Cisco / CCNA 200-301 v2.0

試験項目 2.1.d · CCNA-052

SVI and Inter-VLAN Connectivity

ドメイン 2 · Switching and Network Access · Configure Network Infrastructure Connectivity

1. このページのゴール

複数SVIとip routingを使ってマルチレイヤスイッチでVLAN間接続を構成し、管理専用動作との違いを判断できるようにする。

2. このページで学ぶこと

  • 複数SVIのルーティングインターフェース
  • ip routingによるVLAN間ルーティング
  • SVIをホストのデフォルトゲートウェイとして利用
  • SVIの直接接続経路
  • VLAN間転送経路
  • ルーティングを行わない管理専用SVI
  • ip default-gatewayによる管理
  • VLAN間接続の確認

3. 複数のSVIでVLANごとのレイヤ3インターフェースを作る

SVIは、VLANを表す論理レイヤ3インターフェースです。

複数のVLANが存在するマルチレイヤスイッチでは、それぞれのVLANにSVIを作成し、各VLANに対応するレイヤ3インターフェースとして利用できます。

たとえば、次の2つのVLANがあるとします。

VLAN 10
192.168.10.0/24

VLAN 20
192.168.20.0/24

マルチレイヤスイッチ上に、それぞれのVLANへ対応するSVIを設定できます。

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
 no shutdown

この構成では、

Vlan10
→ 192.168.10.0/24側のレイヤ3インターフェース

Vlan20
→ 192.168.20.0/24側のレイヤ3インターフェース

として扱います。

概念的には次の形です。

VLAN 10
192.168.10.0/24
      |
      |
Vlan10
192.168.10.1/24
      |
マルチレイヤスイッチ
      |
Vlan20
192.168.20.1/24
      |
      |
VLAN 20
192.168.20.0/24

複数SVIを設定することで、1台のマルチレイヤスイッチが複数のIPネットワークへ直接接続されたレイヤ3デバイスとして動作できる構成を作れます。

4. SVIを作るだけではVLAN間ルーティングとは限らない

ここで重要なのは、

SVIが存在する

ことと、

VLAN間をルーティングする

ことを分けることです。

たとえば、

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0

という設定だけを見て、

VLAN 10
↔
VLAN 20

の通信が成立すると即断しないようにします。

マルチレイヤスイッチ自身がレイヤ3転送を行うには、デバイスのルーティング状態も確認します。

Cisco Catalystのマルチレイヤスイッチング環境では、代表的に次のグローバル設定を使用します。

ip routing

つまり基本的な考え方は、

複数のSVI
と
各SVIの適切なIPアドレス
と
デバイスのIPルーティング

です。

5. ip routingの役割

ip routingは、デバイスがレイヤ3ルーティングを行うためのグローバル設定です。

例:

Switch(config)# ip routing

そのうえで、

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
 no shutdown

のように複数SVIを構成します。

このときマルチレイヤスイッチは、

192.168.10.0/24

と、

192.168.20.0/24

という異なるIPネットワークの間でレイヤ3転送を行える構成になります。

プラットフォームやソフトウェアバージョンによってデフォルト状態や利用できる機能が異なる場合があるため、試験問題ではデバイスの種類と与えられた設定を確認します。

重要なのは、

SVI
→ VLANごとのレイヤ3インターフェース

ip routing
→ デバイスがネットワーク間をレイヤ3転送するためのルーティング状態

という役割の違いです。

6. ホストのデフォルトゲートウェイは同じVLANのSVI

異なるIPネットワークへ通信するホストは、通常、自分と同じサブネットにあるレイヤ3インターフェースをデフォルトゲートウェイとして使用します。

VLAN 10のホストを例にします。

ホストA

IPアドレス:
192.168.10.10

サブネットマスク:
255.255.255.0

デフォルトゲートウェイ:
192.168.10.1

スイッチ側は、

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

です。

したがって、

ホストA
192.168.10.10/24
        |
デフォルトゲートウェイ
192.168.10.1
        |
Vlan10

という関係になります。

VLAN 20では、たとえば、

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
 no shutdown

なら、VLAN 20のホストは、

192.168.20.1

をデフォルトゲートウェイとして使用できます。

7. デフォルトゲートウェイは自分と同じサブネットに置く

VLAN 10のホストが、

192.168.10.10/24

なら、ゲートウェイとして指定するSVIも同じサブネットに存在する必要があります。

適切な例:

ホスト:
192.168.10.10/24

ゲートウェイ:
192.168.10.1

一方、次の組み合わせは適切ではありません。

ホスト:
192.168.10.10/24

ゲートウェイ:
192.168.20.1

192.168.20.1は別サブネットだからです。

CCNA問題では、

ホストIPアドレス
サブネットマスク・プレフィックス
デフォルトゲートウェイ
SVIアドレス

をまとめて確認します。

8. SVIと直接接続経路

レイヤ3インターフェースが利用可能な状態になると、そのインターフェースが属するネットワークはデバイスにとって直接接続ネットワークになります。

たとえば、

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

というSVIがレイヤ3インターフェースとして利用可能な状態なら、

192.168.10.0/24

はVlan10側に直接接続されたネットワークとして扱われます。

ルーティングテーブルでは、代表的に次のように確認できます。

Switch# show ip route

C    192.168.10.0/24 is directly connected, Vlan10
L    192.168.10.1/32 is directly connected, Vlan10

表示形式はプラットフォームやソフトウェアバージョンによって異なる場合がありますが、ここで重要なのはCです。

C
→ Connected

つまり、

192.168.10.0/24
→ Vlan10から直接到達できるネットワーク

とデバイスが認識しています。

Lはインターフェース自身へ割り当てられたローカルアドレスを表します。

9. 複数SVIとルーティングテーブル

次の設定を考えます。

ip routing

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
 no shutdown

両方のSVIが利用可能な状態であれば、ルーティングテーブルには代表的に、

C    192.168.10.0/24 is directly connected, Vlan10
L    192.168.10.1/32 is directly connected, Vlan10

C    192.168.20.0/24 is directly connected, Vlan20
L    192.168.20.1/32 is directly connected, Vlan20

のような情報が現れます。

これによりマルチレイヤスイッチは、

192.168.10.0/24

と、

192.168.20.0/24

の両方を直接接続ネットワークとして認識できます。

10. VLAN間転送の基本経路

VLAN 10にホストA、VLAN 20にホストBがあるとします。

ホストA
192.168.10.10/24
ゲートウェイ 192.168.10.1

ホストB
192.168.20.20/24
ゲートウェイ 192.168.20.1

マルチレイヤスイッチは、

Vlan10
192.168.10.1/24

Vlan20
192.168.20.1/24

を持っています。

概念的な通信経路は、

ホストA
192.168.10.10
        |
        | VLAN 10
        v
Vlan10
192.168.10.1
        |
        | レイヤ3ルーティング
        v
Vlan20
192.168.20.1
        |
        | VLAN 20
        v
ホストB
192.168.20.20

です。

ホストAから見ると、192.168.20.20は自分とは別サブネットです。

そのためホストAはパケットをデフォルトゲートウェイである、

192.168.10.1

へ送ります。

マルチレイヤスイッチはルーティングテーブルを確認し、

192.168.20.0/24
→ Vlan20

という経路を利用してVLAN 20側へ転送します。

11. レイヤ2スイッチングとレイヤ3ルーティングを分けて考える

VLAN間通信では、

VLAN内

の転送と、

VLAN間

の転送を分けると理解しやすくなります。

同じVLAN内では、基本的にレイヤ2スイッチングでフレームが転送されます。

異なるIPネットワークへ移る場面では、レイヤ3デバイスによるルーティングが必要です。

SVIを利用する構成では、マルチレイヤスイッチ自身がそのレイヤ3境界を提供できます。

VLAN 10
レイヤ2
    |
    v
Vlan10
    |
    | レイヤ3境界
    |
ルーティング
    |
    v
Vlan20
    |
    v
VLAN 20
レイヤ2

したがって試験では、

同じサブネットへの通信なのか

それとも、

別サブネットへの通信なのか

を最初に判断すると、SVIやゲートウェイの役割を整理しやすくなります。

12. パケットのIPアドレスとレイヤ2情報

ホストAからホストBへルーティングされる場合でも、通常のIP転送ではエンドホスト間の送信元・宛先IPアドレスそのものが、各ホップでSVIアドレスへ置き換わるわけではありません。

例:

送信元IP:
192.168.10.10

宛先IP:
192.168.20.20

マルチレイヤスイッチは宛先ネットワークをルーティングテーブルで判断し、適切な出力インターフェース側へ転送します。

一方、レイヤ3デバイスを越えて次のレイヤ2セグメントへ送るときは、レイヤ2ヘッダーはそのセグメントに合わせて扱われます。

CCNA問題では、

IPパケットの宛先

と、

ローカルセグメント上のネクストホップ

を混同しないことが重要です。

13. 管理用SVIはVLAN間ルーティングを意味しない

SVIはVLAN間ルーティングだけのために使用するインターフェースではありません。

レイヤ2スイッチでも、スイッチ自身をネットワーク経由で管理するために管理SVIを設定できます。

例:

interface Vlan99
 ip address 192.168.99.10 255.255.255.0
 no shutdown

この場合、

192.168.99.10

をSSHなどによるスイッチ管理に使用できます。

しかし、

SVIにIPアドレスがある

という事実だけから、

このスイッチがVLAN間ルーティングを行っている

とは判断できません。

管理接続とVLAN間ルーティングは別の役割として考えます。

14. 管理専用とVLAN間ルーティングを比較する

項目 管理専用SVI VLAN間ルーティング
SVI 使用する 使用する
スイッチ自身のIP接続 目的になる 利用可能
複数ネットワーク間の転送 主目的ではない 主目的
ip routing ルーティングを行わない構成では使用しない マルチレイヤスイッチで確認対象
ホストのデフォルトゲートウェイ スイッチ管理用途とは別 各VLANのSVIを利用可能
ルーティングテーブル VLAN間転送の中心ではない 転送判断に使用

特に、

SVIがある
=
VLAN間ルーティング

ではないことを押さえます。

15. ip default-gatewayとは

IPルーティングを行わないスイッチでは、スイッチ自身が別サブネットにある管理端末などへ通信するときのネクストホップとして、代表的に、

ip default-gateway <gateway-address>

を設定できます。

例:

interface Vlan99
 ip address 192.168.99.10 255.255.255.0
 no shutdown

ip default-gateway 192.168.99.1

この例では、

スイッチ管理アドレス
192.168.99.10/24

に対して、

192.168.99.1

を管理トラフィックが別ネットワークへ出る際のゲートウェイとして設定しています。

16. ホストのデフォルトゲートウェイとip default-gatewayを区別する

名前が似ていますが、試験では対象を区別します。

項目 ホストのデフォルトゲートウェイ スイッチのip default-gateway
対象 エンドホスト IPルーティングを行わないスイッチ自身
目的 ホストが別サブネットへ通信する スイッチ自身の管理トラフィックなどを別サブネットへ送る
代表例 ホストのゲートウェイ = 192.168.10.1 ip default-gateway 192.168.99.1
SVIとの関係 SVIがホストゲートウェイになれる 管理SVIから別ネットワークへ出るネクストホップを指定できる

たとえば、

PC1
192.168.10.10/24
デフォルトゲートウェイ 192.168.10.1

の192.168.10.1と、

Switch(config)# ip default-gateway 192.168.99.1

は、同じ「ゲートウェイ」という言葉を含んでいても設定対象が異なります。

17. ip routingとip default-gatewayを混同しない

これもCCNAで重要な区別です。

ip routing

はデバイスがレイヤ3ルーティングを行うための設定です。

一方、

ip default-gateway 192.168.99.1

は、IPルーティングを行わないスイッチ自身がリモートネットワークへ到達するためのゲートウェイを指定する用途で使用できます。

したがって、

ip routing
→ ネットワーク間をルーティングするデバイスとして動作

ip default-gateway
→ ルーティングを行わないスイッチ自身のゲートウェイ

という方向で整理します。

ルーティング機能を使用しているマルチレイヤスイッチでは、リモートネットワークへの経路判断はルーティングテーブルが中心になります。

18. VLAN間接続を確認する

設定後は、1つのコマンドだけで判断するのではなく、レイヤ3の構成を順に確認します。

基本的な確認対象は、

SVIアドレス・状態
↓
デバイスルーティング状態
↓
ルーティングテーブル
↓
ホストのデフォルトゲートウェイ
↓
エンドツーエンド接続

です。

代表的に、

show ip interface brief

でSVIのアドレスとインターフェース状態を確認します。

例:

Switch# show ip interface brief

Interface              IP-Address      OK? Method Status                Protocol
Vlan10                 192.168.10.1    YES manual up                    up
Vlan20                 192.168.20.1    YES manual up                    up

ここでは、

Vlan10
192.168.10.1

Vlan20
192.168.20.1

が期待したアドレスを持っているか確認します。

19. ルーティングテーブルを確認する

次に、

show ip route

でルーティングテーブルを確認します。

例:

C    192.168.10.0/24 is directly connected, Vlan10
L    192.168.10.1/32 is directly connected, Vlan10
C    192.168.20.0/24 is directly connected, Vlan20
L    192.168.20.1/32 is directly connected, Vlan20

この出力なら、

192.168.10.0/24
→ Vlan10

192.168.20.0/24
→ Vlan20

という接続ネットワークを確認できます。

VLAN間通信を考えるときは、

宛先ネットワークへの経路があるか

を見ることが重要です。

20. ホスト側のゲートウェイも確認する

スイッチ側だけが正しくても、ホストのデフォルトゲートウェイが誤っていれば別サブネットへ適切に送信できません。

例:

ホストA
IP      192.168.10.10
サブネットマスク 255.255.255.0
ゲートウェイ 192.168.10.1

スイッチ側:

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0

この対応を確認します。

VLAN 20も同様です。

ホストB
IP      192.168.20.20
サブネットマスク 255.255.255.0
ゲートウェイ 192.168.20.1

スイッチ側:

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0

試験では、スイッチ設定だけでなくホストアドレス設定も原因候補として提示されることがあります。

21. pingで接続を確認する

アドレス、ルーティング状態、ルーティングテーブル、ゲートウェイ設定を確認したあと、pingを使って接続を確認できます。

たとえばVLAN 10のホストから、

ping 192.168.10.1

でローカルゲートウェイへの到達性を確認します。

その後、

ping 192.168.20.20

で宛先VLANのホストへの接続を確認する、という考え方ができます。

確認対象を段階的に分けることで、

ローカルゲートウェイまでは到達可能か

と、

VLAN間通信全体が成立しているか

を分けて考えられます。

SVIそのものがup/upにならない場合は、VLAN・アクセスポート・トランクポート・STPなど、レイヤ2側も確認します。

22. 設定例

VLAN 10とVLAN 20を同一マルチレイヤスイッチでルーティングする基本構成を考えます。

vlan 10
 name USERS

vlan 20
 name SERVERS

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
 no shutdown

ip routing

ホスト側:

VLAN 10ホスト
IPアドレス      192.168.10.10
サブネットマスク     255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 192.168.10.1

VLAN 20ホスト
IPアドレス      192.168.20.20
サブネットマスク     255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ 192.168.20.1

この設定を見たら、

Vlan10
→ VLAN 10のレイヤ3ゲートウェイ

Vlan20
→ VLAN 20のレイヤ3ゲートウェイ

ip routing
→ VLAN 10とVLAN 20の間をレイヤ3転送するためのルーティング状態

と読み取ります。

23. シナリオ1:複数VLANを同じマルチレイヤスイッチでルーティングする

要求:

VLAN 10:
192.168.10.0/24

VLAN 20:
192.168.20.0/24

同一マルチレイヤスイッチでVLAN間をルーティングする。

基本的に必要になる要素は、

Vlan10のSVI
と
Vlan20のSVI
と
各SVIのIPアドレス
と
IPルーティング

です。

例:

ip routing

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
 no shutdown

「SVIを1つ作ればよい」でも、「アクセスポートにIPアドレスを設定すればよい」でもありません。

複数ネットワークを扱うため、それぞれのVLANに対応するレイヤ3インターフェースが必要です。

24. シナリオ2:ゲートウェイと直接接続経路を判断する

出力:

Switch# show ip interface brief

Interface              IP-Address      OK? Method Status                Protocol
Vlan10                 192.168.10.1    YES manual up                    up

ルーティングテーブル:

C    192.168.10.0/24 is directly connected, Vlan10
L    192.168.10.1/32 is directly connected, Vlan10

VLAN 10のホスト:

192.168.10.50/24

この場合、

ホストのデフォルトゲートウェイ
→ 192.168.10.1

接続ネットワーク
→ 192.168.10.0/24

出力・接続インターフェース
→ Vlan10

と判断できます。

25. シナリオ3:VLAN 10からVLAN 20へ通信できない

構成:

Vlan10
192.168.10.1/24

Vlan20
192.168.20.1/24

ホスト:

PC-A
192.168.10.10/24
ゲートウェイ 192.168.10.1

PC-B
192.168.20.20/24
ゲートウェイ 192.168.20.1

PC-AからPC-Bへ通信できないとします。

まずレイヤ3の成立条件を順に確認します。

1. Vlan10・Vlan20のアドレスと状態

2. デバイスのIPルーティング状態

3. show ip routeで両ネットワークの経路

4. PC-A・PC-Bのデフォルトゲートウェイ

5. ローカルゲートウェイへのping

6. 宛先へのping

この時点で、

STPのどのポート役割が原因か

や、

どのトランクVLAN設定を修正するか

まで決めつけません。

必要に応じて、SVIやレイヤ2パスそのものも切り分けます。

26. シナリオ4:管理SVIしか必要ない

レイヤ2スイッチに、

interface Vlan99
 ip address 10.99.0.10 255.255.255.0
 no shutdown

が設定されているとします。

目的は、

スイッチ自身をリモート管理する

ことです。

管理端末が別サブネットにあり、スイッチがIPルーティングを行わない構成なら、代表的に、

ip default-gateway 10.99.0.1

を設定できます。

このシナリオでは、

SVI
と
ip default-gateway

があるからといって、

スイッチが複数VLAN間をルーティングしている

とは判断しません。

管理専用の構成とVLAN間ルーティング構成を分けて読みます。

27. よくある誤り

複数SVIがあれば自動的にVLAN間ルーティングできると考える

SVIの存在だけを見るのではなく、デバイスのルーティング状態も確認します。

複数SVI
と
IPルーティング

という関係を確認します。

ホストのゲートウェイに別VLANのSVIを設定する

VLAN 10のホストが、

192.168.10.10/24

なら、ゲートウェイには同じサブネットにあるVlan10のアドレスを使用します。

192.168.10.1

のようなアドレスです。

ip default-gatewayをVLAN間ルーティングの設定だと考える

ip default-gateway

は、ルーティングを行わないスイッチ自身のリモート管理接続などで使用する設定です。

複数VLAN間を転送するためのip routingとは役割が異なります。

SVIのIPアドレスだけを確認する

VLAN間接続では、

SVIアドレス
ルーティング状態
ルーティングテーブル
ホストゲートウェイ
接続

を関連付けて確認します。

show ip routeの直接接続経路を見落とす

SVIがレイヤ3インターフェースとして利用可能なら、そのサブネットは直接接続ネットワークとしてルーティングテーブルに現れます。

C

の経路とインターフェース名を対応させます。

28. 問題での判断パターン

パターン1:複数SVIの役割

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0

判断:

2つのVLANそれぞれに
レイヤ3インターフェースが存在する

パターン2:VLAN間ルーティングに必要な設定

要件:

VLAN 10とVLAN 20をマルチレイヤスイッチでルーティングする

判断:

複数SVI
と
ip routing

を確認します。

パターン3:ホストのデフォルトゲートウェイ

ホスト:
192.168.10.100/24

Vlan10:
192.168.10.1/24

判断:

デフォルトゲートウェイ
→ 192.168.10.1

パターン4:直接接続経路

C    192.168.20.0/24 is directly connected, Vlan20

判断:

192.168.20.0/24
→ 直接接続ネットワーク

Vlan20
→ 対応するレイヤ3インターフェース

パターン5:VLAN間転送経路

192.168.10.10
→ 192.168.20.20

判断:

ホストA
↓
Vlan10ゲートウェイ
↓
レイヤ3ルーティング
↓
Vlan20
↓
ホストB

パターン6:管理専用SVI

要件:

スイッチ自身をリモート管理したい。
VLAN間ルーティングは行わない。

判断:

管理SVI

を使用できます。

リモート管理先が別サブネットなら、

ip default-gateway

も確認対象になります。

パターン7:ip routingかip default-gatewayか

複数VLAN間をルーティングするマルチレイヤスイッチ

なら、

ip routing

を確認します。

一方、

ルーティングを行わないレイヤ2スイッチ自身を
別サブネットから管理する

のであれば、

ip default-gateway

が確認対象になります。

パターン8:確認コマンド

SVIのIPアドレスと状態:

show ip interface brief

ルーティングテーブル:

show ip route

ホストからゲートウェイや宛先への到達確認:

ping <destination>

問題では、どの情報が不足しているのかを判断してコマンドを選びます。

29. まとめ

複数のVLANをマルチレイヤスイッチでVLAN間ルーティングする場合、それぞれのVLANに対応するSVIをレイヤ3インターフェースとして使用できます。

基本構成は、

VLAN 10
↓
Vlan10
192.168.10.1/24

        マルチレイヤスイッチ
            ip routing

VLAN 20
↑
Vlan20
192.168.20.1/24

という関係です。

各ホストは、自分と同じサブネットにあるSVIアドレスをデフォルトゲートウェイとして利用します。

SVIが利用可能になると、対応するネットワークはルーティングテーブル上で直接接続経路として確認できます。

VLAN間接続を判断するときは、

SVI
↓
IPアドレス
↓
ルーティング状態
↓
直接接続経路
↓
ホストのデフォルトゲートウェイ
↓
転送経路
↓
接続確認

の順に整理すると判断しやすくなります。

また、

管理SVI

が存在することと、

VLAN間ルーティング

が有効であることは同じ意味ではありません。

ルーティングを行わないスイッチ自身の管理接続では、

ip default-gateway

が使用される場合があります。

一方、マルチレイヤスイッチが複数ネットワーク間をルーティングするときは、

ip routing

とルーティングテーブルを中心に判断します。

理解確認

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