試験項目 1.5.a · CCNA-027
Wireless Band
2.4 GHz / 5 GHz / 6 GHz / 到達範囲 / 収容力 / 端末の対応能力 / Regulatory Domain
このページのゴール
2.4 GHz・5 GHz・6 GHzの性質を比較し、到達範囲・収容力・端末の対応能力などの条件からBand選択の意味を説明できるようにする。
このページで学ぶこと
- Frequency / Wavelength Relationship
- 2.4 GHz Characteristics
- 5 GHz Characteristics
- 6 GHz Characteristics
- 6 GHz 端末の対応能力
- 到達範囲 / 収容力 トレードオフ
- Regulatory Domain
- Band 選択 説明
これまでのページでは、有線ネットワークとIPv6を中心に確認してきました。
ページ027からは、
無線LAN
の基本原理へ進みます。
無線LANでは、同じWi-Fiでも、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
という異なる周波数帯を利用できます。
重要なのは、
新しい周波数帯
=
常に最適
ではないことです。
周波数帯ごとに、
到達範囲
利用できる周波数資源
収容力
端末の対応能力
国・地域の規制
が異なります。
ページ027では、
どの周波数帯が優れているか
ではなく、
どの条件なら
どの周波数帯を利用する理由があるか
を判断できるようにします。
基本的な考え方は、
要件
↓
クライアント対応能力
↓
到達範囲
↓
収容能力
↓
規制条件
↓
周波数帯の選択
です。
1. 無線周波数帯とは
無線LANでは、無線が特定の周波数範囲を利用して通信します。
CCNAで重要になる代表的な周波数帯は、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
です。
それぞれ、
使用する周波数
伝搬の傾向
利用可能な周波数資源
対応クライアント
が異なります。
したがって、
Wi-Fiなら全部同じ
とは考えません。
2. GHzは周波数を表す
GHz は、
ギガヘルツ
です。
周波数は、
1秒間に
何回波が繰り返されるか
を表します。
例えば、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
では、
6 GHz
の方が、
2.4 GHz
より高い周波数です。
3. 周波数と波長には関係がある
電波の基本関係は、
波長
=
伝搬速度/周波数
です。
記号で表すと、
λ = c/f
です。
同じ伝搬速度を前提にすると、
周波数が高い
↓
波長は短い
となります。
反対に、
周波数が低い
↓
波長は長い
となります。
4. 周波数帯を比較するときの基本関係
2.4 GHz・5 GHz・6 GHzを相対比較すると、
周波数
2.4 GHz
<
5 GHz
<
6 GHz
です。
したがって波長は、概念的に、
波長
2.4 GHz
>
5 GHz
>
6 GHz
となります。
この関係は、周波数帯ごとの伝搬特性を理解する基礎になります。
5. 周波数だけで実際の到達距離が決まるわけではない
周波数と波長には明確な関係があります。
しかし実際の無線到達範囲は、
周波数
だけでは決まりません。
例えば、
送信電力
アンテナ
壁
床
家具
クライアント端末
設置環境
などの影響も受けます。
したがって、
2.4 GHzなら必ず○m届く
6 GHzなら必ず○mまでしか届かない
という固定値では考えません。
6. 周波数帯間の到達範囲は「相対的な傾向」で考える
同じような送信条件・アンテナ・環境で比較した場合、一般に、
2.4 GHz
→ 比較的広い到達範囲を取りやすい
5 GHz
→ 2.4 GHzより到達範囲が小さくなりやすい
6 GHz
→ 5 GHzとおおむね同程度の到達範囲になりやすい
という相対傾向があります。
ここで重要なのは、
傾向
として理解することです。
7. 低い周波数には到達範囲上の利点がある
2.4 GHzは、5 GHzや6 GHzより低い周波数です。
そのため同じ条件なら、
比較的遠くまで到達しやすい
という性質があります。
また、建物内でも周波数帯によって障害物の影響の受け方が異なります。
ページ027では細かなRF損失計算までは行わず、
