試験項目 2.1.d · CCNA-051
Switch Virtual Interface(SVI)
ドメイン 2 · Switching and Network Access · Configure Network Infrastructure Connectivity
1. このページのゴール
SVIをVLANを表す論理レイヤ3インターフェースとして構成し、管理用途とゲートウェイ用途の役割を区別できるようにする。
2. このページで学ぶこと
- SVI定義
interface vlan設定- SVIの論理レイヤ3としての役割
- 管理SVIの役割
- ゲートウェイSVIの役割
- SVIの役割とインターフェース種類
- SVI管理状態
- SVIアドレス確認
3. SVIとは
Switch Virtual Interface(SVI)は、物理ポートそのものではなく、VLANを表す論理レイヤ3インターフェースです。
通常のEthernetインターフェースが実際のケーブルやリンクに対応するのに対し、SVIは特定のVLANに対応する論理インターフェースとしてスイッチ内部に存在します。
たとえばVLAN 10に対応するSVIは、Cisco IOS・IOS XEでは代表的に次のように表されます。
interface Vlan10
または設定モードから、
interface vlan 10
と指定します。
ここで重要なのは、Vlan10がGigabitEthernetなどの物理ポートではないことです。
GigabitEthernet1/0/1
↓
物理インターフェース
Vlan10
↓
論理レイヤ3インターフェース
SVIにはIPアドレスを設定でき、スイッチ自身の管理アドレスや、マルチレイヤスイッチにおけるVLANのレイヤ3エンドポイントとして利用できます。
4. 物理インターフェースとSVIを区別する
CCNAでは、設定やshowコマンドの出力から「どの種類のインターフェースを扱っているのか」を判断できることが重要です。
たとえば次のインターフェース名を比較します。
| インターフェース | 種類 | 主な役割 |
|---|---|---|
GigabitEthernet1/0/1 |
物理インターフェース | 実際のEthernetリンクを接続する |
Port-channel1 |
論理インターフェース | 複数リンクをEtherChannelとしてまとめる |
Vlan10 |
論理レイヤ3インターフェース | VLAN 10をレイヤ3として表す |
次の設定があれば、
interface Vlan10
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
IPアドレスは物理アクセスポートに設定されているのではなく、VLAN 10を表すSVIに設定されていると判断します。
5. SVIを作成・設定する
SVIを設定するときは、代表的にinterface vlan <VLAN-ID>を使用します。
VLAN 10のSVIを設定する例を見ます。
Switch(config)# interface vlan 10
Switch(config-if)# ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
この設定では、
interface vlan 10
でVLAN 10に対応するSVIのインターフェース設定モードへ入り、
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
でSVIへIPv4アドレスを設定しています。
no shutdownは、そのSVIがadministratively downになっている場合に管理状態を有効化するために使用します。
設定を見るときは、次のように分けて考えます。
interface vlan 10
↓
どのVLANを表すSVIか
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
↓
SVIのレイヤ3アドレス
no shutdown
↓
インターフェースの管理状態
6. SVIはレイヤ3インターフェースである
SVIはVLANを表す論理インターフェースですが、役割としてはレイヤ3インターフェースです。
そのため、SVIにはIPアドレスを設定できます。
interface Vlan10
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
これは、VLAN 10というレイヤ2ブロードキャストドメインに対応するレイヤ3インターフェースへ、
192.168.10.1/24
を割り当てている状態です。
ここで、
VLAN
と、
SVI
を同じものとして扱わないことが重要です。
VLANはレイヤ2の論理ブロードキャストドメインです。
一方、SVIはそのVLANに対応する論理レイヤ3インターフェースです。
概念的には次のように分けます。
VLAN 10
レイヤ2ブロードキャストドメイン
↓
interface Vlan10
論理レイヤ3インターフェース
↓
192.168.10.1/24
レイヤ3アドレス
7. 管理SVI
SVIはスイッチ自身を管理するための管理IPアドレスとして利用できます。
たとえばスイッチへSSHなどで管理アクセスするため、VLAN 99にSVIを作成するとします。
interface Vlan99
ip address 192.168.99.10 255.255.255.0
no shutdown
この場合、
192.168.99.10
