試験項目 1.5.a · CCNA-028
Wireless Channel 選択
20 MHz / 1・6・11 / 5 GHz / 6 GHz / Channel Width / Bonding / Reuse / DFS / 320 MHz 認識
このページのゴール
Channel・Channel Width・Channel Reuseの関係を理解し、Band内のChannel選択が収容力と干渉へ与える影響を説明できるようにする。
このページで学ぶこと
- 2.4 GHz 1/6/11 Plan
- 5 GHz Channel Availability
- 6 GHz Channel Availability
- 20/40/80/160 MHz Widths
- 320 MHz 認識
- Channel Bonding
- Channel Width トレードオフ
- Channel Reuse
- DFS / Radar
ページ027では、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
という無線周波数帯を比較し、
クライアント対応能力
通信範囲
収容能力
規制ドメイン
から、どの周波数帯を利用する理由があるかを確認しました。
ページ028では、その周波数帯の中で、
どのチャネルを使うか
どのチャネル幅を使うか
同じチャネルをどこで再利用するか
を考えます。
重要なのは、
広いチャネル
=
常に良い
ではないことです。
チャネル幅を広げると、
1つの通信で利用できる
周波数資源
を増やせる一方、
周波数帯内で利用できる
独立したチャネル数
は減ります。
基本手順は、
周波数帯
↓
利用可能チャネル
↓
チャネル幅
↓
チャネルボンディング
↓
独立チャネル数
↓
チャネル再利用
↓
配置に適したチャネル計画
です。
1. 周波数帯とチャネルを分離する
周波数帯は、
2.4 GHz
5 GHz
6 GHz
のような大きな周波数範囲です。
その周波数帯の中で、無線通信に利用する周波数領域を区切ったものが、
チャネル
です。
したがって、
周波数帯
≠
チャネル
です。
2. チャネルを選択する理由
複数のAPが存在するとき、すべてのAPが無計画に同じ周波数領域を利用すると、
無線媒体を
効率的に利用しにくくなる
場合があります。
そこで、
利用可能なチャネル
APの配置
チャネル幅
チャネル再利用
を考えます。
ページ028では、
周波数帯内の限られた周波数資源を
どう分けて再利用するか
が中心です。
3. チャネル番号は周波数領域を識別する
無線LANでは、
チャネル1
チャネル6
チャネル11
チャネル36
チャネル40
のようにチャネル番号を使います。
チャネル番号は、
その周波数帯内で利用する
周波数領域を識別する番号
です。
ただし、
チャネル番号そのもの
だけを見るのではなく、
周波数帯
チャネル幅
規制ドメイン
と合わせて考えます。
4. 2.4 GHzでは利用可能な周波数資源が限られる
2.4 GHzは、ページ027で確認したように、
比較的広い通信範囲
幅広いクライアント互換性
という利点があります。
一方、
無線LANで利用できる
周波数資源
は5 GHzや6 GHzより限られています。
そのためチャネル計画では、
チャネル同士の重なり
が特に重要になります。
5. 2.4 GHzでは20 MHzを基本に考える
CCNAで2.4 GHzのチャネル計画を考える場合は、
20 MHzチャネル
を基本にします。
2.4 GHzは利用できる周波数資源が限られているため、
広いチャネル幅を使えば
必ず良くなる
とは考えません。
エンタープライズWLANでは、2.4 GHzで20 MHzを利用してチャネルを分離する考え方が重要です。
6. 2.4 GHzのチャネルは互いに近接している
2.4 GHzには、
チャネル1
チャネル2
チャネル3
...
