試験項目 2.2 · CCNA-061
Edge Host VLAN / PoE / Port-Channel / LACP総合設定
ドメイン 2 · Switching and Network Access · Edge Host Layer 2 Switch Port Configuration
このページのゴール
エッジに接続する機器の名称だけでポート属性を決めず、各アップリンクが運ぶVLAN数、802.1Qタグ付け、PoE給電、リンク集約、LACP対応可否、音声VLANとデータVLANの要件へ分解し、スイッチ側の設定へ一貫して落とし込めるようにします。
単一VLANのPC、PoE受電するAP、IP電話とPCの共用ポート、複数VLANを運ぶAP、LACPで束ねるネットワークアプライアンスなど、複数の要件が同時に存在する場面でも、設定項目を混同せず判断できることを目標にします。
このページで学ぶこと
- 機器名ではなく接続要件へ分解する方法
- 物理アップリンクまたはPort-Channelが運ぶVLAN数の数え方
- アクセスポートとトランクの選択
- トランク時のネイティブVLANと許可VLANの整合
- PoE給電要件をVLAN要件と分けて判断する方法
- 複数リンクをPort-Channelへ集約する必要性の判断
- LACPを使う前の同一論理ピア確認
- LACPのactiveとpassiveの組み合わせ
- IP電話とPCでデータVLANと音声VLANを分離する方法
- VLAN、PoE、Port-Channel、LACPを同時に構成する考え方
- 変更した機能に対応する
showコマンドで実状態を確認する方法
最初に機器名を設定へ変換しない
「APだからトランク」「IP電話だからPoE」「ネットワークアプライアンスだからLACP」のように、機器名だけで設定を決めると誤ります。
同じ種類の機器でも、接続方式によって必要なスイッチ設定は変わります。
機器名
↓
すぐ設定を決める
ではなく、次の順序で分解します。
各アップリンクが運ぶVLAN数
↓
タグ付き・タグなしの扱い
↓
PoE受電要否
↓
複数リンクを1つへ束ねる要否
↓
LACP対応可否とモード
↓
音声VLANとデータVLANの要否
↓
スイッチ側設定
↓
実状態確認
接続要件は独立した軸へ分ける
1つのエッジポートには複数の属性が同時に存在します。
たとえば、PoE受電するAPが3つのVLANを運ぶ場合、少なくとも次の2軸があります。
VLAN軸
→ 複数VLAN
→ トランク候補
電力軸
→ Ethernet経由で受電
→ PoE給電が必要
トランク設定が正しくてもPoEが無効ならAPが起動しない可能性があります。反対にPoE給電が正常でも、許可VLANが不足していれば特定VLANの通信要件は満たせません。
まず対象となる論理リンク単位を決める
VLAN数を数える前に、何を1つのリンクとして判断するかを決めます。
単独の物理ポートなら、その物理ポートが運ぶVLANを確認します。
Gi1/0/10
→ 単独アップリンク
→ この1本が運ぶVLANを確認
複数物理リンクをPort-Channelとして束ねる設計なら、論理Port-Channelが運ぶVLANを確認します。
Gi1/0/10 ─┐
├─ Port-channel10
Gi1/0/11 ─┘
VLAN判断の単位
→ Port-channel10
物理メンバーごとに異なるVLAN設計を考えるのではなく、論理リンクとして一貫した属性を持たせます。
VLAN数からアクセスまたはトランクを判断する
基本判断はシンプルです。
1つのタグなしVLANだけを運ぶ
→ アクセスポートを検討
同じ論理リンクで複数VLANを運ぶ
→ 802.1Qトランクを検討
ここで重要なのは、機器全体で利用するVLAN数ではなく、そのアップリンクが実際に運ぶVLAN数です。
単一VLANのエッジホスト
PC、プリンター、IoT機器などが1つのタグなしVLANだけを利用するなら、代表的にはアクセスポートとして設定します。
PC
→ データVLAN 20
→ タグなし
interface GigabitEthernet1/0/12
switchport
switchport mode access
switchport access vlan 20
設定後は、ポートモードとアクセスVLANを確認します。
show interfaces GigabitEthernet1/0/12 switchport
代表的な確認項目は次のとおりです。
Administrative Mode
Operational Mode
Access Mode VLAN
アクセスモードとアクセスVLANは別の属性
次の2行は別々の意味を持ちます。
switchport mode access
switchport access vlan 20
1行目はポート役割を静的アクセスへ設定し、2行目はデータトラフィックをVLAN 20へ所属させます。
ポート役割
→ access
所属VLAN
→ 20
どちらか一方だけを見て設定全体が正しいと判断しません。
複数VLANを同じアップリンクで運ぶ
APや仮想化ホスト、ネットワークアプライアンスなどで、同じ論理リンクから複数VLANを運ぶ要件ならトランクを検討します。
例として、APが管理VLAN 10とクライアントVLAN 20、30を同じアップリンクで直接運ぶとします。
AP
├─ 管理VLAN 10
├─ クライアントVLAN 20
