試験項目 2.1.b · CCNA-044
Native VLAN
ドメイン 2 · Switching and Network Access · Configure Network Infrastructure Connectivity
このページのゴール
802.1Q TrunkのNative VLANを設定・確認し、Default Untagged Behavior、両端整合性、Tagging例外を正確に判断できるようにする。
このページで学ぶこと
- Native VLAN Role
- Native VLAN Default Untagged
- Native VLAN Configuration
- Native VLAN End-to-End Match
- Native VLAN Mismatch Impact
- Native VLAN Tagging Option
- Native VLAN Verification
1. ネイティブVLANとは何か
802.1Qトランクでは、複数のVLANトラフィックを1本の物理リンクで運びます。
通常の非ネイティブVLANトラフィックでは802.1QタグのVLAN IDによってVLANコンテキストを識別しますが、ネイティブVLANにはデフォルト動作として特別な扱いがあります。
ネイティブVLANを理解するときは、次の3点を分けて考えることが重要です。
ネイティブVLANとして設定されているVLANはどれか
ネイティブVLANトラフィックがタグ付きかタグなしか
タグなしフレームを受信したとき、どのVLANへ関連付けるか
ネイティブVLANは、この3点を分けて判断します。
2. ネイティブVLANは802.1Qトランク上の概念
ネイティブVLANは、802.1Qトランクに関連するVLAN設定です。
通常のアクセスポートで設定するアクセスVLANとは役割が異なります。
アクセスポート
→ アクセスVLAN
802.1Qトランク
→ ネイティブVLANどちらもポートとVLANの関係を表しますが、同じ設定ではありません。
3. ネイティブVLANの代表的な役割
Ciscoの一般的な802.1Qトランクでは、タグなしフレームを受信した場合、そのフレームをトランクポートのネイティブVLANへ関連付けて扱います。
タグなしフレーム
↓
802.1Qトランク受信
↓
ネイティブVLANしたがってネイティブVLANは、トランク上でタグを持たないフレームを解釈するときの重要なVLANコンテキストになります。
4. ネイティブVLANとVLAN IDを混同しない
ネイティブVLANも通常のVLANと同様にVLAN IDを持ちます。
たとえばネイティブVLANが99なら、ネイティブVLANとして使用されているVLANのIDが99という意味です。
ネイティブVLAN = VLAN 99これは「ネイティブVLANにはVLAN IDが存在しない」という意味ではありません。
5. ネイティブVLANも通常のVLANである
ネイティブVLANという名前から、通常のVLANとは別種類の特殊なVLANだと考えないようにします。
VLAN 99をネイティブVLANとして設定した場合でも、VLAN 99そのものはVLANです。
違いは、その802.1Qトランク上でネイティブVLANとして扱われていることです。
6. デフォルト動作ではネイティブVLANトラフィックはタグなし
Ciscoの一般的な802.1Qトランクでは、デフォルト動作としてネイティブVLANトラフィックをタグなしで送信します。
非ネイティブVLAN
→ 通常タグ付き
ネイティブVLAN
→ デフォルトではタグなししたがって、
「トランク上を通るフレームはすべて802.1Qタグ付きフレームである」
という理解は正確ではありません。
7. 非ネイティブVLANトラフィックとの違い
ネイティブVLANが99で、VLAN 10とVLAN 20もトランクを通過している例を考えます。
デフォルト動作では次のように整理できます。
| VLAN | ネイティブVLANか | トランク上の代表的なフレーム |
|---|---|---|
| VLAN 10 | いいえ | タグ付き(VID 10) |
| VLAN 20 | いいえ | タグ付き(VID 20) |
| VLAN 99 | はい | タグなし |
ネイティブVLANだけフレーム表現が異なる点が重要です。
8. ネイティブVLANトラフィックにもVLANコンテキストは存在する
ネイティブVLANフレームがデフォルトではタグなしだからといって、VLANコンテキストがなくなるわけではありません。
スイッチ内部ではネイティブVLANとして扱われています。
スイッチ内部
VLAN 99コンテキスト
↓
トランク送信
↓
デフォルトではタグなしタグが存在しないことと、VLANに所属していないことは別です。
9. トランクでタグなしフレームを受信した場合
ネイティブVLAN 99のトランクポートへタグなしフレームが到着した例を考えます。
タグなしフレーム
↓
トランクポート
ネイティブVLAN 99
↓
VLAN 99コンテキストデフォルト処理では、そのフレームをVLAN 99へ関連付けて扱います。
