Cisco / CCNA 200-301 v2.0

試験項目 2.2.b · CCNA-057

Wireless Access Point Connectivity

ドメイン 2 · Switching and Network Access · Edge Host Layer 2 Switch Port Configuration

1. このページのゴール

スタンドアロン・コントローラベースAPのスイッチングモードとVLAN要件からアクセス・トランク、ネイティブVLAN・許可VLAN、PoEを選択・整合できるようにする。

2. このページで学ぶこと

  • APアップリンク要件
  • コントローラベースAPの中央スイッチング
  • スタンドアロンAPの単一VLANアクセス
  • スタンドアロンAPの複数VLANトランク
  • FlexConnectローカルスイッチング
  • APの複数VLANトランク要件
  • APのVLANマッピング
  • APのネイティブVLAN整合
  • APの許可VLAN整合
  • APのPoE要件
  • APとスイッチ設定整合
  • APエッジの確認

3. APアップリンクは機器名だけでアクセス・トランクを決めない

無線アクセスポイント(AP)をスイッチへ接続するとき、

APだからトランクポート

または、

APだからアクセスポート

と固定的に判断するのは適切ではありません。

最初に確認するのは、APとスイッチの間のアップリンクで実際にどのトラフィックとVLANを運ぶ必要があるかです。

基本的な判断は、

APの動作方式
↓
クライアントトラフィックをどこでスイッチングするか
↓
APアップリンクで運ぶVLAN数
↓
アクセス・トランクを決定
↓
ネイティブ・許可VLANを整合
↓
PoE要件を確認

という流れになります。

4. APアップリンクで確認する要件

AP接続を考えるときは、少なくとも次の情報を分けて確認します。

AP管理トラフィック

クライアントトラフィック

クライアントトラフィックのスイッチング位置

APアップリンクで必要なVLAN

タグ付き・タグなしの要件

PoE要件

特に重要なのは、

SSIDが複数ある
=
スイッチポートも必ず複数VLANトランク

ではないことです。

クライアントトラフィックをAPから直接ローカルLANへ出すのか、それともコントローラへトンネルするのかによって、APアップリンクのVLAN要件は変わります。

5. コントローラベースAPと中央スイッチング

コントローラベース無線では、APと無線LANコントローラ(WLC)が連携して動作する構成があります。

中央スイッチングでは、無線クライアントトラフィックをAPからローカルVLANへ直接ブリッジするのではなく、コントローラ側へ運び、コントローラ側でクライアントトラフィックをネットワークへ転送する設計があります。

概念的には、

無線クライアント
      |
      ↓
     AP
      |
      | CAPWAP
      ↓
    ネットワーク
      |
      ↓
     WLC
      |
      ↓
クライアントVLANとネットワーク

となります。

このとき、クライアントが複数SSIDや複数クライアントVLANを使用しているからといって、

APのスイッチアップリンクで
そのすべてのクライアントVLANを
直接802.1Qトランクする

とは限りません。

6. 中央スイッチングではクライアントVLANがAPアップリンクへ直接現れるとは限らない

たとえば無線クライアントが、

SSID: EMPLOYEE
クライアントVLAN: 20

を利用しているとします。

中央スイッチングでは、そのクライアントトラフィックがAPからコントローラへトンネルされる設計があり、

AP
↓
ローカルスイッチ
↓
VLAN 20を直接ブリッジ

という構成とは限りません。

したがって問題文に、

コントローラベース
中央スイッチング

とある場合は、

クライアントVLANがAPアップリンクで
ローカルVLANとして直接必要なのか

を確認します。

中央スイッチングという名称だけでスイッチポートをトランクに決めないことが重要です。

7. コントローラベースAPでもアップリンク要件を確認する

中央スイッチング構成でも、AP自身がネットワークへ接続するための管理接続性は必要です。

そのためAPアップリンクには、

AP管理・CAPWAP接続性

に必要なネットワーク要件があります。

設計によってはスイッチ側ポートを単一VLANのアクセスポートとして接続する構成が成立します。

つまり、

コントローラベースAP
↓
必ずトランク

ではありません。

判断基準は、

APアップリンクでスイッチ側へ直接運ぶ必要があるVLAN

です。

8. スタンドアロンAPで単一VLANを扱う場合

スタンドアロンAPが1つのタグなしVLANだけをEthernetアップリンクで扱う設計を考えます。

例:

SSID
EMPLOYEE

ネットワーク
VLAN 20

APアップリンク
1つのタグなしVLAN

この場合、スイッチ側ではアクセスポートが成立し得ます。

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport
 switchport mode access
 switchport access vlan 20

概念的には、

無線クライアント
      |
     SSID
      |
     AP
      |
      | タグなし
      |
アクセスポート
VLAN 20
      |
    スイッチ

です。

9. スタンドアロンAPで複数VLANを扱う場合

次に、スタンドアロンAPで複数SSIDを異なるVLANへマッピングするとします。

SSID EMPLOYEE
→ VLAN 20

SSID GUEST
→ VLAN 30

両方のクライアントVLANを同じEthernetアップリンクからスイッチへ送る必要があります。

この場合、

VLAN 20
と
VLAN 30

を同じ物理リンクで識別して運ぶ必要があるため、802.1Qトランクが必要になります。

スイッチ側の代表例:

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport
 switchport mode trunk
 switchport trunk allowed vlan 20,30

AP側でもSSIDとWLANとVLANのマッピングがスイッチ側設計と対応している必要があります。

10. アクセスとトランクの判断基準

AP接続では、次のように整理できます。

APアップリンク要件 スイッチポートの方向性
1つのタグなしVLANだけを直接運ぶ アクセスが成立し得る
複数VLANを同じアップリンクで直接運ぶ トランクが必要
クライアントトラフィックを中央スイッチング クライアントVLAN数だけでトランクと決めない
FlexConnectローカルスイッチングで複数ローカルVLAN トランクが必要

重要なのは、

APの種類

だけではなく、

アップリンクで直接運ぶVLAN

を確認することです。

11. FlexConnectローカルスイッチング

コントローラベースAPでも、FlexConnectを使用してクライアントトラフィックをAPからローカルネットワークへ直接スイッチングする構成があります。

概念的には、

無線クライアント
      |
      ↓
FlexConnect AP
      |
      | ローカルスイッチング
      ↓
ローカルスイッチ・VLAN

です。

中央スイッチングとは、クライアントトラフィックをネットワークへ出す場所が異なります。

中央スイッチング
→ クライアントトラフィックをコントローラ側でスイッチング

FlexConnectローカルスイッチング
→ クライアントトラフィックをAP側サイトでローカルネットワークへスイッチング

この違いはAPアップリンクのVLAN要件へ直接影響します。

12. FlexConnectで複数ローカルVLANを使う場合

たとえば、

SSID EMPLOYEE
→ ローカルVLAN 20

SSID GUEST
→ ローカルVLAN 30

をFlexConnectローカルスイッチングで処理するとします。

同じAPアップリンクで、

VLAN 20
VLAN 30

の両方をローカルスイッチへ渡す必要があります。

そのためスイッチポートは、複数VLANを運べる802.1Qトランクとして構成する必要があります。

代表例:

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport
 switchport mode trunk
 switchport trunk allowed vlan 20,30

実際の設計ではAP管理用VLANなどが追加される場合があるため、許可VLANは要件に合わせて決定します。

13. AP側VLANマッピングを確認する

トランクを設定するだけでは、無線クライアントを正しいVLANへ収容できるとは限りません。

APまたは無線ポリシー側では、

どのWLAN・SSIDを
どのローカルVLANへ対応付けるか

というマッピングがあります。

例:

SSID EMPLOYEE
→ VLAN 20

SSID GUEST
→ VLAN 30

スイッチ側では、そのマッピングに対応して、

VLAN 20
VLAN 30

をAPアップリンクで利用できるようにする必要があります。

14. AP側とスイッチ側のVLAN番号を対応させる

次の状態を考えます。

AP側:

EMPLOYEE
→ VLAN 20

GUEST
→ VLAN 30

スイッチ側:

switchport trunk allowed vlan 20,40

この場合、

VLAN 20
→ APとスイッチとも利用可能

VLAN 30
→ AP側では使用するが
   スイッチトランクでは許可されていない

という不一致があります。

したがって、

APマッピング
と
スイッチトランク

をセットで確認します。

15. 許可VLANを確認する

トランクポートでは、

switchport trunk allowed vlan

によって、そのトランク上で許可するVLANを制御できます。

例:

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport mode trunk
 switchport trunk allowed vlan 10,20,30

この場合、スイッチ側ではVLAN 10、20、30をトランクで許可しています。

APがローカルスイッチングで、

クライアントVLAN 20
クライアントVLAN 30

を使用するなら、それらのVLANが許可VLANリストに含まれていることを確認します。

16. トランクだから全VLANを運べるとは限らない

次のような判断は避けます。

動作モード = trunk
↓
必要なクライアントVLANも通る

トランクモードと許可VLANは別の確認項目です。

たとえば、

Operational Mode: trunk

でも、

Vlans allowed on trunk
10,20

となっている場合、VLAN 30はそのトランクで許可されていません。

したがって、

トランクか
と
必要VLANが許可されているか

を確認します。

17. show interfaces trunk

トランクの状態を確認する代表的なコマンドは、

show interfaces trunk

です。

出力ではプラットフォームによって表示差がありますが、代表的に、

ポート

モード

カプセル化方式

状態

ネイティブVLAN

トランクで許可されたVLAN

許可されてアクティブなVLAN

STPで転送状態にあるVLAN

などを確認できます。

AP接続では特に、

対象インターフェースがトランクか

ネイティブVLANは何か

必要なクライアントVLANが許可されているか

を確認します。

18. ネイティブVLAN

802.1QトランクではネイティブVLANという概念があります。

代表的なCisco構成では、

switchport trunk native vlan 10

のように指定します。

ネイティブVLANに属するトラフィックは、通常の802.1Qトランク上でタグなしとして扱われるトラフィックと関連します。

AP側が、

管理・ネイティブVLAN
→ 10

を前提としている設計なら、スイッチ側も同じ意味になるよう整合させる必要があります。

19. ネイティブVLANは両端で意味を合わせる

たとえば、

AP側
ネイティブVLAN = 10

に対して、

スイッチ側
ネイティブVLAN = 20

なら、両端でネイティブVLANの解釈が一致していません。

スイッチ側が要件上VLAN 10をネイティブVLANとする必要があるなら、

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport mode trunk
 switchport trunk native vlan 10

のように設定します。

判断のポイントは、

AP側ネイティブVLAN
=
スイッチ側ネイティブVLAN

という整合性です。

20. ネイティブVLANと許可VLANは別の設定

次の2つを混同しないようにします。

switchport trunk native vlan 10

と、

switchport trunk allowed vlan 10,20,30

です。

前者はネイティブVLANを指定します。

後者はトランクで許可するVLANを指定します。

つまり、

ネイティブVLAN

と、

許可VLANリスト

は別々に確認します。

21. AP管理VLANとクライアントVLAN

APアップリンクでは、

AP自身の管理トラフィック

と、

無線クライアントトラフィック

を分けて考える必要があります。

たとえば設計が、

AP管理
→ VLAN 10

従業員クライアント
→ VLAN 20

ゲストクライアント
→ VLAN 30

だとします。

ローカルスイッチングでこれらを同じトランクから扱う設計なら、

VLAN 10
VLAN 20
VLAN 30

についてAP側とスイッチ側を整合させます。

ただし、管理VLANが常にネイティブVLANになると決めつけてはいけません。

問題文やAP側設定で、

ネイティブ・タグなし

として扱うVLANがどれなのかを確認します。

22. 中央スイッチングとローカルスイッチングを比較する

項目 中央スイッチング ローカルスイッチング
クライアントトラフィックの主な転送位置 コントローラ側 APのローカルサイト側
クライアントVLANがAPアップリンクへ直接必要か 必ずしも必要ではない ローカルVLANとして必要
複数SSIDだけでトランクと判断できるか できない 複数ローカルVLANならトランクが必要
確認の中心 APとWLCのトラフィックモード APのVLANマッピングとスイッチトランク