のように複数のチャネル番号があります。
しかし、
チャネル番号が違う
=
周波数が重ならない
ではありません。
近いチャネル番号同士では、利用する周波数領域が重なる場合があります。
7. 2.4 GHzでは1/6/11を中心に考える
20 MHzを前提とした代表的なエンタープライズ向けチャネル計画では、
チャネル1
チャネル6
チャネル11
を利用します。
この3つは、
互いの周波数領域を
重ねずに利用しやすい
チャネルとして扱われます。
CCNAでは、
2.4 GHz
+
20 MHz
↓
1/6/11
という対応を判断できることが重要です。
8. 1/6/11は無計画なチャネル選択ではない
例えば3台の隣接APがあるとします。
AP1
→ チャネル1
AP2
→ チャネル6
AP3
→ チャネル11
とすれば、2.4 GHzの限られた周波数資源を分離して利用できます。
これに対して、
AP1
→ チャネル1
AP2
→ チャネル2
AP3
→ チャネル3
のように近接したチャネルを選べば、チャネルの周波数領域が大きく重なります。
9. チャネル番号が違えば独立しているとは限らない
よくある誤解は、
AP1
→ チャネル1
AP2
→ チャネル2
なので、
別チャネルだから問題ない
と考えることです。
重要なのはチャネル番号ではなく、
実際に使用する周波数範囲が
重なるかどうか
です。
10. 規制ドメインによる違いもある
利用できる2.4 GHzチャネルは、
国・地域
によって異なります。
そのため、
世界中で
利用可能チャネルが完全に同じ
とは考えません。
ただしCCNAで基本的な2.4 GHzチャネル計画を問われた場合は、
20 MHz
1/6/11
を代表的な計画として扱います。
詳細な国別チャネル表の暗記は、このページの目的ではありません。
11. 22 MHzを現行チャネル幅として扱わない
旧802.11bやDSSSを説明する資料では、
22 MHz
という値を見る場合があります。
しかしページ028で、
設定するチャネル幅
を判断するときに、
20 MHz
40 MHz
80 MHz
160 MHz
と同列の現行チャネル幅として、
22 MHz
を選択肢にしません。
12. 2.4 GHzで広帯域チャネルを使うと資源を大きく消費する
2.4 GHzの周波数資源は限られています。
ここでチャネル幅を広げると、
1つの無線セルが
使用する周波数範囲
が増えます。
その結果、
他のAPへ割り当てられる
独立チャネル
を確保しにくくなります。
このためエンタープライズ環境では、
2.4 GHz
→ 20 MHz中心
と考える理由があります。
13. 5 GHzではチャネル選択肢が増える
5 GHzには、2.4 GHzと比較して、
より多くの
20 MHzチャネル
を利用できる余地があります。
そのため、
複数AP
多数クライアント
高密度配置
でチャネル計画を組みやすくなります。
14. 5 GHzの利点はチャネル番号を暗記することではない
5 GHzには、
36
40
44
48
...
など、多数のチャネルがあります。
しかしページ028の目的は、
利用可能チャネル番号を
すべて暗記する
ことではありません。
重要なのは、
2.4 GHzより
多数の独立チャネルを
利用しやすい
という設計上の意味です。
15. 5 GHzの利用可能チャネルは規制ドメインで変わる
5 GHzで利用可能なチャネルは、
規制ドメイン
によって異なります。
また、5 GHzの一部には、
DFS
の対象になるチャネルがあります。
したがって、
5 GHzなら
すべてのチャネルを
常に自由に利用できる
とは考えません。
16. 6 GHzではさらに広いチャネル選択肢がある
6 GHzでは、
非常に広い無線周波数資源
を利用できます。
そのため、
20 MHz
40 MHz
80 MHz
160 MHz
といったチャネル幅を利用するときも、5 GHzや2.4 GHzより広いチャネル計画を作りやすくなります。
17. 6 GHzの利点は広帯域チャネルだけではない
6 GHzというと、
160 MHz
320 MHz
のような広帯域チャネルだけに注目しがちです。
しかし広い周波数資源は、
多数の20 MHzチャネルを
確保できる
という意味でも重要です。
つまり6 GHzは、
広帯域チャネル
だけでなく、
多数の独立チャネル
を確保する選択肢も増やします。
18. チャネル幅とは
チャネル幅は、
1つのチャネルとして
利用する周波数幅
です。
ページ028で重要な幅は、
20 MHz
40 MHz
80 MHz
160 MHz
です。
さらにWi-Fi 7では、
320 MHz
も存在します。
19. 20 MHzは基本単位として考えやすい
無線チャネル計画では、
20 MHz
を基本的な構成単位として考えると理解しやすくなります。
例えば、
20 MHz
を複数組み合わせて、
40 MHz
80 MHz
160 MHz
の広帯域チャネルを構成します。
20. チャネルボンディングとは