2.4 GHz
→ 到達範囲を取りやすい
5/6 GHz
→ 相対的に到達範囲が小さくなりやすい
という比較を使います。
8. 到達範囲だけで周波数帯を選ばない
2.4 GHzが比較的遠くまで届きやすいからといって、
無線LANは
すべて2.4 GHzにする
わけではありません。
無線設計では、
到達範囲
だけでなく、
収容能力
も重要だからです。
多数のクライアントを収容する環境では、
利用できる周波数資源
が重要になります。
9. 周波数資源とは何か
無線LANでは、1つの周波数帯全体を全端末が完全に同じ形で使用するわけではありません。
周波数帯の中には、
通信に利用する周波数領域
があります。
利用可能な周波数資源が広いほど、
複数の通信を
周波数上で分離する選択肢
を増やしやすくなります。
ページ027ではチャネルの詳細設計には入らず、
周波数帯ごとに
利用できる周波数資源量が違う
ことを押さえます。
10. 2.4 GHzの基本的な特徴
2.4 GHzの代表的な特徴は、
比較的広い到達範囲
幅広いクライアント互換性
利用できる周波数資源は比較的少ない
ことです。
つまり、
到達範囲
には利点がありますが、
収容能力
を大きくしたい環境では制約が出やすくなります。
11. 2.4 GHzは既存端末との互換性を取りやすい
2.4 GHzは長年無線LANで利用されてきた周波数帯です。
そのため、
古いノートPC
携帯端末
IoT端末
各種旧世代クライアント
などを含め、
2.4 GHzに対応する端末は広く存在します。
環境内に、
2.4 GHzしか利用できないクライアント
がある場合、そのクライアントを接続させるには2.4 GHzを考慮する必要があります。
12. 2.4 GHzの利点だけを見ると判断を誤る
例えば、
要件
→ 広い到達範囲
だけを見ると、
2.4 GHz
が有力です。
しかし、
数百台のクライアント
高密度オフィス
大量の同時通信
という条件もあるなら、
利用可能な周波数資源
も考えなければなりません。
周波数帯選択では、
1つの特徴だけ
で決定しません。
13. 2.4 GHzは周波数資源が比較的限られる
2.4 GHzは、
5 GHz
6 GHz
と比較すると、無線LANで利用できる周波数資源が狭い周波数帯です。
そのため、
多数のAP
多数のクライアント
高密度配置
では、
収容能力設計上の制約になりやすくなります。
ここでは具体的なチャネル番号やチャネル幅までは扱いません。
それらはページ028で扱います。
14. 5 GHzの基本的な特徴
5 GHzは、2.4 GHzと比較して、
より多くの周波数資源を
利用しやすい
周波数帯です。
そのため、
複数AP
多数のクライアント
収容能力を重視する環境
で利用価値が高くなります。
15. 5 GHzではチャネル選択の自由度を取りやすい
5 GHzでは、2.4 GHzより、
利用できるチャネルの選択肢
を増やしやすくなります。
これは、
複数APが存在する環境
高密度クライアント環境
で重要です。
ただし、
どのチャネル番号を使うか
どのチャネル幅を使うか
という詳細はページ028で扱います。
16. チャネル選択肢が多いこととスループットは同義ではない
5 GHzには収容能力設計上の利点があります。
しかし、
5 GHzを使う
=
必ず高速になる
とは限りません。
実際の性能には、
信号条件
クライアント対応能力
チャネル利用率
干渉
AP収容能力
なども関係します。
ページ027では、
利用可能な周波数資源が多い
↓
収容能力を確保する選択肢を増やしやすい
という意味で理解します。
17. 5 GHzは2.4 GHzとのトレードオフがある
5 GHzは、
チャネル選択肢
収容能力
では2.4 GHzより有利になりやすい一方、
到達範囲
は2.4 GHzより小さくなりやすい傾向があります。
したがって、
2.4 GHz
→ 到達範囲側に利点
5 GHz
→ 収容能力側に利点
という基本的なトレードオフがあります。
18. 6 GHzの基本的な特徴
6 GHzは、
2.4 GHz
5 GHz
より高い周波数を使用します。
無線LANでは、
非常に広い周波数資源
を利用できることが大きな特徴です。
そのため、
多数の通信
高密度環境
広い周波数資源を必要とする利用
で大きな価値があります。
19. 6 GHzは「追加された広い無線空間」と考える
従来の2.4 GHz・5 GHzに加え、6 GHzを利用できることで、