└─ クライアントVLAN 30
|
| 1本のアップリンク
v
スイッチ
代表的なスイッチ側設定は次のようになります。
interface GigabitEthernet1/0/20
switchport
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 10
switchport trunk allowed vlan 10,20,30
ただし、ネイティブVLAN 10を使用するかどうかは接続先のタグ付け要件と一致させる必要があります。
トランクモードだけではVLAN要件を満たしたことにならない
次の設定があっても、必要なVLANがすべて通るとは限りません。
switchport mode trunk
たとえばAPがVLAN 10、20、30を必要としているのに、スイッチ側が次の設定ならVLAN 30が不足しています。
switchport trunk allowed vlan 10,20
したがってトランクでは少なくとも、次を別々に確認します。
トランクとして動作しているか
必要なVLANが許可されているか
ネイティブVLANが接続先のタグなし要件と一致しているか
ネイティブVLANはタグなし要件と照合する
802.1Qトランクでは、接続先がどのVLANをタグなしで扱う設計なのかを確認します。
接続先
→ VLAN 10をタグなし
→ VLAN 20と30をタグ付き
この要件に対して、スイッチ側が次のように構成されていれば対応関係を確認できます。
interface GigabitEthernet1/0/20
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 10
switchport trunk allowed vlan 10,20,30
接続先がタグなしで扱うVLANとswitchport trunk native vlanが一致しているかを確認します。
show interfaces trunkでトランク実状態を確認する
トランク状態とVLAN許可状態は、代表的に次のコマンドで確認します。
show interfaces trunk
確認対象は次のように分けます。
対象ポート
トランク状態
ネイティブVLAN
許可VLAN
アクティブなVLAN
転送対象VLAN
たとえば次の出力なら、Po10でVLAN 10、20、30が許可されていることを確認できます。
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Po10 on 802.1q trunking 10
Port Vlans allowed on trunk
Po10 10,20,30
PoE要件はVLAN要件と分けて判断する
AP、IP電話、カメラなどがEthernet経由で電力を受ける設計ならPoEを確認します。
通信要件
→ VLAN設定
給電要件
→ PoE設定
VLANが正しいこととPoE給電が正常なことは別条件です。
通常の自動PoE給電
通常の自動給電を行う代表例は次のとおりです。
interface GigabitEthernet1/0/20
power inline auto
power inline autoでは受電機器を検出し、利用可能な電力があれば給電する動作を考えます。
ポート
↓
受電機器検出
↓
電力利用可能
↓
電力割り当て
↓
給電
PoEを禁止する要件
スイッチから給電してはならない要件なら、代表的に次の設定を使用します。
interface GigabitEthernet1/0/20
power inline never
これはPoE給電を禁止する設定であり、レイヤ2ポートそのものを無効にする設定ではありません。
show power inlineで給電状態を確認する
PoE設定後は代表的に次を使用します。
show power inline
確認対象は次のとおりです。
対象インターフェース
管理上のPoEモード
動作上の給電状態
割り当て電力
検出された受電機器
スイッチ全体の利用可能電力
例として、次のような出力を考えます。
Interface Admin Oper Power Device
--------- ------ ---------- ------- -------------------
Gi1/0/20 auto on 15.4 Ieee PD
この場合は、管理上autoで、動作上onとなっていることを確認できます。
リンクアップとPoE正常を同一視しない
外部電源で動作する機器なら、EthernetリンクがupでもPoE給電していない状態があり得ます。
Ethernetリンク
→ up
PoE
→ off
反対に、PoE受電が必要な機器で十分な電力を供給できなければ、機器自体が起動せずリンク形成まで進まない場合があります。
したがって、リンク状態とPoE状態は別々に確認します。
複数リンクがあるだけではPort-Channelにしない
2本以上の物理リンクが存在しても、それだけでリンク集約が必要とは限りません。
リンク1
→ 管理用
リンク2
→ データ用
のように別々の役割を持つなら、1つのPort-Channelへ束ねる要件ではない可能性があります。
最初に確認するのは次です。
複数物理リンクを
1つの論理リンクとして利用する要件があるか
Port-Channelを構成する前に同一論理ピアを確認する
LACPで1つのリンク集約を形成する物理リンクは、スイッチ側で同一の論理ピアへ終端する必要があります。