複数の基本チャネルを組み合わせて、より広いチャネル幅として利用する考え方を、
チャネルボンディング
と呼びます。
概念的には、
20 MHz
+
20 MHz
↓
40 MHz
です。
さらに複数の20 MHz領域を使用して、
80 MHz
160 MHz
などを構成します。
21. チャネルボンディングの目的
チャネルボンディングによってチャネル幅を広げると、
1つの送信で
利用できる周波数資源
を増やせます。
条件が整っていれば、
より高いPHYデータレート
より高いピークスループット
を実現する選択肢になります。
しかし、
チャネル幅を広げる
=
必ず性能が向上する
わけではありません。
22. 40 MHzは20 MHzより多くの周波数資源を使う
40 MHzチャネルは概念的に、
20 MHz
+
20 MHz
を使用します。
したがって、
1つのチャネルで使う周波数資源
は20 MHzより大きくなります。
その分、
同じ周波数帯内で作れる
独立チャネル数
は減ります。
23. 80 MHzではさらに多くの周波数資源を利用する
80 MHzでは、概念的に、
20 MHz × 4
相当の周波数資源を利用します。
そのため、
1クライアント/1 BSSで
広い周波数資源を使える
一方、
他のAPへ割り当てられる
独立チャネル数
はさらに減ります。
24. 160 MHzではトレードオフがさらに大きくなる
160 MHzは非常に広いチャネルです。
広いチャネルを利用できれば、
高いピークデータレート
を狙えます。
一方、
利用周波数資源が大きい
独立チャネル数が減る
他の無線セルとの
周波数分離が難しくなる
というトレードオフがあります。
25. チャネル幅を2倍にすると独立チャネル数は減る
同じ周波数帯内で利用可能な周波数資源量が固定なら、
1チャネルの幅を広げる
ほど、
作れる独立チャネル数
は減ります。
概念的には、
多数の20 MHzチャネル
↓
より少数の40 MHzチャネル
↓
さらに少数の80 MHzチャネル
↓
さらに少数の160 MHzチャネル
となります。
26. 広帯域チャネルは収容能力と同じ意味ではない
ここで注意するのは、
チャネル幅が広い
=
ネットワーク全体の収容能力が
必ず大きい
ではないことです。
1つの接続では広帯域チャネルが有利になる場合があります。
しかし高密度環境では、
複数APへ
異なるチャネルを割り当てたい
ため、
独立チャネル数
も重要になります。
27. 最大スループットと配置全体の収容能力を分離する
次の2つは同じではありません。
1つのクライアントが
得られるピークスループット
と、
多数のクライアントを
ネットワーク全体で収容する収容能力
です。
広帯域チャネルは前者に有利になり得ます。
一方、高密度配置では、
20 MHzや40 MHzを使って
チャネル再利用を増やす
方が全体設計に適する場合があります。
28. 20 MHzが遅いチャネルという意味ではない
20 MHzは、
最も狭い
という理由だけで、
悪いチャネル幅
ではありません。
高密度環境では、
多数の独立チャネル
チャネル再利用
AP間の周波数分離
を確保するために20 MHzを選ぶ理由があります。
29. 160 MHzが常に最善ではない
160 MHzを利用できる環境でも、
多数AP
多数クライアント
高密度
という条件では、
より狭いチャネル幅の方が適する場合があります。
したがって、
最大チャネル幅
=
最適チャネル幅
ではありません。
30. 320 MHzはWi-Fi 7で追加された
Wi-Fi 7では、
320 MHz
のチャネル幅が利用可能になりました。
ページ028では、
Wi-Fi 7
6 GHz
320 MHz
という関係を認識します。
31. 320 MHzは6 GHzで利用する
320 MHzチャネルは、
6 GHz
の広い周波数資源を利用するWi-Fi 7の機能です。
したがって、
2.4 GHzで320 MHz
5 GHzで320 MHz
として扱いません。
32. 320 MHzは認識レベルまで
ページ028では、
320 MHzが存在する
Wi-Fi 7で利用される
6 GHzで利用される
160 MHzよりさらに広い
ところまでを押さえます。
320 MHzの詳細なチャネル割り当て
パンクチャリング(Puncturing)
マルチリンクオペレーション(Multi-Link Operation:MLO)
詳細なWi-Fi 7 PHY設計
までは、このページでは扱いません。
33. 320 MHzでも同じトレードオフがある
320 MHzは非常に広いチャネル幅です。
そのため、
1つのチャネルで
非常に広い周波数資源を利用する
ことになります。
したがって基本的な考え方は、
広いチャネル
↓
1チャネルあたりの
周波数資源は大きい
ただし
利用可能な
独立広帯域チャネル数は減る
です。
34. チャネル幅選択では要件を見る
チャネル幅は、
最大値を選択する
ものではありません。
例えば、
高い単一クライアントスループットが重要
AP数が少ない