無線LANで利用可能な
周波数資源
を大きく増やせます。
これは、
高密度環境
多クライアント環境
新しい無線配置
で重要な利点です。
ただし、
6 GHzが利用可能
=
すべてのクライアントが6 GHzを利用できる
ではありません。
20. 6 GHzではクライアント対応能力が重要
6 GHzを利用するには、
クライアント端末自身が
6 GHz通信に対応している
必要があります。
例えば、
6 GHz対応のWi-Fi 6Eクライアント
6 GHz対応のWi-Fi 7クライアント
などが対象になります。
6 GHzに対応していないクライアントは、
APが6 GHzを提供している
だけでは6 GHzへ接続できません。
21. Wi-Fi世代名だけを曖昧に判断しない
重要なのは、
その端末が
実際に6 GHz無線を利用できるか
です。
例えば無線LAN全体が新しい環境でも、
ノートPC A
→ 6 GHz対応
携帯端末B
→ 2.4 GHzのみ対応
ということがあります。
したがって周波数帯選択では、
ネットワーク側の対応能力
だけでなく、
クライアント側の対応能力
を確認します。
22. 6 GHzは広い周波数資源とクライアント制約のトレードオフ
6 GHzには、
広い周波数資源
という大きな利点があります。
一方で、
6 GHz非対応クライアント
は利用できません。
したがって、
6 GHzが使えるから
無線LANをすべて6 GHzへ移行する
とは判断しません。
23. 6 GHzも到達範囲とのトレードオフがある
同じような条件で比較すると、
6 GHz
は2.4 GHzより高い周波数です。
そのため、一般的な比較では、
2.4 GHzより
到達範囲が小さくなりやすい
傾向があります。
したがって6 GHzは、
広い周波数資源
と、
到達範囲
クライアント対応能力
の両方を考えて利用します。
24. 3つの周波数帯を比較する
基本的な比較は次のようになります。
| 周波数帯 | 到達範囲の相対傾向 | 周波数資源/収容能力 | クライアント対応 |
|---|---|---|---|
| 2.4 GHz | 比較的広く取りやすい | 比較的限られる | 幅広い |
| 5 GHz | 2.4 GHzより小さくなりやすい | 2.4 GHzより選択肢を取りやすい | 多くの現行クライアントが対応 |
| 6 GHz | 5 GHzとおおむね同程度になりやすい | 非常に広い周波数資源を利用できる | 6 GHz対応クライアントが必要 |
この表は、
絶対値
ではなく、
周波数帯選択時の基本的な相対比較
です。
25. 到達範囲と収容能力は別の要求
無線設計では、
到達範囲
と、
収容能力
を分けて考えます。
到達範囲は、
必要な場所まで
無線信号を提供できるか
という観点です。
収容能力は、
必要なクライアント数やトラフィックを
収容できるか
という観点です。
26. 広く届くことと多くのクライアントを収容できることは同義ではない
例えば、
1台のAPで
広い範囲まで信号が届く
としても、
そのAPが
大量のクライアント通信を快適に処理できる
とは限りません。
したがって、
到達範囲が大きい
=
収容能力も大きい
とは考えません。
27. 2.4 GHzは到達範囲重視で利用価値がある
例えば、
倉庫
広い床
比較的少数のクライアント
旧世代携帯端末
という環境を考えます。
この場合、
到達範囲
クライアント互換性
を理由に、
2.4 GHz
を利用する価値があります。
28. 高密度環境では5 GHz/6 GHzの価値が高くなる
例えば、
オフィス
会議会場
学校
多数の現行クライアント
のような環境では、
1つの周波数帯で広く到達範囲を取る
より、
より多くの周波数資源を利用して
多数のクライアントを収容する
ことが重要になる場合があります。
その場合、
5 GHz
6 GHz
の価値が高くなります。
29. 周波数帯の選択は単一周波数帯への固定ではない
実際の無線LANでは、
2.4 GHzだけ
5 GHzだけ
6 GHzだけ
とは限りません。
クライアントや要件に応じて、
複数周波数帯を提供する
ことがあります。
例えば、
旧世代クライアント
→ 2.4 GHz
現行クライアント
→ 5 GHz
6 GHz対応の高性能クライアント
→ 6 GHz
という使い分けが可能です。
30. クライアントの対応能力を無視してはいけない