10. タグ付きフレームの場合はVLAN IDを見る
トランク上で802.1Qタグ付きフレームを受信した場合は、タグのVLAN IDがVLANコンテキストを判断する主要な情報になります。
タグ付き(VID 20)
↓
VLAN 20
タグなし
↓
ネイティブVLANタグ付きとタグなしでは最初に確認する情報が異なります。
11. ネイティブVLANはトランクごとの設定として考える
ネイティブVLANはトランクインターフェースに設定します。
あるトランクでネイティブVLAN 99を使用していても、別のトランクが同じネイティブVLANであるとは限りません。
トランクA
ネイティブVLAN 99
トランクB
ネイティブVLAN 10インターフェースごとの設定を確認することが重要です。
12. CiscoスイッチのデフォルトネイティブVLAN
Ciscoスイッチの一般的なデフォルト設定では、802.1QトランクのネイティブVLANとしてVLAN 1が使用されます。
設定変更していなければ、確認コマンドでネイティブVLAN 1として確認できる構成が一般的です。
ただし、実環境では明示的に別VLANへ変更されている可能性があるため、デフォルト値だけで判断せず実設定を確認します。
13. ネイティブVLANを変更するコマンド
Ciscoスイッチのトランクインターフェースでは、代表的に次のコマンドでネイティブVLANを変更します。
switchport trunk native vlan <vlan-id>たとえばネイティブVLANを99へ変更する場合は次のように設定します。
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 99switchport trunk native vlan 99 が、そのトランクのネイティブVLANをVLAN 99へ変更する設定です。
14. switchport trunk native vlanの意味
次のコマンドを読みます。
switchport trunk native vlan 99これは、
このトランクポートのネイティブVLAN
→ VLAN 99という意味です。
許可VLANをVLAN 99だけに制限するコマンドではありません。
15. ネイティブVLANと許可VLANは別設定
次の2つは役割が異なります。
switchport trunk native vlan 99switchport trunk allowed vlan 10,20,99前者はネイティブVLANを指定します。
後者はトランクで通過対象とするVLANを指定します。
16. ネイティブVLANに設定しただけでは許可VLANの意味は変わらない
ネイティブVLANと許可VLANは別の判断軸です。
ネイティブVLAN
→ タグなし処理に関係
許可VLAN
→ トランクを通過対象として扱うVLANに関係「ネイティブVLANに指定したから自動的に唯一の許可VLANになる」とは考えません。
17. トランク両端のネイティブVLANを確認する
スイッチ同士を802.1Qトランクで接続する場合、両端のネイティブVLANを整合させることが基本です。
SW1 SW2
ネイティブVLAN 99 ───── ネイティブVLAN 99この状態なら、両端でタグなしフレームを同じVLANコンテキストとして解釈できます。
18. 両端で同じネイティブVLANを使用する理由
ネイティブVLANトラフィックはデフォルトではタグなしになるため、フレームそのものからネイティブVLAN IDを読み取れない場合があります。
受信側は自身のトランクポートのネイティブVLAN設定を使って、そのタグなしフレームのVLANコンテキストを判断します。
したがって両端の設定が一致していることが重要です。
19. ネイティブVLAN 99で一致しているシナリオ
次の構成を考えます。
SW1 SW2
ネイティブVLAN 99 ネイティブVLAN 99
\___________________/
トランクSW1がVLAN 99トラフィックをデフォルト動作で送信するとします。
SW1 VLAN 99
↓
タグなし
↓
トランク
↓
SW2
↓
ネイティブVLAN 99として受信送信側と受信側でVLANコンテキストが一致します。
20. ネイティブVLAN不一致とは何か
トランク両端でネイティブVLANが異なる状態をネイティブVLAN不一致として考えます。
SW1 SW2
ネイティブVLAN 99 ───── ネイティブVLAN 1両端がタグなしフレームを異なるVLANへ関連付ける可能性がある状態です。
21. 不一致時の重要ポイント
ネイティブVLAN不一致で最も重要なのは、
同じタグなしフレームを両端で異なるVLANコンテキストとして解釈し得る
という点です。
送信側
ネイティブVLAN 99
↓
タグなし
受信側
ネイティブVLAN 1
↓
VLAN 1として解釈フレームのVLAN関連付けが意図と異なる可能性があります。
22. 不一致シナリオ:SW1からSW2
次の構成を考えます。
SW1
ネイティブVLAN 99
SW2
ネイティブVLAN 1SW1からVLAN 99トラフィックを送信します。