はスイッチ自身をネットワーク経由で識別・管理するためのアドレスとして使用できます。
このような利用方法を管理SVIとして考えます。
重要なのは、管理SVIという別種類のインターフェースが存在するわけではないことです。
設定上は通常のSVIです。
interface Vlan99
というSVIを、スイッチ管理のために使用しているため「管理SVI」と呼んでいます。
8. ゲートウェイSVI
マルチレイヤスイッチでは、SVIをVLAN内ホストのデフォルトゲートウェイとして利用できます。
たとえばVLAN 20のホストが、
IPアドレス:
192.168.20.100/24
デフォルトゲートウェイ:
192.168.20.1
を使用しているとします。
スイッチ側に次の設定があれば、
interface Vlan20
ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
no shutdown
Vlan20のSVIが、
192.168.20.1
を持っています。
この場合、VLAN 20のホストから見ればSVIがレイヤ3ゲートウェイの役割を担当できます。
ホスト
192.168.20.100/24
|
| VLAN 20
|
interface Vlan20
192.168.20.1/24
SVIがゲートウェイの役割を持てることが、この構成から判断できます。
SVIがゲートウェイの役割を持つ場合でも、複数VLAN間のルーティング成立には、ip routingなどのレイヤ3設定も関係します。
9. 管理SVIとゲートウェイSVIは何が違うのか
管理SVIとゲートウェイSVIは、インターフェース種類そのものが異なるわけではありません。
どちらも、
interface Vlan<ID>
で構成するSVIです。
違うのは主に利用目的・役割です。
| 項目 | 管理SVI | ゲートウェイSVI |
|---|---|---|
| インターフェース種類 | SVI | SVI |
| 論理・物理 | 論理 | 論理 |
| レイヤ | レイヤ3 | レイヤ3 |
| IPアドレス | 設定可能 | 設定可能 |
| 主な役割 | スイッチ自身の管理 | VLANホストのレイヤ3ゲートウェイ |
| 設定形式 | interface Vlan<ID> |
interface Vlan<ID> |
したがって、
管理SVI
と、
ゲートウェイSVI
を別のインターフェース種類として覚えるのは適切ではありません。
試験では、
このIPアドレスはスイッチ自身を管理するために使われているのか
それとも
VLANホストのデフォルトゲートウェイとして使われているのか
という役割を設定やシナリオから判断します。
10. 設定から役割を判断する
次の設定を見ます。
interface Vlan99
ip address 10.10.99.5 255.255.255.0
no shutdown
これだけでは、Vlan99がSVIであり、IPアドレスを持つ論理レイヤ3インターフェースであることは判断できます。
しかし、管理専用なのかゲートウェイなのかは、この数行だけでは確定できない場合があります。
シナリオに、
スイッチは10.10.99.5で管理されます。
という情報があれば管理の役割だと判断できます。
一方で、
VLAN 99のホストは10.10.99.5をデフォルトゲートウェイとして使用します。
という情報があればゲートウェイの役割として利用されていると判断できます。
つまり、インターフェース名だけではなく、
設定
ネットワーク要件
ホスト設定
を合わせて役割を判断します。
11. SVIの管理状態
SVIもインターフェースなので、管理状態を持ちます。
たとえば、
interface Vlan30
shutdown
となっている場合、そのSVIはadministratively downです。
必要に応じて、
interface Vlan30
no shutdown
と設定します。
状態確認には代表的に、
show ip interface brief
を使用できます。
例:
Switch# show ip interface brief
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Vlan10 192.168.10.1 YES manual up up
Vlan30 192.168.30.1 YES manual administratively down down
この出力では、Vlan30について、
状態 = administratively down
となっています。
この場合は物理ケーブルの問題を先に疑うのではなく、まずインターフェースの管理設定を確認します。
show running-config interface vlan 30
などで設定を確認し、
shutdown
が設定されていれば、要件に応じてno shutdownを検討します。
12. 管理状態と動作状態を分ける
インターフェースの状態を見るときは、
設定上有効か
と、
実際に動作可能な状態か
を分けて考えます。
たとえば、
Vlan10 192.168.10.1 YES manual up up
であれば、
状態 = up
プロトコル = up
です。
一方、
Vlan30 192.168.30.1 YES manual administratively down down
であれば、設定によって管理状態が無効化されています。
CCNA問題では、
IPアドレスが設定されている
だけを見て「SVIは利用可能」と判断しないようにします。