したがって、

SSID数

だけではポート種別を決定できません。

23. スタンドアロンAPとコントローラベースAPを比較する

スタンドアロンAPでは、AP自身が無線クライアントトラフィックをローカルEthernet側へブリッジする構成を考えます。

そのため、

単一タグなしVLAN
→ アクセスが成立し得る

複数VLAN
→ トランク

という判断が比較的直接的です。

コントローラベースAPでは、

中央スイッチング

なのか、

FlexConnectローカルスイッチング

なのかによってAPアップリンク要件が変わります。

したがって、

スタンドアロン・コントローラベース
と
スイッチングモード
と
VLAN要件

を組み合わせて判断します。

24. APのPoE要件

無線APはPoEで給電される構成が多くありますが、

APだからPoEは必ず正常

とは判断できません。

APがEthernet経由で受電する要件なら、

VLAN設定

とは別に、

PoE設定
PoE動作状態
利用可能電力

を確認します。

代表的なコマンドは、

show power inline

です。

25. VLANが正しくてもAPが起動しない場合

次のスイッチポート設定を考えます。

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport mode trunk
 switchport trunk native vlan 10
 switchport trunk allowed vlan 10,20,30
 power inline auto

VLAN設定が要件と一致していても、AP自体が起動していない場合、

トランク設定

だけを繰り返し確認しても原因を特定できない可能性があります。

APがPoE受電を必要とするなら、

show power inline

を使用して、

PD検出

動作電力状態

電力割り当て

などを確認します。

26. AP側とスイッチ側を一体で照合する

AP接続性では、スイッチ側だけ見て正常と判断しないことが重要です。

たとえば、

スイッチ側
ネイティブVLAN = 10
許可VLAN = 10,20,30

でも、AP側が、

管理ネイティブVLAN = 99
クライアントVLAN = 20,30

を期待しているならネイティブVLANが一致していません。

逆にAP側で、

クライアントVLAN 40

を使用しているのにスイッチ側許可VLANが、

10,20,30

だけなら、VLAN 40はアップリンクを通過できません。

つまり、

AP設定
↔
スイッチポート設定

を対応させて確認します。

27. show interfaces switchport

APアップリンクのポートモードやVLAN関連状態を確認する場合、

show interfaces <interface> switchport

を使用できます。

代表的に確認するのは、

管理モード

動作モード

アクセスモードVLAN

トランキングネイティブモードVLAN

などです。

たとえば、

Administrative Mode: trunk
Operational Mode: trunk
Trunking Native Mode VLAN: 10

なら、

設定済みモード
→ trunk

動作モード
→ trunk

ネイティブVLAN
→ 10

と読み取れます。

28. show interfaces trunk

APアップリンクで複数VLANを運ぶ場合は、

show interfaces trunk

も重要です。

確認する中心は、

ポートがトランクとして動作しているか

ネイティブVLAN

許可VLAN

アクティブVLAN

STPで転送可能なVLAN

です。

たとえば、

Port        Vlans allowed on trunk
Gi1/0/10    10,20,30

なら、スイッチ側許可VLANリストにはVLAN 10、20、30が含まれています。

APがVLAN 40もローカルスイッチングする要件なら、不一致があります。

29. show power inline

APの電力要件を確認するときは、

show power inline

を使用します。

VLAN確認とは目的が異なります。

show interfaces switchport
→ ポートモード・VLAN

show interfaces trunk
→ トランク・ネイティブ・許可VLAN

show power inline
→ PoE

という使い分けです。

30. 確認を1つのコマンドで終えない

APアップリンクでは、要件によって確認コマンドを組み合わせます。

確認対象 代表的なコマンド
アクセス・トランクモード show interfaces <interface> switchport
ネイティブVLAN show interfaces <interface> switchport・show interfaces trunk
許可VLAN show interfaces trunk
VLAN状態 show vlan brief
PoE show power inline

問題文で、

APはローカルVLAN 20と30をトランクで運び、PoE受電する

とあるなら、

トランク状態
許可VLAN
PoE状態

をそれぞれ確認します。

31. シナリオ1:コントローラベースAPの中央スイッチング

要件:

コントローラベースAP

クライアントトラフィック:
中央スイッチング

APアップリンク:
管理・CAPWAP接続性を提供

この場合、

無線クライアントが複数VLANを利用する

という情報だけから、

スイッチポートをクライアントVLAN全部のトランクにする

とは判断しません。

まず、

クライアントVLANをAPアップリンクで
ローカルVLANとして直接運ぶ必要があるか

を確認します。

中央スイッチングではクライアントトラフィックがコントローラ側へトンネルされるため、APアップリンクに複数クライアントVLANのローカルトランクが不要な設計が成立します。

32. シナリオ2:スタンドアロンAPの単一VLAN

要件:

スタンドアロンAP

SSID:
EMPLOYEE

クライアントネットワーク:
VLAN 20

APアップリンク:
1つのタグなしVLANのみ

判断:

単一タグなしVLAN
↓
アクセスポートが成立し得る

スイッチ側:

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport
 switchport mode access
 switchport access vlan 20

です。

33. シナリオ3:スタンドアロンAPの複数VLAN

要件:

スタンドアロンAP

SSID EMPLOYEE
→ VLAN 20

SSID GUEST
→ VLAN 30

同じAPアップリンクから両VLANを運ぶ

判断:

複数VLAN
と
同一物理アップリンク
↓
802.1Qトランク

代表的なスイッチ設定:

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport
 switchport mode trunk
 switchport trunk allowed vlan 20,30

です。

34. シナリオ4:FlexConnectローカルスイッチング

要件:

FlexConnect AP

EMPLOYEE
→ ローカルVLAN 20

GUEST
→ ローカルVLAN 30

クライアントトラフィックはAPからローカルLANへ直接転送

この場合、

VLAN 20
と
VLAN 30

を同じAPアップリンクからローカルスイッチへ運ぶため、トランクが必要です。

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport mode trunk
 switchport trunk allowed vlan 20,30

のようなスイッチポート設定が要件に対応します。

35. シナリオ5:ネイティブVLANの不一致

AP側:

管理・ネイティブVLAN
→ 10

スイッチ側:

interface GigabitEthernet1/0/10
 switchport mode trunk
 switchport trunk native vlan 99
 switchport trunk allowed vlan 10,20,30,99

この場合、

APネイティブVLAN
→ 10

スイッチネイティブVLAN
→ 99

で意味が一致していません。

問題文の設計上VLAN 10をネイティブとして使用するなら、スイッチ側もVLAN 10へ整合させます。

36. シナリオ6:許可VLAN不足

AP側:

ローカルクライアントVLAN
→ 20
→ 30

スイッチ側:

switchport trunk allowed vlan 10,20

この場合、VLAN 30がスイッチ側トランクの許可VLANリストに含まれていません。

修正方針は、

AP側マッピングを確認
↓
必要なVLAN 30を特定
↓
スイッチトランクでもVLAN 30を許可

です。

ネイティブVLANだけを変更して代用する問題ではありません。

37. シナリオ7:VLANは正しいがAPが起動しない

スイッチポート:

Administrative Mode: trunk
Operational Mode: trunk
ネイティブVLAN: 10

許可VLAN:
10,20,30

AP側VLAN要件も一致しています。

しかしAP自体が起動していません。

APがPoE受電を必要とする機種なら、次に、

show power inline

を確認します。

ここでは、

VLAN設定

と、

電力要件

を分離して切り分けます。

38. よくある誤り

APなら必ずトランクだと考える

中央スイッチングや単一タグなしVLANのスタンドアロンAPなど、アクセスポートが成立する構成があります。

APアップリンクが直接運ぶVLAN要件を確認します。

APなら必ずアクセスポートだと考える

スタンドアロンAPやFlexConnectローカルスイッチングで複数VLANを同一アップリンクから運ぶ場合はトランクが必要です。

SSID数とスイッチポートVLAN数を同じと考える

中央スイッチングでは複数SSIDとクライアントVLANが存在しても、それらがAPアップリンクでローカルVLANとして直接運ばれるとは限りません。

スイッチング位置を確認します。

トランクなら必要なVLANも通ると考える

動作モードがトランクでも、許可VLANリストに必要なVLANが含まれているかは別途確認します。

ネイティブVLANと許可VLANを混同する

ネイティブVLANはトランク上でネイティブとして扱うVLANです。

許可VLANはトランクで通過を許可するVLANのリストです。

役割を分けて確認します。

AP側だけ、またはスイッチ側だけを見る

APのVLANマッピングとスイッチ側のネイティブVLAN・許可VLANが一致している必要があります。

双方を対応させます。

VLANが正常ならAPも正常と考える

APがPoE受電を必要とする場合は、電力状態も別途確認します。

39. 問題での判断パターン

パターン1:APアップリンク種別を選ぶ

問題文:

APアップリンクで実際に運ぶVLANは1つだけ
タグなしで扱う

判断:

アクセスポートが成立し得る

複数ローカルVLANを運ぶなら、

トランク

を検討します。

パターン2:中央スイッチング

条件:

コントローラベースAP
クライアントトラフィック = 中央スイッチング

判断:

SSID数だけでトランクと決めない
↓
APアップリンクが実際に必要とするVLANを確認

です。

パターン3:スタンドアロンAP

条件:

AP-A
→ 1つのタグなしVLAN

AP-B
→ VLAN 20と30

判断:

AP-A
→ アクセスが成立し得る

AP-B
→ トランク

です。

パターン4:FlexConnectローカルスイッチング

条件:

ローカルVLAN 20
ローカルVLAN 30
同じAPアップリンク

判断:

802.1Qトランク

です。

パターン5:APのVLANマッピング

AP側:

EMPLOYEE
→ VLAN 20

スイッチ側でも、

VLAN 20をAPアップリンクで利用できる

ことを確認します。

ローカルスイッチングでは、APとスイッチのVLAN設計を対応させます。

パターン6:ネイティブVLAN

AP側:

ネイティブVLAN 10

スイッチ側:

ネイティブVLAN 99

判断:

ネイティブVLAN不一致

です。

設計要件に合わせて両端を整合させます。

パターン7:許可VLAN

AP:

ローカルVLAN 30を送出

スイッチ:

許可VLAN
10,20

判断:

VLAN 30が許可されていない

です。

パターン8:PoE

条件:

AP VLAN設定
→ 正常

AP
→ 起動しない

電力要件
→ PoE

次の確認候補:

show power inline

です。

40. APエッジの確認手順

AP接続では、次の順序で整理できます。

AP種別・スイッチングモード
↓
クライアントトラフィックのスイッチング位置
↓
APアップリンクで直接必要なVLANを特定
↓
アクセス・トランクを選択
↓
AP側VLANマッピングを確認
↓
ネイティブVLANを整合
↓
許可VLANを整合
↓
PoE要件を確認
↓
スイッチ側動作状態を確認

代表的な確認コマンドは、

show interfaces <interface> switchport
show interfaces trunk
show vlan brief
show power inline

です。

どのコマンドを使用するかは、確認したい要件によって選択します。

41. まとめ

無線APをスイッチへ接続するときは、

AP
=
アクセス

または、

AP
=
トランク

と機器名だけで判断しません。

最初に、

スタンドアロン・コントローラベース
↓
中央・ローカルスイッチング
↓
APアップリンクで直接運ぶVLAN

を確認します。

スタンドアロンAPで単一タグなしVLANのみを扱うなら、アクセスポートが成立し得ます。

スタンドアロンAPやFlexConnectローカルスイッチングで複数ローカルVLANを同じアップリンクから運ぶ場合は、802.1Qトランクが必要です。

トランク構成では、

APのVLANマッピング
↓
ネイティブVLAN
↓
許可VLAN

をスイッチ側設定と整合させます。

また、APがPoE受電を必要とする場合は、

VLAN要件

とは別に、

PoE要件

を確認します。

最終的には、

AP側要件
↓
スイッチングモード
↓
アクセス・トランク
↓
VLANマッピング
↓
ネイティブ・許可VLAN
↓
PoE
↓
動作確認

という順序で確認すると、APの機器名だけに引きずられず、設計要件から適切なスイッチポート設定を判断できます。

理解確認

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