SW1ではVLAN 99がネイティブVLANなので、デフォルトではタグなしで送信されます。
SW1 VLAN 99
↓
タグなし
↓
SW2SW2ではタグなしフレームを自身のネイティブVLANであるVLAN 1へ関連付けます。
SW2
タグなし
↓
ネイティブVLAN 1結果として送信側と受信側でVLANコンテキストが一致しません。
23. 不一致シナリオ:逆方向
同じ不一致構成でSW2からSW1へタグなしネイティブVLANトラフィックが流れる場合も考えます。
SW2 VLAN 1
↓
タグなし
↓
SW1
↓
ネイティブVLAN 99SW2ではVLAN 1だったトラフィックが、SW1ではVLAN 99として扱われる可能性があります。
不一致は方向ごとのVLAN関連付けを確認することが重要です。
24. ネイティブVLAN不一致はトランク全断と同義ではない
ネイティブVLAN不一致を検出したからといって、
トランク上の全VLAN通信が必ず停止すると判断してはいけません。
非ネイティブVLANトラフィックは通常802.1Qタグを持っているため、タグのVLAN IDからVLANコンテキストを判断できます。
ただしCisco Catalystでは、スパニングツリーのPVID整合性機能によってネイティブVLAN不一致を検出し、影響するVLANのフォワーディングがブロックされる場合があります。
そのため、ネイティブVLAN不一致を「必ずトランク全体がダウン」とも、「タグ付きトラフィックなら必ずフォワードされる」とも決めつけません。
不一致の影響とトランク全体の動作状態は分けて考えます。
25. タグ付きトラフィックは別に判断する
たとえばネイティブVLANが不一致していても、VLAN 20のトラフィックが非ネイティブVLANとしてタグ付きで送信されている場合は、
802.1Q VID 20を使って受信側がVLAN 20として識別できます。
ただし、STP/PVID整合性など別の機能によってフォワーディングが制限される可能性もあるため、
ネイティブVLAN不一致
=
すべてのタグ付きVLANトラフィックが必ず失敗とも、
タグ付きVLANトラフィック
=
必ず正常にフォワードされるとも断定しません。
26. 不一致を見たときの判断
ネイティブVLAN不一致が疑われる場合は、まず両端のネイティブVLAN設定を比較します。
SW1 ネイティブVLAN
↕ 比較
SW2 ネイティブVLANネイティブVLANの設定と、その設定がタグなしフレームの解釈へ与える影響を確認します。
モード、許可VLAN、アクティブVLANなどは、ネイティブVLANとは別の確認項目として切り分けます。
27. 「警告が出たから全断」と考えない
Cisco機器ではネイティブVLANの不一致を検出した際、機種やソフトウェアバージョン、隣接機器検出の状態などに応じて警告を確認できる場合があります。
ただし警告の存在だけから、
トランクが完全にダウンと即断しません。
ネイティブVLAN設定と実際のトラフィックへの影響を確認します。
28. ネイティブVLANを変更するときは両端を見る
ネイティブVLANをVLAN 1からVLAN 99へ変更するとき、片側だけ変更して作業完了と考えないようにします。
基本的な考え方は次です。
SW1
ネイティブVLAN 99
SW2
ネイティブVLAN 99両端の意図したトランクインターフェースで設定を整合させます。
29. ネイティブVLAN変更シナリオ
SW1とSW2の接続でネイティブVLANを99へ変更する場合を考えます。
SW1:
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 99SW2:
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 99設定後はコマンド出力で両端を確認します。
30. ネイティブVLAN設定はインターフェースを間違えない
ネイティブVLANを設定するときは、対象となるトランクインターフェースを確認します。
別インターフェースへ正しいコマンドを設定しても、目的のトランクのネイティブVLANは変わりません。
設定値が正しい
+
対象インターフェースも正しいこの2点を確認します。
31. 確認は設定したコマンドだけを見ない
ネイティブVLANを設定した後は、実行中の設定だけではなく、トランクの状態を確認できるコマンドも利用します。
代表例として次があります。
show interfaces trunkshow interfaces <interface> switchport32. show interfaces trunkで確認する
show interfaces trunkでは、トランクとして動作しているポートやネイティブVLANなどを確認できます。
代表的には、
Port
Mode
Encapsulation
Status
Native vlanなどの情報を読みます。
実際の表示項目はプラットフォームやソフトウェアバージョンによって異なる場合があります。
33. show interfaces trunkでネイティブVLANを見る
たとえば出力に次のような情報があるとします。