利用可能周波数資源が十分
なら広帯域チャネルを使う理由があります。
一方、
高密度
多数AP
多数クライアント
なら、より狭いチャネルを利用して再利用しやすくする理由があります。
35. チャネル再利用とは
無線LANでは、利用可能チャネル数は有限です。
そこで、
同じチャネルを
別の場所で再び利用する
必要があります。
これが、
チャネル再利用
です。
36. 同じチャネルを永久に使わないわけではない
例えば、
チャネル1
チャネル6
チャネル11
しか使わないからといって、
APを3台までしか配置できない
わけではありません。
空間的に十分分離できる場所では、
チャネル1
を再利用できます。
37. チャネル再利用は空間と組み合わせて考える
概念的には、
AP1
チャネル1
AP2
チャネル6
AP3
チャネル11
AP4
チャネル1
のように配置できます。
重要なのは、
同一チャネルセル同士を
適切に空間分離する
ことです。
38. 隣接APへ同じチャネルを割り当て続けると効率が落ちる
無線LANでは、同一チャネルを利用する端末同士は、
同じ無線媒体
を共有します。
そのため隣接する多数のAPへ同じチャネルを割り当てると、
同一チャネル上で
エアタイムを共有する範囲
が大きくなり得ます。
チャネル再利用では、この点を考慮します。
39. チャネル再利用と隣接チャネルを区別する
次の2つは異なります。
同一チャネルを
離れたセルで再利用する
ことと、
周波数が重なる
別チャネルを隣接セルで利用する
ことです。
ページ028では、
独立チャネルを使い分け
必要な距離を空けて
同じチャネルを再利用する
という基本を扱います。
干渉原因の詳細分類はページ031で扱います。
40. 2.4 GHzでは再利用の選択肢が少ない
2.4 GHzでは代表的に、
1
6
11
という少数のチャネルを再利用します。
そのためAP数が増えるほど、
同一チャネルを再利用する頻度
が高くなります。
これは2.4 GHzで高密度配置が難しくなりやすい理由の1つです。
41. 5 GHzでは再利用距離を取りやすくなる
5 GHzには2.4 GHzより多くの20 MHzチャネルがあります。
そのため、
隣接APへ
異なるチャネルを割り当てる
選択肢が増えます。
結果として、
同一チャネルを
再利用するセル同士を
より離しやすい
という利点があります。
42. 6 GHzではさらにチャネル計画の自由度が増える
6 GHzでは非常に広い周波数資源を利用できます。
そのため、
20 MHz
40 MHz
80 MHz
160 MHz
のいずれを利用する場合でも、広いチャネル計画を作る選択肢があります。
ただしチャネル幅を大きくすれば、
独立チャネル数が減る
という基本原則は変わりません。
43. チャネル幅と再利用はセットで考える
例えば5 GHzで、
20 MHz
を利用すれば、多数の独立チャネルを作りやすくなります。
一方、
80 MHz
を利用すれば、1つのチャネルがより多くの周波数資源を消費します。
したがって、
チャネル幅
↓
独立チャネル数
↓
チャネル再利用
は関連しています。
44. AP密度が高いほど再利用設計が重要になる
AP数が少ない環境では、
チャネル不足
が問題にならない場合があります。
しかし、
オフィス
学校
会議場
高密度エリア
のようにAP数が増えると、
どのAPへ
どのチャネルを割り当てるか
が重要になります。
45. 高密度で広帯域チャネルだけを選ばない
多数のAPがある環境で、
最大スループットを出したい
↓
すべて160 MHz
とすると、
利用できる独立チャネル数が大きく減ります。
その結果、
同一チャネルを
近い場所で再利用する
必要が増える場合があります。
したがって高密度設計では、
チャネル幅を狭くする
ことが合理的な場合があります。
46. 少数AP環境では広帯域チャネルを利用しやすい場合がある
反対に、
AP数が少ない
利用周波数資源が十分
高スループットを重視
という環境では、
80 MHz
160 MHz
などを利用する余地があります。
つまり、
正しいチャネル幅
は配置条件によって変わります。
47. DFSとは
5 GHzの一部周波数は、
レーダーシステム
と周波数資源を共用します。
この共存のために使用される仕組みが、
動的周波数選択
DFS
です。
48. DFSではレーダーを検出する
DFS対象チャネルを利用するAPは、
レーダー信号
を検出する必要があります。
レーダーが検出された場合、
そのチャネルを
そのまま継続利用する
のではなく、
利用を停止し
別の利用可能チャネルへ移る
などの動作が必要になります。
49. DFSは通常のWi-Fiトラフィック競合とは別
DFSで確認しているのは、
レーダーとの共存
です。
したがって、
多数クライアントが同一チャネルを利用している
隣接APが同一チャネルを利用している
という通常の無線媒体共有とは別の概念です。
50. 5 GHzチャネルが突然変わるシナリオでDFSを考える
例えばAPが、