次の環境を考えます。
ノートPC
→ 6 GHz対応
携帯端末
→ 2.4 GHzのみ対応
この環境で、
6 GHzは新しいので
全端末を6 GHzへ統一する
ことはできません。
携帯端末は6 GHzを利用できないためです。
したがって、
クライアント対応能力
は周波数帯選択の必須条件です。
31. 新しい周波数帯ほど常に優先ではない
6 GHzは広い周波数資源を提供します。
しかし、
旧世代クライアント対応
到達範囲
規制条件
によっては、
2.4 GHz
5 GHz
も必要です。
周波数帯選択は、
より新しい
=
より良い
ではなく、
要件に適合するか
で判断します。
32. 規制ドメインとは
無線LANで利用できる周波数は、
世界中で完全に同じ
ではありません。
国・地域によって、
使用可能な周波数範囲
使用可能なチャネル
送信に関する条件
などが異なります。
この地域ごとの規制条件を考えるときに、
規制ドメイン
が重要になります。
33. 周波数帯が存在しても地域によって利用条件が異なる
例えば機器が、
5 GHz対応
6 GHz対応
であっても、
実際に利用可能な周波数範囲や条件は、
配置する国・地域
によって異なる場合があります。
したがって、
Hardwareが対応している
=
その周波数を自由に利用できる
とは判断しません。
34. 規制ドメインでは詳細チャネル表を暗記しない
ページ027で重要なのは、
国・地域によって
利用可能な無線周波数資源が異なる
と理解することです。
ここでは、
国ごとの全チャネル番号
全送信電力制限
詳細な規制表
を暗記することが目的ではありません。
周波数帯選択時に、
規制ドメインを確認する必要がある
と判断できればよいです。
35. 周波数帯の選択で確認する主要条件
周波数帯を選ぶときは、少なくとも、
クライアントはどの周波数帯に対応しているか
どの程度の到達範囲が必要か
どの程度の収容能力が必要か
利用地域でその周波数帯を利用できるか
を確認します。
つまり、
クライアント対応能力
到達範囲
収容能力
規制ドメイン
です。
36. ケース 1:旧世代クライアントと到達範囲を重視する
要件:
旧世代携帯端末が存在
広めの到達範囲が必要
高密度クライアント環境ではない
なら、
2.4 GHz
を提供する明確な理由があります。
理由は、
旧世代クライアント互換性
比較的広い到達範囲
です。
37. ケース 2:現行クライアントが多数存在する
要件:
現行ノートPC多数
高密度オフィス
収容能力重視
なら、
5 GHz
を積極的に利用する価値があります。
さらに6 GHz対応クライアントが多ければ、
6 GHz
も利用候補になります。
理由は、
より多くの周波数資源を
活用しやすい
ためです。
38. ケース 3:6 GHz対応クライアントだけではない
環境:
ノートPC
→ 6 GHz対応
タブレット
→ 5 GHz対応
旧世代携帯端末
→ 2.4 GHzのみ
なら、
全クライアントを6 GHzへ統一
することはできません。
適切な考え方は、
クライアント対応能力に応じて
複数周波数帯を利用する
ことです。
39. ケース 4:広い到達範囲だけを理由に2.4 GHzへ統一しない
要件:
広いオフィス
クライアント 500台
多数の同時通信
とします。
2.4 GHzは到達範囲面では有利になり得ます。
しかし、
高密度
多数クライアント
収容能力
も重要です。
したがって、
到達範囲が広い
↓
2.4 GHzだけ使う
とは判断しません。
5 GHzや6 GHzを含めて検討します。
40. ケース 5:6 GHz対応APがあるだけでは不十分
AP:
6 GHz対応
クライアント:
6 GHz非対応
の場合、
クライアントは6 GHzを利用できない
のが重要です。
周波数帯の選択では、
AP対応能力
+
クライアント対応能力
の両方が必要です。
41. ケース 6:規制ドメインも条件に含める
要件:
6 GHzを利用したい
としても、
最終判断では、
クライアント対応能力
AP対応能力
配置地域
規制ドメイン
を確認します。
つまり、
6 GHz対応機器だから
どこでも同じ条件で利用できる
とは考えません。
42. 周波数帯とチャネルを混同しない
周波数帯は、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
のような大きな周波数範囲です。