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 99この場合、
Gi1/0/1
ネイティブVLAN = 99と判断できます。
34. Native vlan列を許可VLANと混同しない
show interfaces trunkではネイティブVLAN以外にも許可VLAN関連の情報が表示される場合があります。
Native vlanと、
Vlans allowed on trunkは別の情報です。
ネイティブVLANを確認するときは、見るフィールドを間違えないようにします。
35. show interfaces switchportでも確認する
対象インターフェースを詳しく確認する場合は、次のようなコマンドを利用できます。
show interfaces GigabitEthernet1/0/1 switchport出力からAdministrative Mode、Operational Mode、Access Mode VLAN、Trunking Native Mode VLANなどのフィールドを確認できるプラットフォームがあります。
36. Trunking Native Mode VLANを読む
出力に次のような表示がある場合を考えます。
Administrative Mode: trunk
Operational Mode: trunk
Trunking Native Mode VLAN: 99ネイティブVLANについては、
Trunking Native Mode VLAN: 99を確認します。
37. 管理モードとネイティブVLANは別
Administrative Mode: trunkはポートモードに関する情報です。
Trunking Native Mode VLAN: 99はネイティブVLANに関する情報です。
管理モード
→ トランクモード
ネイティブVLAN欄
→ ネイティブVLAN IDそれぞれ別の設定・状態を表します。
38. 動作モードとネイティブVLANも別
動作モードがトランクであることと、ネイティブVLANが何番であるかも別の判断です。
Operational Mode: trunk
Trunking Native Mode VLAN: 99この場合、
ポートの動作状態はトランク
ネイティブVLANは99
という2つの情報を読みます。
39. 両端のshow interfaces trunkを比較する
ネイティブVLANの整合性を確認するときは、一方だけでなく両端を比較します。
SW1# show interfaces trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 99
SW2# show interfaces trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 99この場合、確認対象のトランクではネイティブVLANが一致しています。
40. 不一致出力シナリオ
次の出力を考えます。
SW1# show interfaces trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 99SW2# show interfaces trunk
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 1この場合、
SW1 = VLAN 99
SW2 = VLAN 1なのでネイティブVLANが一致していません。
41. 不一致修正の基本
意図した設計がネイティブVLAN 99なら、両端をVLAN 99へ揃えます。
SW1
switchport trunk native vlan 99
SW2
switchport trunk native vlan 99どちらの値が正しいかは設計に依存するため、「常に片方へ合わせる」という判断はしません。
42. 設計値を確認してから修正する
不一致を見つけても、数字が大きい側や新しく変更した側を自動的に正解としません。
現在値
+
意図した設計値を確認して修正します。
43. ネイティブVLANは必ずタグなしなのか
デフォルト動作だけを見るとネイティブVLANトラフィックはタグなしです。
しかし、
ネイティブVLAN
=
例外なく必ずタグなしという絶対表現は正確ではありません。
CiscoプラットフォームではネイティブVLANトラフィックにもタグを付けるオプションが存在します。
44. ネイティブVLANタグ付けオプション
Cisco IOSまたはIOS XE系プラットフォームでは、ネイティブVLANタグ付けに関連して代表的に次のコマンドが利用される環境があります。
vlan dot1q tag nativeこれはネイティブVLANのデフォルトのタグなし動作を変更するための機能です。
対応するCatalyst IOS XEではグローバル設定として設定し、対象となる802.1QトランクのネイティブVLANタグ付け動作に作用します。
インターフェース単位で設定するswitchport trunk native vlanとは設定レベルが異なります。
