Cisco / CCNA 200-301 v2.0

試験項目 2.1.d · CCNA-053

SVI Troubleshooting

ドメイン 2 · Switching and Network Access · Configure Network Infrastructure Connectivity

1. このページのゴール

SVIがup/upにならない、またはVLAN間接続が成立しない場合にVLAN、SVI、レイヤ2経路、STP、IP・ルーティング状態を確認して修正・再確認できるようにする。

2. このページで学ぶこと

  • SVI VLANの存在とactive状態
  • SVIがadministratively downではないこと
  • SVIの稼働中レイヤ2ポート要件
  • SVI STP転送要件
  • SVIのアクセスポートまたはトランクポート経路
  • show vlan briefによるSVI関連VLANの確認
  • show interfaces vlan確認情報
  • show spanning-tree vlan確認情報
  • show interfaces trunkによるSVI経路の確認
  • SVIのIP・ルーティング修正後確認

3. SVIのトラブルシューティングの考え方

SVIのトラブルシューティングでは、最初からIPアドレスだけを変更するのではなく、

VLAN
↓
SVI
↓
レイヤ2経路
↓
STP
↓
IP・ルーティング

の順に状態を分けて確認します。

SVIは論理レイヤ3インターフェースですが、その動作状態は対応するVLANやレイヤ2側の状態とも関係します。

そのため、

interface Vlan30
 ip address 192.168.30.1 255.255.255.0
 no shutdown

という設定が存在するだけでは、SVIが実際に利用可能な状態とは限りません。

トラブルシューティングでは、

設定状態
と
表示状態
と
VLAN・レイヤ2経路
と
レイヤ3状態

を対応させて原因を絞り込みます。

4. 最初に症状を分類する

SVI関連の障害は、大きく次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。

A. SVI自体が正常な動作状態にならない

B. SVIはup/upだが通信できない

Aの場合は、VLAN、管理状態、レイヤ2ポート、STPなどを重点的に確認します。

Bの場合は、SVIのIPアドレスやプレフィックス、ホストのデフォルトゲートウェイ、ip routing、ルーティングテーブルなどレイヤ3側も確認します。

最初に、

show ip interface brief

などで現在のインターフェース状態を確認すると、その後の切り分け方向を決めやすくなります。

5. VLANが存在しactiveであるか確認する

SVIは特定のVLANに対応します。

たとえば、

interface Vlan30

はVLAN 30に対応するSVIです。

そのため、まずVLAN 30自体がスイッチ上に存在しているか確認します。

代表的なコマンドは、

show vlan brief

です。

例:

Switch# show vlan brief

VLAN Name                             Status    Ports
---- -------------------------------- --------- -------------------------------
1    default                          active    Gi1/0/1
10   USERS                            active    Gi1/0/2
20   SERVERS                          active    Gi1/0/3
30   VOICE                            active

この出力では、VLAN 30が存在し、

状態
→ active

であることを確認できます。

もし対象のVLANが一覧に存在しない場合、SVIだけを調べ続けるのではなく、VLAN側の設定を確認します。

6. VLANとSVIを別々に確認する

次の2つは別の設定です。

vlan 30

と、

interface Vlan30

です。

前者はVLANそのものを扱います。

後者は、そのVLANを表す論理レイヤ3インターフェースです。

したがってトラブルシューティングでは、

VLAN 30は存在するか

と、

Vlan30というSVIはどの状態か

を別々に確認します。

7. SVIがadministratively downではないか確認する

SVI自身がshutdownされている場合、そのインターフェースは管理設定によって無効になっています。

例:

interface Vlan30
 ip address 192.168.30.1 255.255.255.0
 shutdown

show ip interface briefでは、代表的に次のような表示になります。

Interface              IP-Address      OK? Method Status                Protocol
Vlan30                 192.168.30.1    YES manual administratively down down