その周波数帯の中で利用する周波数領域をさらに分けて扱うのが、
チャネル
です。
ページ027では、
どの周波数帯を利用する理由があるか
を扱います。
具体的な、
チャネル番号
チャネル幅
チャネル再利用
はページ028で扱います。
43. 周波数帯とRF信号値も分離する
ページ027では、
2.4/5/6 GHz
の基本的な性質を比較します。
実際の無線信号を、
dB
dBm
RSSI
ノイズ
SNR
などの値から評価する方法は、ページ029で扱います。
ページ027では、
周波数帯による相対特性
までを担当します。
44. 周波数帯と干渉分析も分離する
2.4 GHzでは利用できる周波数資源が限られるため、
混雑しやすい
という設計上の考慮があります。
ただし、
具体的に何が干渉源なのか
どの干渉種別なのか
という原因分析はページ031で扱います。
ページ027では、
周波数帯選択と収容能力の関係
に留めます。
45. 周波数帯比較では「必ず」を避ける
次の表現には注意します。
2.4 GHzは必ず遠くまで届く
5 GHzは必ず高速
6 GHzは必ず最適
これらは適切ではありません。
より正確には、
2.4 GHz
→ 比較的到達範囲を取りやすい
5 GHz
→ 周波数資源の選択肢を増やしやすい
6 GHz
→ 非常に広い周波数資源を利用できる
です。
最終結果は環境条件によって変わります。
46. スループットと周波数帯名を直接結び付けない
周波数帯は重要な設計条件ですが、
周波数帯名だけ
から実際のスループットを確定することはできません。
例えば、
5 GHzだから必ず2.4 GHzより高速
6 GHzだから必ず5 GHzより高速
とは限りません。
ページ027で判断するのは、
周波数帯が持つ
周波数資源・到達範囲・クライアント対応の特徴
です。
47. 2.4 GHzを残すことは古い設計という意味ではない
現行無線LANでも、
旧世代端末
IoT
広い到達範囲要求
などがあれば、
2.4 GHzを提供する理由があります。
したがって、
2.4 GHz
=
使うべきではない
ではありません。
要件に応じて判断します。
48. 6 GHzを利用しないことも必ずしも問題ではない
6 GHz対応環境であっても、
クライアントが非対応
到達範囲の要件と合わない
規制条件が合わない
などの理由があれば、
6 GHzを中心にしない設計もあり得ます。
重要なのは、
利用できる周波数帯
ではなく、
要件に適した周波数帯
です。
49. 周波数帯選択の比較の流れ
1. クライアント対応能力を確認
↓
2. 必要な到達範囲を確認
↓
3. 必要な収容能力を確認
↓
4. 2.4/5/6 GHzの
相対特性を比較
↓
5. 規制ドメインを確認
↓
6. 利用する周波数帯を選択
↓
7. 必要なら複数周波数帯を併用
50. まずクライアント対応能力で不可能な周波数帯を除外する
例えば、
クライアント
→ 2.4 GHzのみ対応
なら、
6 GHzを使わせる
ことはできません。
したがって、
利用可能周波数帯
をクライアント対応能力から確認することが重要です。
51. 次に到達範囲の要件を確認する
例えば、
広い倉庫
少数の携帯端末
なら、
到達範囲
を重視する理由があります。
この場合、
2.4 GHz
を含める価値が高くなります。
52. 高密度なら収容能力の要件も確認する
例えば、
多数のノートPC
高密度オフィス
なら、
到達範囲だけ
では不十分です。
より多くの無線通信を収容するため、
5 GHz
6 GHz
の広い周波数資源を活用する理由があります。
53. 最後に規制ドメインを確認する
クライアントとAPが対応していても、
配置地域
で利用可能な条件を無視できません。
周波数帯の選択の最終判断には、
規制ドメイン
を含めます。
54. よくある誤判断
誤り1:2.4 GHzが最も古いので使わない
旧世代クライアントや到達範囲の要件によっては利用価値があります。
誤り2:2.4 GHzが遠くまで届くので常に最適
収容能力も確認します。
誤り3:5 GHzなら必ず高速
周波数帯だけでスループットは決まりません。
誤り4:6 GHzなら必ず5 GHzより良い
クライアント対応能力や到達範囲を確認します。
誤り5:6 GHz対応APなら全クライアントが6 GHzを利用できる
クライアント自身の6 GHz対応が必要です。
誤り6:最新クライアントがあれば2.4 GHzを停止してよい