接続先
| |
| |
スイッチスタック
スタック全体
→ 1つの論理ピア
一方、独立した2台のスイッチへ1本ずつ接続しているだけなら、通常の1つのLACP Port-Channelがそのまま成立するとは判断できません。
接続先
| |
| |
SW1 SW2
SW1とSW2
→ 独立した論理装置
channel-group番号を同じにするだけでは、このトポロジ条件を満たせません。
LACP対応可否を確認する
リンク集約要件があり、同一論理ピア条件も満たしていても、接続先がLACPを使用しない設計ならスイッチ側だけLACPにしても期待する集約は形成されません。
確認するのは次です。
接続先がLACP対応か
↓
実際にLACPを使用する設定か
↓
スイッチ側LACPモードは成立する組み合わせか
activeとpassiveの組み合わせ
LACPでは、代表的にactiveとpassiveを区別します。
active
→ LACPネゴシエーションを能動的に開始
passive
→ 相手からのLACPを待つ
形成可能な代表例は次です。
active - active
→ 形成可能
active - passive
→ 形成可能
一方、両端がpassiveでは開始側がいません。
passive - passive
→ 通常形成しない
接続先がpassiveならスイッチ側activeを選べる
接続先がLACP passiveとして動作する要件なら、スイッチ側はactiveとしてネゴシエーションを開始できます。
interface range GigabitEthernet1/0/30-31
channel-group 10 mode active
ただし、LACPモードが成立するだけでVLAN属性まで正しいとは限りません。
LACPメンバーと論理Port-Channelを分けて考える
代表的な構成は次のとおりです。
interface range GigabitEthernet1/0/30-31
channel-group 10 mode active
これにより論理インターフェースとしてPort-channel10を扱います。
Gi1/0/30 ─┐
├─ Port-channel10
Gi1/0/31 ─┘
複数VLANをそのリンク集約上で運ぶなら、論理Port-Channelへトランク属性を設定します。
interface Port-channel10
switchport
switchport mode trunk
switchport trunk allowed vlan 100,200
必要に応じてネイティブVLANも整合させます。
interface Port-channel10
switchport trunk native vlan 100
トランクとLACPは別の判断軸
複数VLANを運ぶことと、複数物理リンクを束ねることは別要件です。
VLAN軸
1 VLAN
→ access候補
複数VLAN
→ trunk候補
リンク軸
1本
→ 単独リンク
複数本を1つとして利用
→ Port-Channel候補
この2軸を組み合わせると、次のような構成があり得ます。
単独アクセスポート
単独トランク
アクセスポート相当のPort-Channel
トランクPort-Channel
show etherchannel summaryでリンク集約状態を確認する
Port-Channelを設定したら、代表的に次を使用します。
show etherchannel summary
確認するのは、コマンドを投入した事実ではなく実際の集約状態です。
Port-Channelが存在するか
メンバーポートが期待する集約へ参加しているか
プロトコルが期待どおりか
show lacp neighborでLACPピアを確認する
LACPを使用する場合は、代表的に次を利用できます。
show lacp neighbor
確認する観点は次です。
期待するインターフェースで
LACPピアを確認できるか
リンク集約が形成されない場合、VLAN設定だけを変更する前にLACPモード、接続先設定、メンバー整合性、同一論理ピア条件を確認します。
IP電話とPCではデータVLANと音声VLANを分ける
IP電話の背後にPCを接続する構成では、1つの物理スイッチポートでデータトラフィックと音声トラフィックを分離できます。
PC
→ データVLAN 20
IP電話
→ 音声VLAN 30
代表的な設定は次のとおりです。
interface GigabitEthernet1/0/15
switchport
switchport mode access
switchport access vlan 20
switchport voice vlan 30
この構成では、一般的な複数VLANトランクへ単純に置き換えて判断しません。
音声VLANとデータVLANは別々に確認する
PC通信が正常でも、音声VLANが正しいとは限りません。
switchport access vlan 20
switchport voice vlan 40
要件がデータVLAN 20、音声VLAN 30なら、データ側は一致していますが音声側が不一致です。
反対に、音声通話が正常でもPCだけ通信できない場合は、データアクセスVLANの指定を確認します。
show interfaces GigabitEthernet1/0/15 switchport
代表的な確認対象は次です。