5 GHz DFSチャネル
を利用していたとします。
その後、
レーダー検出
が発生すると、APが別チャネルへ移る場合があります。
したがって、
設定したチャネルから
別チャネルへ移動した
という現象が、
必ず設定誤り
とは限りません。
DFS動作の可能性があります。
51. DFS対象チャネルを利用すること自体が誤りではない
DFSチャネルは、
使ってはいけないチャネル
ではありません。
規制要件に従いながら利用するチャネルです。
したがって、
DFS対象
=
利用禁止
ではありません。
52. DFS詳細設計までは扱わない
ページ028では、
5 GHzの一部チャネルがDFS対象
レーダーを検出する
検出時にはチャネルを継続利用しない
という基本を扱います。
CACタイマー
非占有期間(Non-Occupancy Period)の詳細
レーダーパターン
コントローラーのDFS設定
までは扱いません。
53. ケース1:2.4 GHzで隣接APを設計する
APが3台あります。
AP1
AP2
AP3
すべて2.4 GHz/20 MHzを使用します。
代表的なチャネル計画は、
AP1
→ チャネル1
AP2
→ チャネル6
AP3
→ チャネル11
です。
これは、
チャネルの重なりを避ける
ための選択です。
54. ケース2:2.4 GHzで1/2/3を選ぶ
設定:
AP1
→ チャネル1
AP2
→ チャネル2
AP3
→ チャネル3
なら、
チャネル番号は別
ですが、
20 MHzの周波数領域が
重なりやすい
ため、適切な1/6/11計画ではありません。
55. ケース3:高密度5 GHz環境
要件:
多数AP
多数クライアント
ネットワーク全体の収容能力重視
とします。
この場合、
160 MHzをすべてのAPで利用する
より、
20 MHz
40 MHz
などを利用し、
多数の独立チャネル
を確保する方が適する場合があります。
56. ケース4:少数APで高スループットを重視する
要件:
AP数が少ない
クライアントも広帯域チャネル対応
利用可能周波数資源が十分
ピークスループット重視
なら、
80 MHz
160 MHz
を利用する理由があります。
ただし、
必ず最大幅にする
わけではなく、周囲の無線環境も考慮します。
57. ケース5:6 GHzで多数クライアントを収容する
6 GHzには広い周波数資源があります。
高密度環境でも、
すべて320 MHz
にすることが唯一の選択ではありません。
例えば、
20/40/80 MHz
を使えば、
より多くの独立チャネル
を確保できます。
要件に合わせて幅を選びます。
58. ケース6:Wi-Fi 7の320 MHzを認識する
問題で、
Wi-Fi 7
320 MHzチャネル幅
が示された場合、
6 GHz
との関係を認識します。
ただし、
320 MHzだから
ネットワーク全体に必ず最適
とは判断しません。
チャネル幅のトレードオフは320 MHzでも存在します。
59. ケース7:5 GHz DFSチャネルでレーダーを検出する
APが、
DFS対象の5 GHzチャネル
を使用しています。
レーダーを検出した場合、
APはそのチャネルを
継続使用しない
というDFS動作が必要です。
したがって、
レーダー検出
↓
チャネル変更
という関係を判断できる必要があります。
60. ケース8:チャネル再利用を判断する
4台のAPがあり、
AP1
→ チャネル1
AP2
→ チャネル6
AP3
→ チャネル11
まで利用したとします。
4台目だから、
新しいチャネル番号を
必ず作る
わけではありません。
十分に離れたセルなら、
チャネル1
などを再利用します。
これがチャネル再利用です。
61. チャネル選択では3つを分離する
チャネル計画では、
周波数帯
チャネル番号
チャネル幅
を分けます。
例えば、
周波数帯
→ 5 GHz
チャネル
→ 36
幅
→ 20 MHz
は、それぞれ別の設定要素です。
62. チャネル幅とチャネル番号を混同しない
次の2つは意味が異なります。
チャネル40
と、
40 MHz
です。
チャネル40 は、
チャネル番号
です。
40 MHz は、
チャネル幅
です。
この2つを混同しないことが重要です。
63. 6 GHzと160 MHzも同義ではない
6 GHzは、
周波数帯
です。
160 MHzは、
チャネル幅
です。
したがって、
6 GHz
=
160 MHz
ではありません。
6 GHzでも要件に応じて、
20
40
80
160
320 MHz
などを利用します。
64. 広帯域チャネルが使えることと使うべきことは別
端末が、
160 MHz対応
だからといって、
160 MHzを設定すべき
とは限りません。
同様に、
Wi-Fi 7
+
320 MHz対応
でも、
導入要件によっては狭いチャネル幅を利用します。
65. チャネル計画では全体を見る
1台のAPだけなら、
最大チャネル幅
が魅力的に見える場合があります。
しかし複数APを設計するときは、
AP1
AP2
AP3
...