ここで重要なのは、

administratively down

という表示です。

これはケーブルやSTPの状態を調べる前に、SVI自身の管理設定を確認すべきことを示しています。

設定を確認し、要件上インターフェースを有効にする必要があれば、

interface Vlan30
 no shutdown

とします。

8. no shutdownだけでSVIがup/upになるとは限らない

次の設定があったとします。

interface Vlan40
 ip address 192.168.40.1 255.255.255.0
 no shutdown

no shutdownはSVIの管理状態を有効にする設定です。

しかし、

no shutdown

だけを見て、

SVIはup/upになる

と判断しないようにします。

SVIの動作状態には、対応するVLANと、そのVLANを運ぶレイヤ2側の状態も関係します。

9. SVIと稼働中のレイヤ2ポート

一般的なCatalystのSVI動作では、対応するVLANについて利用可能なレイヤ2ポートが存在することが、SVIのライン状態を成立させるための重要な条件になります。

たとえばVLAN 40に対応するSVIがあり、

interface Vlan40
 ip address 192.168.40.1 255.255.255.0
 no shutdown

となっていても、VLAN 40を実際に運ぶレイヤ2経路が利用できなければ、期待した動作状態にならない場合があります。

ここでいうレイヤ2ポートは、

アクセスポート

の場合もあれば、

トランクポート

の場合もあります。

重要なのは、

対象VLANを運べる
と
リンクが利用可能

ということです。

10. アクセスポートがSVIのレイヤ2経路になる例

VLAN 40へ所属するアクセスポートがあり、そのポートがリンクアップしている場合を考えます。

概念的には、

ホスト
  |
  |
アクセスポート
VLAN 40
  |
  |
スイッチ
  |
Vlan40

という関係です。

この場合、アクセスポートはVLAN 40の有効なレイヤ2経路の一部になれます。

ここでは、

対象VLANを運ぶactiveなレイヤ2ポートが存在するか

という観点で確認します。

11. トランクポートもSVIのレイヤ2経路になれる

対象VLANが別スイッチ側にあり、そのVLANをトランクリンクで運んでいる場合もあります。

例:

SW1
Vlan50
  |
  |
トランク
VLAN 50
  |
  |
SW2
アクセスポート
  |
ホスト

この場合、SVIのレイヤ2経路として確認すべきなのは、

トランクがVLAN 50を実際に運んでいるか

です。

したがって、

SVIをupにするにはアクセスポートでなければならない

とは考えません。

アクセスポートでもトランクポートでも、対象VLANに対して利用可能なレイヤ2経路になり得ます。

12. STPのforwarding状態を確認する

物理リンクがupになっているだけで十分とは限りません。

スパニングツリープロトコル(STP)によって、そのVLANのポートが転送可能な状態かも確認します。

対象VLANについてSTP状態を確認する代表的なコマンドは、

show spanning-tree vlan <vlan-id>

です。

例:

Switch# show spanning-tree vlan 40

VLAN0040
  Spanning tree enabled protocol rapid-pvst

Interface        Role Sts Cost      Prio.Nbr Type
---------------- ---- --- --------- -------- --------------------------------
Gi1/0/10         Desg FWD 4         128.10   P2p

この例では、

Sts
→ FWD

なので、Gi1/0/10はVLAN 40についてforwarding状態です。

トラブルシューティングでは、

リンクアップ

だけではなく、

対象VLANでSTP転送か

まで確認します。

13. リンクアップとSTP転送を分ける

次の2つは同じ意味ではありません。

物理・リンク状態

と、

STP状態

です。

ポートのリンクがupになっていても、STP上で転送していない場合があります。

したがって、

ポートがup
↓
だからVLANトラフィックを転送できる

と即断しません。

確認順は、

リンク状態
↓
VLAN所属・トランク状態
↓
STP状態

のように分けて考えます。

14. show vlan briefで何を見るか

SVIのトラブルシューティングで、

show vlan brief

を使用するときは、単にコマンドを実行するだけではなく、何を確認するのかを明確にします。

主な確認点は、

対象VLANが存在するか
VLANの状態がactiveか
アクセスポートの場合、そのポートが対象VLANに所属しているか

です。

例:

VLAN Name                             Status    Ports
---- -------------------------------- --------- -------------------------------
40   USERS                            active    Gi1/0/10

この出力なら、

VLAN 40
→ 存在

状態
→ active

アクセスポート
→ Gi1/0/10

と読み取れます。

ただし、トランクで運ばれているVLANについては、show vlan briefだけでトランク経路全体を判断しないようにします。

15. show interfaces vlanでSVI自身を確認する

SVIそのものの詳細状態を確認するときは、代表的に、

show interfaces vlan <vlan-id>

を使用できます。

例:

Switch# show interfaces vlan 40
Vlan40 is up, line protocol is up
  Internet address is 192.168.40.1/24

ここでは、

管理状態・インターフェース状態
ラインプロトコル
IPアドレス

などを確認できます。

SVIが期待通り動作していない場合は、

VLAN側

だけではなく、

SVI自身

の情報も確認します。

16. show ip interface briefとの使い分け

複数SVIをまとめて確認したい場合は、

show ip interface brief

が便利です。

例:

Interface              IP-Address      OK? Method Status                Protocol
Vlan10                 192.168.10.1    YES manual up                    up
Vlan20                 192.168.20.1    YES manual up                    up
Vlan40                 192.168.40.1    YES manual down                  down

一方、特定のVLANインターフェースについて詳しく確認したい場合は、

show interfaces vlan 40

を使用できます。

整理すると、

目的 代表的なコマンド
複数SVIのアドレス・状態を一覧確認 show ip interface brief
特定SVIの詳細確認 show interfaces vlan <id>
VLANの存在・状態を確認 show vlan brief

17. show spanning-tree vlanで何を見るか

対象VLANのレイヤ2経路がSTP上で転送しているかを確認する場合、

show spanning-tree vlan 40

のようにVLANを指定します。

確認したい中心は、

対象VLANにどのポートが参加しているか

と、

そのポートのSTP状態が転送か

です。

SVIのトラブルシューティングでは、ルートブリッジ選出やポート役割選択そのものではなく、

SVIのレイヤ2経路が転送可能か

を確認するために利用します。

18. トランク経路はshow interfaces trunkで確認する

対象VLANがトランク経由で運ばれている場合は、

show interfaces trunk

を確認します。

代表的な出力では、

Vlans allowed on trunk
Vlans allowed and active in management domain
Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned

などの情報を確認できます。

たとえばVLAN 50を運ぶ必要があるトランクで、

Vlans allowed on trunk
10,20,30

となっている場合、VLAN 50はその許可VLANに含まれていません。

この場合、

トランクリンク自体はup

でも、

VLAN 50の経路としては利用できない

と判断できます。

19. トランクがupでも対象VLANを運んでいるとは限らない

次のような判断は避けます。

トランクインターフェースがup
↓
全VLANが通る

トランクではVLANごとの状態も確認します。

特に、

許可VLAN
active VLAN
STP転送

を対象VLANについて確認します。

SVIのトラブルシューティングでは、

トランク全体のリンク状態

と、

対象VLANのレイヤ2経路

を分けて考えることが重要です。

20. SVIがup/upになるまでの確認順

SVIが期待した動作状態にならない場合、次のような順番で確認できます。

1. 対象VLANは存在するか

2. VLANはactiveか

3. SVI自身がshutdownされていないか

4. 対象VLANを運ぶレイヤ2ポートが利用可能か

5. 対象VLANについてSTP転送か

6. トランクを使う場合、そのトランクが対象VLANを運んでいるか

7. 修正後にSVI状態を再確認する

この順番で確認すると、

VLANの問題
SVI自身の問題
レイヤ2経路の問題

を切り分けやすくなります。

21. シナリオ1:VLANが存在しない

設定:

interface Vlan30
 ip address 192.168.30.1 255.255.255.0
 no shutdown

しかし、

show vlan brief

にVLAN 30が存在しないとします。

この場合、

SVIにIPアドレスがある

という事実だけを見て正常とは判断しません。

まず、

VLAN 30がスイッチ上に存在するか

というレイヤ2側の基本条件を修正・確認します。

修正後は、

show vlan brief

と、

show ip interface brief

などを再確認します。

22. シナリオ2:SVIがadministratively down

出力:

Interface              IP-Address      OK? Method Status                Protocol
Vlan30                 192.168.30.1    YES manual administratively down down

ここでは、

administratively down

が直接の手掛かりです。

まずSVI設定を確認します。

show running-config interface vlan 30

たとえば、

interface Vlan30
 ip address 192.168.30.1 255.255.255.0
 shutdown

なら、要件に応じて、

interface Vlan30
 no shutdown

へ修正します。

このシナリオで最初からSTPルートブリッジを変更する必要はありません。

23. シナリオ3:VLANとSVIはあるがレイヤ2経路がない

次の条件を考えます。

VLAN 40
→ 存在・active

Vlan40
→ no shutdown

しかし、VLAN 40を運ぶアクセスポートもトランクポートも利用可能な状態ではないとします。

この場合、SVI自身の設定だけを変更し続けるのではなく、

VLAN 40を運ぶレイヤ2ポート

を確認します。

アクセスポートなら、

ポートがリンクアップしているか
VLAN 40に所属しているか

などを確認します。

トランクなら、

VLAN 40が許可されているか
VLAN 40がactiveか

などを確認します。

24. シナリオ4:ポートはupだがSTPを確認する必要がある

VLAN 50を運ぶポートがリンクアップしているとします。

しかし、SVIの動作状態やVLAN 50の接続に問題があります。

この場合、

show spanning-tree vlan 50

で対象VLANのSTP状態を確認します。

確認ポイントは、

VLAN 50について
そのポートが転送しているか

です。

リンク状態とSTP状態を別々に確認することで、レイヤ2経路を正しく評価できます。

25. シナリオ5:トランク経由のVLANだけ問題がある

構成:

SW1
Vlan60
  |
Gi1/0/48
  |
トランク
  |
SW2

トランクインターフェース自体はupですが、SW1のVlan60に問題があるとします。

show interfaces trunkで、

Port        Vlans allowed on trunk
Gi1/0/48    10,20,30

となっていれば、VLAN 60が許可一覧にありません。

この場合、

トランクはupしている

ことと、

VLAN 60を運べる

ことは別だと判断します。

対象VLANについてトランク経路を修正したあと、再度、

show interfaces trunk

とSVI状態を確認します。

26. SVIがup/upでも通信できない場合

SVIが、

状態
→ up

プロトコル
→ up

になったとしても、それだけでVLAN間接続全体が正常とは限りません。

ここからはレイヤ3側を確認します。

代表的な確認対象は、

SVIのIPアドレス
サブネットマスク・プレフィックス
ホストのデフォルトゲートウェイ
ip routing
ルーティングテーブル

です。

27. IPアドレスとプレフィックスを確認する

たとえば、

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0

と、

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0

を想定しているのに、実際にはVlan20が、

192.168.2.1/24

となっていればアドレス設定要件と一致しません。

SVIがup/upでも、

IPアドレス
と
プレフィックス

が正しいかを確認します。

28. ホストのデフォルトゲートウェイを確認する

VLAN 10のホストが、

IPアドレス
192.168.10.100/24

なら、そのネットワーク設計でSVIがゲートウェイとして、

192.168.10.1

を持っている場合、ホスト側デフォルトゲートウェイもそのアドレスと対応している必要があります。

ホスト側が、

デフォルトゲートウェイ
192.168.20.1

となっていれば、別サブネットのゲートウェイを指定しているため適切ではありません。

スイッチだけではなくホスト側アドレス設定も確認します。

29. ip routingを確認する

複数SVI間でマルチレイヤスイッチ自身がルーティングする設計なら、デバイスのルーティング状態も確認します。

代表的には、

show running-config

などで、

ip routing

が設定されているか確認できます。

SVIが2つともup/upでも、デバイスが期待したレイヤ3ルーティング動作をしていなければVLAN間通信は成立しません。

30. ルーティングテーブルを確認する

ルーティング状態を確認したら、

show ip route

でデバイスがネットワークをどのように認識しているか確認します。

例:

C    192.168.10.0/24 is directly connected, Vlan10
L    192.168.10.1/32 is directly connected, Vlan10
C    192.168.20.0/24 is directly connected, Vlan20
L    192.168.20.1/32 is directly connected, Vlan20

この出力では、

192.168.10.0/24
→ Vlan10

192.168.20.0/24
→ Vlan20

という直接接続経路を確認できます。

SVIがup/upでも宛先ネットワークへの経路が期待通り存在するかを確認します。

31. pingで修正後を確認する

設定を修正したら、修正しただけで終了しません。

再度、

show vlan brief
show ip interface brief
show interfaces vlan <id>
show spanning-tree vlan <id>
show interfaces trunk
show ip route

などから、修正箇所に応じた状態を確認します。

そのうえで、

ping <gateway>

や、

ping <destination>

を使用して接続を再試験します。

トラブルシューティングでは、

原因を推測
↓
修正

だけではなく、

修正
↓
動作状態再確認
↓
接続再試験

まで行う考え方が重要です。

32. コマンドを症状に合わせて選ぶ

SVIのトラブルシューティングで使用する代表的なコマンドを整理します。

確認対象 代表的なコマンド 主な確認内容
VLAN show vlan brief VLANの存在、状態、アクセスポート所属
SVI一覧 show ip interface brief IPアドレス、状態、プロトコル
特定SVI show interfaces vlan <id> SVIのインターフェース・ラインプロトコル・アドレス
STP show spanning-tree vlan <id> 対象VLANのポートとforwarding状態
トランク show interfaces trunk 許可・active VLAN、転送対象
ルーティング show ip route 直接接続経路、宛先経路
接続 ping <destination> 到達性

問題ではコマンド名そのものより、

今どの条件を確認したいのか

から適切なコマンドを選びます。

33. トラブルシューティング手順

SVIが正常に動作しない場合は、次のような流れで考えます。

show ip interface brief
↓
症状を確認

show vlan brief
↓
VLANの存在・activeを確認

SVI設定・show interfaces vlan
↓
管理状態とSVI自身を確認

レイヤ2ポート
↓
対象VLANを運ぶactiveな経路を確認

show spanning-tree vlan
↓
対象VLANで転送か確認

show interfaces trunk
↓
トランク利用時は対象VLANの通過状態を確認

SVIがup/up
↓
IP・プレフィックス・ホストゲートウェイ・ip routing・経路を確認

修正
↓
再度showコマンドで確認
↓
ping等で再試験

この順序を使うと、レイヤ2とレイヤ3を混同しにくくなります。

34. よくある誤り

SVIのIPアドレスだけを変更する

SVIがdownになっている原因が、

VLAN不存在

や、

有効なレイヤ2経路がない

ことであれば、IPアドレスだけを変更しても原因に対応していません。

no shutdownだけで解決すると考える

administratively downならno shutdownは重要です。

しかし管理状態が有効でも、VLANやレイヤ2経路側の条件が成立していない場合があります。

物理リンクがupだけを見る

リンクアップだけではなく、

VLAN所属
トランクの許可VLAN・active状態
STP転送

など対象VLANの状態を確認します。

トランクがupなら全VLANが通ると考える

トランクインターフェースのup/downと、特定VLANがそのトランクを通過できるかは別です。

対象VLANが許可され、必要な状態になっているか確認します。

SVIがup/upならレイヤ3設定も正しいと考える

SVIがup/upでも、

IPアドレス
プレフィックス
ホストゲートウェイ
ip routing
経路

に問題が残る場合があります。

レイヤ2側の成立とレイヤ3接続を分けて確認します。

STPルートブリッジを最初に変更する

SVI障害だからといって、すぐにルート優先度などSTP設計を変更するのは適切な切り分けではありません。

まずは、

対象VLANのポートが転送可能か

を確認し、SVI障害の切り分けに利用します。

35. 問題での判断パターン

パターン1:VLANとSVIの基本条件

症状:

interface Vlan30がDown

最初に確認する候補:

VLAN 30が存在しactiveか
と
Vlan30がshutdownされていないか

VLAN側とSVI側を分けて確認します。

パターン2:VLANとSVIは正常だがライン状態が上がらない

条件:

VLAN 40
→ 存在・active

Vlan40
→ no shutdown

次に確認:

VLAN 40を運ぶactiveなレイヤ2ポート
と
STPのforwarding状態

SVI設定だけを変更し続けないようにします。

パターン3:トランク経由のSVI経路

条件:

対象VLANはトランク経由でのみ到達可能

確認:

show interfaces trunk

から、

対象VLANが許可されているか
対象VLANがactiveか
対象VLANが転送可能か

を確認します。

パターン4:VLANとSVIを別々に確認するコマンド

VLANの存在状態:

show vlan brief

SVI自身:

show interfaces vlan <id>

問題が、

VLAN側
と
SVI側

の両方を確認するよう要求しているなら、この2つを対応させます。

パターン5:SVIはup/upだがVLAN間通信できない

次の段階では、

IPアドレス・プレフィックス
↓
ホストのデフォルトゲートウェイ
↓
ip routing
↓
ルーティングテーブル
↓
接続再確認

を調べます。

SVIがup/upであることだけを理由に、レイヤ3設定まで正常と断定しません。

36. シナリオ:段階的に原因を絞る

症状:

PC-A
192.168.10.10/24
ゲートウェイ 192.168.10.1

PC-B
192.168.20.20/24
ゲートウェイ 192.168.20.1

PC-AからPC-Bへ通信できない

マルチレイヤスイッチ:

interface Vlan10
 ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
 no shutdown

interface Vlan20
 ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
 no shutdown

ip routing

まず、

show ip interface brief

を確認します。

もしVlan20がdownなら、IPルーティングより前に、

show vlan brief
show interfaces vlan 20
show spanning-tree vlan 20

そしてトランク構成なら、

show interfaces trunk

を確認します。

Vlan20がup/upになったあとも通信できない場合は、

192.168.20.1/24が正しいか
PC-Bのゲートウェイが192.168.20.1か
ip routingが期待通りか
show ip routeに192.168.20.0/24があるか

を確認します。

修正後は、

ping 192.168.20.1

やエンドツーエンドのpingなどで再試験します。

このように、

SVIのup条件

と、

VLAN間レイヤ3条件

を段階的に分けることが重要です。

37. まとめ

SVIのトラブルシューティングでは、SVIだけを見るのではなく、

VLAN
↓
SVI管理状態
↓
稼働中のレイヤ2ポート
↓
STP転送
↓
アクセス・トランク経路
↓
IP・ルーティング

を順に確認します。

代表的なコマンドは、

show vlan brief
show ip interface brief
show interfaces vlan <id>
show spanning-tree vlan <id>
show interfaces trunk
show ip route

です。

SVIが正常な動作状態にならない場合は、

VLANが存在しactiveか
SVIがadministratively downではないか
対象VLANを運ぶactiveなレイヤ2経路があるか
対象VLANでSTP転送か

を確認します。

SVIがup/upになったあとも通信できない場合は、

SVIのIPアドレス・プレフィックス
ホストのデフォルトゲートウェイ
ip routing
ルーティングテーブル

まで確認します。

修正したあとは、

設定修正
↓
動作状態再確認
↓
接続再試験

まで実施して、問題が解消したことを確認します。

理解確認

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