Administrative Mode
Operational Mode
Access Mode VLAN
Voice VLAN
IP電話のPoEはVLAN設定とは別に満たす
IP電話がPoE受電する要件なら、データVLANと音声VLANだけでなくPoEも満たします。
interface GigabitEthernet1/0/15
switchport mode access
switchport access vlan 20
switchport voice vlan 30
power inline auto
ここでは3つの要件があります。
PCデータ
→ VLAN 20
IP電話音声
→ VLAN 30
IP電話給電
→ PoE
どれか1つが正常でも、残り2つまで正常とは判断しません。
APの複数VLANとPoEを統合する
APが管理VLAN 10、クライアントVLAN 20と30を同じアップリンクで運び、さらにPoE受電する要件を考えます。
VLAN数
→ 3 VLAN
→ トランク
タグなし要件
→ 管理VLAN 10
→ ネイティブVLANを10へ整合
許可VLAN
→ 10,20,30
給電
→ PoE auto
代表的な設定は次のとおりです。
interface GigabitEthernet1/0/20
switchport
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 10
switchport trunk allowed vlan 10,20,30
power inline auto
AP複合設定の確認
設定後は、1つのコマンドですべて確認しようとしません。
トランクとVLANは次で確認します。
show interfaces GigabitEthernet1/0/20 switchport
show interfaces trunk
PoEは次で確認します。
show power inline
判断は次のように分けます。
トランク状態
→ 正常か
ネイティブVLAN
→ 10か
許可VLAN
→ 10,20,30を含むか
PoE
→ 受電機器を検出し給電しているか
LACPトランクを統合する
ネットワークアプライアンスの2本のリンクを同一論理スイッチへ接続し、LACPで1つに束ね、VLAN 100と200を運ぶ要件を考えます。
要件分解は次のとおりです。
物理リンク
→ 2本
論理リンク
→ 1つへ集約
論理ピア
→ 同一
接続先LACP
→ passive
スイッチ側LACP
→ active
VLAN数
→ 2 VLAN
→ トランク
代表的な設定は次のとおりです。
interface range GigabitEthernet1/0/30-31
channel-group 10 mode active
interface Port-channel10
switchport
switchport mode trunk
switchport trunk allowed vlan 100,200
LACPトランクの確認
LACP形成とVLAN転送を分けて確認します。
show etherchannel summary
show lacp neighbor
show interfaces trunk
show interfaces Port-channel10 switchport
判断順は次です。
Port-Channel形成
↓
LACPピア
↓
トランク状態
↓
許可VLAN
↓
ネイティブVLAN
LACPが正常でも許可VLAN 200が欠落していれば、VLAN 200の要件は満たせません。
設定順ではなく要件順で考える
複合設定問題では、CLIを上から暗記するより要件を先に整理します。
1. 対象アップリンクを特定
2. その論理リンクが運ぶVLAN数を確認
3. アクセスまたはトランクを選択
4. タグ付けとネイティブVLANを整合
5. 許可VLANを整合
6. PoE受電要否を確認
7. リンク集約要否を確認
8. 同一論理ピアを確認
9. LACP対応可否とモードを確認
10. 音声VLANとデータVLANを確認
11. 設定
12. 機能別に実状態確認
この順番なら、機器名から設定を決める誤りを避けやすくなります。
設定変更後は変更した機能を直接確認する
設定コマンドが受理されたことだけでは、実状態が要件どおりとは判断できません。
たとえばVLANを変更したなら、スイッチポート状態とVLAN状態を確認します。
show interfaces <interface> switchport
show vlan brief
トランクを変更したなら、トランク実状態を確認します。
show interfaces trunk
PoEを変更したなら、給電状態を確認します。
show power inline
Port-ChannelとLACPを変更したなら、集約状態とLACPピアを確認します。
show etherchannel summary
show lacp neighbor
running-configだけで完了としない
次の設定が存在していても、それだけでLACPが形成されているとは限りません。
interface GigabitEthernet1/0/30
channel-group 10 mode active
また、次の設定が存在していても、Port-channel10が必要なVLANを実際に運べる状態とは限りません。
interface Port-channel10