全体で、
チャネルをどう分配し
どこで再利用するか
を見る必要があります。
66. チャネル再利用は収容能力設計に関係する
同一チャネルセルが大きく重なると、
同じ無線媒体を
共有する端末
が増えます。
そのため、
チャネル計画
セル配置
チャネル再利用
はネットワーク全体の収容能力と関係します。
ページ028では、この設計関係までを扱います。
詳細なRF調査はこのページでは扱いません。
67. よくある誤判断
誤り1:チャネル番号が違えば周波数も重ならない
2.4 GHzでは近接チャネルが重なります。
誤り2:2.4 GHzでは1/2/3を使えば3チャネルに分離できる
代表的な20 MHz計画は1/6/11です。
誤り3:22 MHzを現行設定チャネル幅として選ぶ
ページ028では20/40/80/160 MHzを基本に扱います。
誤り4:チャネル幅は広いほど常に良い
独立チャネル数とのトレードオフがあります。
誤り5:160 MHzは20 MHzより常にネットワーク全体の収容能力が高い
配置全体ではチャネル再利用が重要です。
誤り6:20 MHzは古くて遅いので使う理由がない
高密度環境では多数の独立チャネルを確保しやすくなります。
誤り7:5 GHzにはチャネル制約がない
規制ドメインやDFSがあります。
誤り8:DFSチャネルは使用禁止
規制要件に従って利用できます。
誤り9:DFSはWi-Fiクライアント同士の通常の競合を検出する機能
DFSはレーダーとの共存に関する仕組みです。
誤り10:320 MHzは5 GHzでも利用する
ページ028で扱うWi-Fi 7の320 MHzは6 GHzです。
誤り11:320 MHz対応なら必ず320 MHzを利用する
導入要件と再利用を考えます。
誤り12:周波数帯とチャネルは同じ意味
周波数帯の中にチャネルがあります。
誤り13:チャネル40と40 MHzは同じ意味
前者はチャネル番号、後者はチャネル幅です。
誤り14:同じチャネルは一度しか使えない
空間的に分離して再利用できます。
誤り15:チャネル計画だけで干渉原因を完全診断できる
詳細な干渉原因分析はページ031で扱います。
68. チャネル幅比較
基本的な比較は次のようになります。
| チャネル幅 | 利用周波数資源 | 独立チャネル数の傾向 | 主な考え方 |
|---|---|---|---|
| 20 MHz | 小さい | 多く確保しやすい | 再利用しやすく、高密度向けの選択肢 |
| 40 MHz | 20 MHzより大きい | 20 MHzより減る | スループットと再利用の中間 |
| 80 MHz | 大きい | さらに減る | 広帯域チャネルによる高い最大レートを狙いやすい |
| 160 MHz | 非常に大きい | 少ない | 周波数資源に余裕がある環境で利用候補 |
| 320 MHz | 極めて大きい | さらに限られる | Wi-Fi 7の6 GHzで利用される幅として認識 |
この表は、
必ずこの幅を選ぶ
という表ではありません。
チャネル幅を広げるほど
1チャネルが使う周波数資源が増え、
独立チャネル数との
トレードオフが大きくなる
ことを確認するための表です。
69. 周波数帯ごとのチャネル計画比較
| 周波数帯 | チャネル計画上の特徴 |
|---|---|
| 2.4 GHz | 周波数資源が限られ、20 MHzの1/6/11計画が重要 |
| 5 GHz | より多くの20 MHzチャネルを利用しやすい。DFS対象チャネルがある |
| 6 GHz | 非常に広い周波数資源を利用でき、広帯域チャネルと多数の独立チャネルの両方を選択しやすい |
ただし、
実際に利用可能なチャネル
は規制ドメインによって異なります。
70. チャネル選択手順
1. 利用周波数帯を確認
↓
2. 規制ドメインで
利用可能チャネルを確認