他のクライアント要件も確認します。
誤り7:到達範囲と収容能力は同じ意味
別の設計要求です。
誤り8:周波数が高いほど波長も長い
逆です。周波数が高いほど波長は短くなります。
誤り9:周波数帯が同じなら世界中で利用条件も同じ
規制ドメインによって異なる場合があります。
誤り10:チャネル番号までページ027で決める
具体的なチャネル選択はページ028で扱います。
誤り11:周波数帯だけで無線性能を確定する
RF状態や干渉など他の要因もあります。
誤り12:1つの周波数帯だけを必ず選ぶ
要件に応じて複数周波数帯を併用できます。
55. 周波数帯の選択シナリオ
次の環境を考えます。
オフィスエリア
現行ノートPC
→ 5 GHz/6 GHz対応
旧世代携帯端末
→ 2.4 GHzのみ
多数のノートPC
→ 収容能力が必要
携帯端末利用エリア
→ 比較的広い到達範囲が必要
この場合、
6 GHzだけ
へ統一すると旧世代携帯端末が利用できません。
2.4 GHzだけ
へ統一すると、現行クライアント向けの広い周波数資源を十分活用できません。
したがって、
2.4 GHz
→ 旧世代/到達範囲の要件
5 GHz/6 GHz
→ 現行クライアント/収容能力の要件
のように、
複数周波数帯を役割に応じて利用する
という説明ができます。
56. CCNAでは「選択理由」を説明できることが重要
単純に、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
を暗記するだけでは不十分です。
例えば、
なぜ2.4 GHzを残すのか
なぜ5 GHzを利用するのか
なぜ6 GHzを利用できないクライアントがあるのか
なぜ高密度環境で5/6 GHzが有利なのか
を要件から説明できる必要があります。
57. 最終的に判断できるようにすること
ページ027では最終的に、
周波数と波長の
基本関係を説明できる
周波数が高いほど
波長が短くなると判断できる
2.4 GHzの
相対的な到達範囲特性を説明できる
2.4 GHzの
周波数資源上の制約を説明できる
2.4 GHzが
旧世代クライアント対応で重要になる
場合を判断できる
5 GHzが
2.4 GHzよりチャネル選択肢を
増やしやすいことを説明できる
5 GHzを
高密度環境で利用する理由を
説明できる
6 GHzが
広い周波数資源を提供することを
説明できる
6 GHz利用には
対応クライアントが必要と判断できる
6 GHz対応APだけでは
クライアント接続条件が成立しないと
判断できる
到達範囲と収容能力を
分離できる
到達範囲/収容能力の
トレードオフを説明できる
周波数帯だけで
スループットを確定しない
クライアント対応能力を
周波数帯の選択へ利用できる
規制ドメインによって
利用条件が変わり得ると説明できる
新しい周波数帯が
常に最適ではないと判断できる
旧世代クライアントと
現行クライアントが混在する環境で
複数周波数帯を使い分ける理由を
説明できる
要件から
2.4/5/6 GHzを
比較できる
必要があります。
まとめ
無線LANでは、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
という複数の周波数帯を利用できます。
同じ伝搬速度なら、
周波数 ↑
↓
波長 ↓
です。
一般的な相対傾向として、
2.4 GHz
→ 到達範囲を取りやすい
→ クライアント互換性が広い
→ 周波数資源は比較的限られる
5 GHz
→ 2.4 GHzより
周波数資源を利用しやすい
→ 収容能力を確保する選択肢を
増やしやすい
6 GHz
→ 非常に広い周波数資源
→ 6 GHz対応クライアントが必要
→ 到達範囲とのトレードオフがある
と整理できます。
周波数帯の選択では、
到達範囲だけ
や、
新しさだけ
で決めません。
確認するのは、
クライアント対応能力
到達範囲の要件
収容能力の要件
規制ドメイン
です。
最終流れは、
要件
↓
クライアント対応能力
↓
到達範囲
↓
収容能力
↓
規制ドメイン
↓
2.4/5/6 GHzを比較
↓
必要な周波数帯を選択
↓
必要なら複数周波数帯を併用
です。
次のページ028では、周波数帯の中で利用する、
チャネル
チャネル幅
チャネル再利用
へ進み、
周波数帯内で
どのチャネルをどのように選ぶか
を扱います。
理解確認
このページの内容を14問で確認します。
理解確認14問へ →