switchport mode trunk
switchport trunk allowed vlan 100,200
したがって、設定状態と動作状態を分けて確認します。
設定
↓
対応するshowコマンド
↓
実状態
↓
要件と照合
シナリオ1:単一VLANのPC
要件は次のとおりです。
PC
→ VLAN 20
→ 単一タグなしVLAN
→ PoE不要
→ リンク集約なし
判断は次です。
単一タグなしVLAN
→ アクセスポート
代表設定:
interface GigabitEthernet1/0/12
switchport
switchport mode access
switchport access vlan 20
確認:
show interfaces GigabitEthernet1/0/12 switchport
show vlan brief
シナリオ2:PoE受電するIoT機器
要件:
IoT機器
→ VLAN 40
→ 単一タグなしVLAN
→ PoE受電
代表設定:
interface GigabitEthernet1/0/18
switchport
switchport mode access
switchport access vlan 40
power inline auto
確認対象を分けます。
VLAN
→ show interfaces GigabitEthernet1/0/18 switchport
→ show vlan brief
PoE
→ show power inline
シナリオ3:1本のAPアップリンクで3 VLAN
要件:
管理VLAN 10
クライアントVLAN 20
クライアントVLAN 30
3 VLANを1本で運ぶ
判断:
複数VLAN
→ トランク
接続先がVLAN 10をタグなしで扱うなら、代表設定は次です。
interface GigabitEthernet1/0/20
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 10
switchport trunk allowed vlan 10,20,30
シナリオ4:APのVLAN 30だけ通信できない
設定:
interface GigabitEthernet1/0/20
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 10
switchport trunk allowed vlan 10,20
AP要件:
VLAN 10
VLAN 20
VLAN 30
最初に確認する候補は許可VLANです。
show interfaces trunk
必要VLAN
→ 10,20,30
許可VLAN
→ 10,20
不一致
→ VLAN 30
シナリオ5:APが起動しない
VLAN設定は要件どおりですが、PoE受電するAPが起動しません。
この場合、トランク設定だけを見続けずPoEを確認します。
show power inline
確認するのは次です。
管理上のPoEモード
動作上の給電状態
受電機器検出
割り当て電力
利用可能電力
シナリオ6:IP電話とPC
要件:
PC
→ データVLAN 20
IP電話
→ 音声VLAN 30
IP電話
→ PoE受電
代表設定:
interface GigabitEthernet1/0/15
switchport
switchport mode access
switchport access vlan 20
switchport voice vlan 30
power inline auto
確認:
show interfaces GigabitEthernet1/0/15 switchport
show vlan brief
show power inline
シナリオ7:PCトラフィックまで音声VLANへ入る
PCとIP電話を同じ物理ポートで利用し、PCトラフィックまで音声VLANへ入る症状を考えます。
最初に確認するのは、データアクセスVLANと音声VLANが別々に意図どおり指定されているかです。
switchport access vlan 20
switchport voice vlan 30
PC
→ Access Mode VLAN 20
IP電話音声
→ Voice VLAN 30
PoE電力予算やLACPより、症状へ直接対応するVLAN分離設定を先に確認します。
シナリオ8:2本のリンクをLACPで束ねる前の判断
要件:
リンク1とリンク2
→ 1つの論理リンクとして利用
LACP設定前に確認するのは次です。
リンク集約要件
→ あり
リンク1とリンク2
→ 同一論理ピアへ終端
この条件を確認してからLACP対応可否とモードを確認します。
シナリオ9:接続先がLACP passive
要件:
接続先
→ LACP passive
2リンク
→ 同一論理ピア
→ 1 Port-Channel
スイッチ側ではactiveを選択できます。
interface range GigabitEthernet1/0/30-31
channel-group 10 mode active
ただし、ここで完了ではありません。Port-Channel側のVLAN属性も接続要件と一致させます。
シナリオ10:LACPは正常だがVLAN 200だけ通信できない
確認結果:
show etherchannel summary
→ Port-Channel正常
show lacp neighbor