少なくともインターフェース状態も確認対象にします。
SVIがup/upになるには、通常、次の状態がそろっている必要があります。
- VLANがVLANデータベースに存在し、
activeである - VLANインターフェースが存在し、
administratively downではない - そのVLANに属するレイヤ2のアクセスポートまたはトランクポートが少なくとも1つリンクアップしており、STPで
forwarding状態である
13. SVIのIPアドレスを確認する
SVIのアドレスと簡易的なインターフェース状態を確認するときは、代表的に次のコマンドを使用できます。
show ip interface brief
例:
Switch# show ip interface brief
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Vlan1 unassigned YES unset administratively down down
Vlan10 192.168.10.1 YES manual up up
Vlan20 192.168.20.1 YES manual up up
この出力からは、たとえばVlan10について、
インターフェース
→ Vlan10
IPアドレス
→ 192.168.10.1
状態
→ up
プロトコル
→ up
を確認できます。
試験では、単にコマンド名を覚えるだけでなく、どの列を見れば何が分かるのかまで理解しておきます。
14. show interfaces vlanで詳細を確認する
特定のSVIを詳しく確認するときは、代表的に次のようなコマンドを使用します。
show interfaces vlan 10
このコマンドでは、対象SVIについてインターフェース状態やレイヤ3インターフェースとしての情報を確認できます。
試験問題で、
Vlan10の状態を詳しく確認したい
という要求がある場合、
show interfaces vlan 10
は確認候補になります。
一方、
複数インターフェースのIPアドレスと状態を一覧で確認したい
のであれば、
show ip interface brief
のほうが直接的です。
使い分けは次のように整理できます。
| 確認したい内容 | 代表的なコマンド |
|---|---|
| SVIを含むIPインターフェースの一覧 | show ip interface brief |
| 特定SVIのインターフェース情報 | show interfaces vlan <id> |
| SVIの設定 | show running-config interface vlan <id> |
15. 設定状態と表示結果を対応させる
次の設定を見ます。
interface Vlan40
ip address 172.16.40.1 255.255.255.0
no shutdown
ここから確認できる設定状態は、
SVI
→ Vlan40
IPアドレス
→ 172.16.40.1/24
管理設定
→ no shutdown
です。
次に、
show ip interface brief
を確認します。
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Vlan40 172.16.40.1 YES manual up up
この場合、
設定アドレス
172.16.40.1
↓
表示アドレス
172.16.40.1
管理設定
no shutdown
↓
administratively downではない
動作状態
↓
VLAN・レイヤ2ポート・STPなどの条件も成立した結果としてup
のように設定と動作出力を対応させます。
「設定したはず」ではなく、showコマンドで実状態を確認する考え方が重要です。
16. シナリオ1:VLANを表すレイヤ3インターフェースを作る
要求:
VLAN 10を表すレイヤ3論理インターフェースをスイッチ上に作成する。
IPアドレスは192.168.10.1/24とする。
適切な方向性は、
interface vlan 10
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
no shutdown
です。
ここで物理ポートに、
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
を設定する問題ではありません。
要求には、
VLAN 10を表す
論理レイヤ3インターフェース
とあるため、SVIを選びます。
判断キーワードは、
VLANを表す
レイヤ3
論理インターフェース
↓
SVI
です。
17. シナリオ2:スイッチの管理アドレス
要求:
スイッチ自身を192.168.99.10で管理したい。
管理VLANは99である。
SVIを管理の役割で利用する例は、
interface Vlan99
ip address 192.168.99.10 255.255.255.0
no shutdown
です。
このシナリオでは、
スイッチ自身を管理する
という要件が役割判断のポイントです。
したがってVlan99は管理SVIとして使用されています。
18. シナリオ3:ホストのデフォルトゲートウェイ
要求:
VLAN 20のホストは192.168.20.0/24を使用する。
デフォルトゲートウェイはマルチレイヤスイッチ上に置く。
ゲートウェイアドレスは192.168.20.1とする。
この場合、
interface Vlan20
ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