↓
3. 配置の
AP密度とクライアント密度を確認
↓
4. 必要なピークスループットと
ネットワーク収容能力を確認
↓
5. チャネル幅を選択
20/40/80/160 MHz
必要なら
Wi-Fi 7の6 GHzで
320 MHzを認識
↓
6. 利用可能な
独立チャネルを確認
↓
7. 隣接APへ
チャネルを分配
↓
8. 空間的に離れたセルで
チャネルを再利用
↓
9. 5 GHz DFSチャネルなら
レーダー要件も考慮
71. 最終的に判断できるようにすること
ページ028では最終的に、
周波数帯とチャネルを
分離できる
チャネル番号と
チャネル幅を
区別できる
2.4 GHzで
20 MHzを基本に考えられる
2.4 GHzの
1/6/11計画を
説明できる
近接する2.4 GHzチャネルが
重なることを判断できる
1/2/3を
独立チャネル計画と
誤判断しない
5 GHzでは
2.4 GHzより多数の
チャネルを利用しやすいと
説明できる
6 GHzでは
さらに広いチャネル選択肢が
あることを説明できる
20/40/80/160 MHzを
チャネル幅として
区別できる
チャネルボンディングを
説明できる
広帯域チャネルによって
利用周波数資源が増えることを
説明できる
広帯域チャネルほど
独立チャネル数が減る
トレードオフを説明できる
ピークスループットと
配置上の収容能力を
分離できる
高密度環境で
狭いチャネル幅を
選ぶ理由を説明できる
チャネル再利用を
説明できる
同じチャネルを
空間的に分離して
再利用できる
2.4 GHzでは
再利用候補が比較的少ないと
判断できる
5 GHzと6 GHzでは
チャネル計画の自由度が
高くなる理由を説明できる
Wi-Fi 7で
320 MHzが存在すると
認識できる
320 MHzが
6 GHzで利用されることを
判断できる
320 MHzが
必ず最適ではないと
判断できる
5 GHzの一部チャネルで
DFSが必要と判断できる
DFSが
レーダーとの共存機能だと
説明できる
レーダー検出時に
チャネル変更が発生し得ると
判断できる
要件から
チャネル幅と再利用を
組み合わせて判断できる
必要があります。
まとめ
ページ028では、
周波数帯
の中で、
チャネル
チャネル幅
チャネル再利用
をどのように扱うかを確認しました。
2.4 GHzでは、
20 MHz
チャネル1/6/11
が代表的なチャネル計画です。
5 GHzでは、
より多くの20 MHzチャネル
を利用できるため、複数AP環境でチャネルを分離しやすくなります。
ただし一部チャネルでは、
DFS
レーダー検出
を考慮します。
6 GHzでは、
非常に広い周波数資源
を利用できるため、
多数の独立チャネル
広帯域チャネル
の両方を選択しやすくなります。
チャネル幅は、
20 MHz
40 MHz
80 MHz
160 MHz
を基本として、
Wi-Fi 7では、
320 MHz
も存在します。
チャネルボンディングでは、
複数の基本チャネル
↓
広帯域チャネル
として利用します。
しかし、
チャネル幅 ↑
↓
1チャネルが使う周波数資源 ↑
↓
独立チャネル数 ↓
↓
再利用の自由度 ↓
というトレードオフがあります。
したがって、
最大チャネル幅
=
最適チャネル幅
ではありません。
最終的なチャネル計画は、
周波数帯
↓
利用可能チャネル
↓
AP密度とクライアント密度
↓
チャネル幅
↓
独立チャネル数
↓
チャネル再利用
↓
DFSと規制条件
↓
配置に適したチャネル計画
という流れで考えます。
次のページ029では、
dB
dBm
RSSI
ノイズ
SNR
へ進み、
無線信号の強さや品質を数値から判断する方法を扱います。
理解確認
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