→ LACPピア確認可能
しかしVLAN 200だけ通信できません。
次にトランクを確認します。
show interfaces trunk
結果:
Po10 許可VLAN
→ 100
要件:
VLAN 100,200
この場合、LACPではなく許可VLAN不一致を確認します。
シナリオ11:トランクは正しいがPort-Channelが形成されない
Port-channel10のトランク設定は要件どおりだとします。
interface Port-channel10
switchport mode trunk
switchport trunk allowed vlan 100,200
しかしshow etherchannel summaryでメンバーポートが期待する集約状態になっていません。
この場合、許可VLANを変更する前に次を確認します。
LACPモード
接続先LACP設定
メンバー設定の整合性
同一論理ピア条件
よくある誤り
APだから必ずトランクと決める
APの動作方式とアップリンクが実際に運ぶVLAN数を確認します。単一タグなしVLANだけならアクセスが成立し得ます。
IP電話だからPoEだけ確認する
IP電話とPCの共用ポートでは、データアクセスVLAN、音声VLAN、PoEを別々に満たす必要があります。
2本リンクがあるからLACPにする
リンク集約要件があるか、同一論理ピアへ終端するか、接続先がLACPを使用するかを先に確認します。
LACPが正常ならVLANも正常と考える
リンク集約形成とトランクVLAN属性は別条件です。show etherchannel summaryとshow interfaces trunkを使い分けます。
トランクなら必要VLANも通ると考える
トランク状態、許可VLAN、ネイティブVLANを分けて確認します。
running-configだけで正常と判断する
設定済みであることと、動作状態が要件どおりであることを分けます。
問題での判断パターン
パターン1:最初に整理すべき情報を問われる
機器名ではなく、次へ分解します。
VLAN数
タグ付け
PoE
リンク集約
LACP
音声VLANとデータVLAN
パターン2:1本で複数VLANを運ぶ
同一論理リンク
+
複数VLAN
→ トランク
さらに接続先のタグ付けに合わせてネイティブVLANと許可VLANを整合させます。
パターン3:IP電話とPC
PCデータ
→ switchport access vlan
IP電話音声
→ switchport voice vlan
PoE受電
→ power inline
3つを独立要件として確認します。
パターン4:2本を1つへ集約する
リンク集約要件
↓
同一論理ピア
↓
LACP対応可否
↓
activeとpassive
↓
channel-group
パターン5:設定変更後の確認を問われる
変更した機能に直接対応するshowコマンドを選びます。
アクセスVLAN
→ show interfaces ... switchport
→ show vlan brief
トランク
→ show interfaces trunk
PoE
→ show power inline
Port-Channel
→ show etherchannel summary
LACP
→ show lacp neighbor
複合問題の最終判断手順
複数機能が同時に登場する問題は、次の順で整理します。
対象となる物理・論理アップリンクを特定
↓
そのリンクが運ぶVLAN数を確認
↓
アクセスまたはトランクを決定
↓
タグ付けとネイティブVLANを照合
↓
許可VLANを照合
↓
PoE受電要否を確認
↓
リンク集約要否を確認
↓
同一論理ピアを確認
↓
LACP対応可否とモードを確認
↓
音声VLANとデータVLANを確認
↓
設定を統合
↓
変更した機能ごとに実状態を確認
どの確認コマンドで何を見るか
show interfaces <interface> switchport
→ 管理モード
→ 動作モード
→ Access Mode VLAN
→ Voice VLAN
→ Trunking Native Mode VLAN
show vlan brief
→ VLAN存在
→ VLAN状態
→ アクセスポート所属
show interfaces trunk
→ トランク状態
→ ネイティブVLAN
→ 許可VLAN
show power inline
→ PoE管理状態
→ PoE動作状態
→ 受電機器
→ 電力割り当て
show etherchannel summary
→ Port-Channel状態
→ メンバー参加状態
→ 使用プロトコル
show lacp neighbor
→ LACPピア
まとめ
エッジポートの総合設定では、機器名から答えを決めるのではなく、要件を独立した軸へ分解します。
VLAN数
↓
アクセスまたはトランク
タグ付け
↓
ネイティブVLANと許可VLAN
給電要件
↓
PoE
複数リンクを1つとして利用
↓
Port-Channel
↓
同一論理ピア
↓
LACP対応可否とモード
IP電話とPC
↓
データアクセスVLAN
+
音声VLAN
+
必要ならPoE
最後に、設定コマンドが存在することだけで完了とせず、変更した機能に対応するshowコマンドで実状態を確認し、要件と照合します。
理解確認
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