no shutdown
というSVIがゲートウェイの役割を担当できます。
判断の中心は、
VLANホストのデフォルトゲートウェイ
という要件です。
この構成では、SVIがVLAN内ホストのデフォルトゲートウェイとして機能します。複数VLAN間の転送可否は、ルーティング機能や他の設定も合わせて判断します。
19. シナリオ4:IPアドレスはあるがadministratively down
次の出力を確認します。
Interface IP-Address OK? Method Status Protocol
Vlan30 192.168.30.1 YES manual administratively down down
IPアドレスは、
192.168.30.1
と表示されています。
しかし、
状態
→ administratively down
です。
したがって、
IPアドレスが設定されているから正常
とは判断できません。
まずSVIの設定を確認します。
show running-config interface vlan 30
設定に、
shutdown
があれば、要件に応じて、
interface vlan 30
no shutdown
と修正します。
この問題で見るべき順序は、
アドレス
↓
管理状態
↓
動作出力
です。
20. よくある誤り
SVIを物理ポートだと考える
誤り:
interface Vlan10
を物理Ethernetポートの一種と考える。
正しくは、VLAN 10を表す論理レイヤ3インターフェースです。
管理SVIとゲートウェイSVIを別インターフェース種類だと考える
誤り:
管理SVI
ゲートウェイSVI
という2種類の専用インターフェースが存在すると考える。
実際にはどちらもSVIで、主に利用上の役割が異なります。
IPアドレスがあればインターフェースも正常だと判断する
誤り:
Vlan30 192.168.30.1 ...
というアドレスだけを見て正常と判断する。
インターフェース状態も確認します。
VLAN番号とIPアドレスを機械的に一致させる
たとえばVLAN 10だから、
192.168.10.1
でなければならない、という規則はありません。
VLAN IDとIPv4ネットワークの対応はネットワーク設計によって決まります。
試験問題では、与えられたアドレス要件を基準に判断します。
ゲートウェイの役割を見ただけでVLAN間ルーティング全体まで決めつける
SVIがホストのデフォルトゲートウェイとして使われていることと、ネットワーク全体でどのルーティング機能・設定が有効なのかは分けて考えます。
SVIの役割は、インターフェース名だけでなく、ホスト設定やネットワーク要件も合わせて判断します。
複数SVI間のVLAN間接続は、各SVIの状態とルーティング状態を合わせて確認します。
21. 問題での判断パターン
パターン1:インターフェースの種類を問われる
interface Vlan10
ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
判断:
Vlan10
↓
SVI
↓
VLAN 10を表す論理レイヤ3インターフェース
パターン2:適切な設定を選ぶ
要件:
VLAN 10に対応するレイヤ3論理インターフェースを作る。
判断:
interface vlan 10
を選択します。
パターン3:管理かゲートウェイか判断する
要件:
スイッチ自身は10.1.99.5を使用して管理されます。
なら管理の役割です。
要件:
VLAN 20のホストは10.1.20.1をデフォルトゲートウェイとして使用します。
ならゲートウェイの役割です。
インターフェース種類はどちらもSVIです。
パターン4:管理状態を判断する
出力:
Vlan30 192.168.30.1 YES manual administratively down down
判断:
アドレスは設定済み
管理状態がdown
です。
設定のshutdownとno shutdownを確認します。
パターン5:確認コマンドを選ぶ
複数のIPインターフェースについてアドレスと状態を一覧確認:
show ip interface brief
特定SVIのインターフェース情報を確認:
show interfaces vlan <id>
特定SVIの設定を確認:
show running-config interface vlan <id>
問題文が「何を確認したいのか」を先に読み、コマンドを選びます。
22. まとめ
SVIは、VLANを表す論理レイヤ3インターフェースです。
代表的には、
interface vlan <id>
で設定します。
SVIにはIPアドレスを持たせることができ、主に、
スイッチ自身の管理
または、
VLANホストのゲートウェイ
といった役割で利用できます。
管理SVIとゲートウェイSVIは別種類のインターフェースではなく、どちらもSVIです。違いは主に利用目的です。
状態を確認するときは、
show ip interface brief
や、
show interfaces vlan <id>
を利用し、
IPアドレス
管理状態
動作状態
を分けて判断します。
CCNA問題では、
interface Vlan<ID>
を見たら、
どのVLANを表すSVIか
↓
どのIPアドレスを持つか
↓
管理かゲートウェイか
↓
管理状態・動作状態はどうか
という順序で読み取ると判断しやすくなります。
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