-group active/passive
↓
論理Port-Channel
↓
レイヤ3IPアドレス
↓
対向Poと同一サブネット
↓
バンドル・インターフェース確認
↓
直結ルート確認
121. 最終確認フロー
show etherchannel summary
↓
Port-Channel・メンバー・プロトコル
↓
show ip interface brief
↓
IPアドレス・up/up
↓
必要に応じて設定確認
↓
show ip route
↓
直結プレフィックス
デバイスを経由するルーティングを確認する場合は、ip routingの状態も別に確認します。
122. まとめ
レイヤ3EtherChannelでは、複数物理Ethernetインターフェースを1つの論理ルーテッドPort-Channelとして利用します。
物理メンバーでは、個別ネクストホップ用IPアドレスを持たせず、
no ip address
no switchport
としてレイヤ3EtherChannelメンバーへ揃えます。
LACPを使用する場合は、
channel-group <id> mode active
または、
channel-group <id> mode passive
などでメンバーをバンドルへ参加させます。
レイヤ3アドレス設定では、
物理メンバーへ個別ネクストホップIP
ではなく、
論理Port-ChannelへIPアドレス
という構造が基本です。
対向Port-Channel同士は、
同一サブネット
かつ
異なるホストアドレス
で論理レイヤ3リンクを形成します。
また、
Port-Channelがレイヤ3インターフェース
であることと、
デバイスのip routingが有効
であることは別の状態として確認します。
基本確認では、
show etherchannel summary
でバンドル状態、
show ip interface brief
でPort-ChannelのIP・動作状態、
show ip route
で直結プレフィックスを確認します。
レイヤ3EtherChannelでは、
物理メンバーから個別IPを除去
→ レイヤ3へ揃える
→ LACPでバンドル
→ IPを論理Port-Channelへ配置
→ 対向Poと同一サブネット
→ バンドル・IP・ルートを確認
という流れを理解することが基本です。
理解確認
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