対応状況や細かな動作はプラットフォームとソフトウェアバージョンによって確認が必要です。
45. デフォルトとタグ付けオプションを分ける
試験では次の区別が重要です。
デフォルト動作
→ ネイティブVLANトラフィックはタグなし
ネイティブVLANタグ付けを有効化
→ ネイティブVLANトラフィックにもタグを利用する構成が可能そのため「ネイティブVLANは常にタグなし」と暗記しないようにします。
46. タグ付けオプションを見たときの判断
設定にネイティブVLANタグ付けに関する設定がある場合は、デフォルトのタグなし動作だけを前提にフレームを判断しないようにします。
デフォルト設定か
↓
ネイティブVLANタグ付けオプションが有効かを確認します。
47. タグ付けオプションはアクセスVLAN設定ではない
ネイティブVLANタグ付けオプションは、アクセスポートのアクセスVLANを変更するための機能ではありません。
アクセスVLAN変更
≠
ネイティブVLANタグ付け対象となる機能を混同しないことが重要です。
48. ネイティブVLAN番号の変更とも別
次の2つも別の操作です。
switchport trunk native vlan 99ネイティブVLANとして使用するVLANを99へ変更します。
一方、
vlan dot1q tag nativeはグローバル設定としてネイティブVLANトラフィックのタグ付け動作に関係する設定です。
49. VLAN ID変更とタグ付け動作を分離する
ネイティブVLANを理解するときは、
どのVLANかと、
タグ付きまたはタグなし?を分けます。
たとえば、
ネイティブVLAN = 99
デフォルトタグ付け動作ならVLAN 99トラフィックをデフォルトではタグなしとして考えます。
50. ネイティブVLANの判断順序
ネイティブVLANに関する問題では、次の順序で整理すると判断しやすくなります。
1. 対象ポートはトランクか
2. ネイティブVLANは何番か
3. 両端で一致しているか
4. デフォルト動作かタグ付けオプションありか
5. フレームはタグ付きかタグなしか一度にすべてを混ぜないことが重要です。
51. フレームから考える場合
トランク上でフレームを確認する場合は、タグの有無から整理できます。
タグ付き
→ VLAN IDを見る
タグなし
→ ネイティブVLAN処理を見る802.1Qフレームの基本的な見方をネイティブVLAN設定へ接続します。
52. 設定から考える場合
設定を読む場合は、ネイティブVLANを指定しているコマンドを探します。
switchport trunk native vlan 99これを確認したら、
ネイティブVLAN = VLAN 99として以降のフレーム処理を考えます。
53. 確認出力から考える場合
show interfaces trunkなどの出力が提示された場合は、ネイティブVLANを示す列を確認します。
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 99この例では、対象トランクのネイティブVLANを99として判断します。
54. デフォルトネイティブVLANシナリオ
ネイティブVLANを明示的に変更していない一般的なCiscoスイッチのトランクを考えます。
確認結果がネイティブVLAN 1を示している場合、
ネイティブVLAN = VLAN 1として扱います。
デフォルト動作ならネイティブVLANトラフィックはタグなしとして考えます。
55. ネイティブVLAN 99シナリオ
次の設定があります。
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
switchport trunk native vlan 99この場合、
ネイティブVLAN = VLAN 99です。
デフォルト動作なら、VLAN 99トラフィックはトランク上でタグなしとして送信されることを基本に考えます。
56. VLAN 20との比較シナリオ
ネイティブVLAN 99のトランクでVLAN 20トラフィックを送信するとします。
VLAN 20が非ネイティブVLANなら、通常は802.1Qタグ付きで送信します。
VLAN 20
→ タグ付き(VID 20)
VLAN 99
→ デフォルトではタグなし違いを比較して判断します。
57. タグなしフレーム受信シナリオ
ネイティブVLAN 99のトランクでタグなしフレームを受信した場合、
デフォルト処理ではVLAN 99へ関連付けます。
タグなし
→ ネイティブVLAN 99フレームにVLAN ID 99のタグが見えないからといって、VLAN 99ではないと判断しません。
58. ネイティブVLANとアクセスVLANが同じ番号でも役割は別
あるスイッチで、
アクセスVLAN 99と、
トランクネイティブVLAN 99が存在することは可能です。
番号が同じでも設定箇所と役割は異なります。
59. ネイティブVLANと管理VLANを混同しない
ネイティブVLANという用語は、管理VLANという用語と同義ではありません。
ネイティブVLAN
→ 802.1Qトランクのフレーム処理
管理VLAN
→ デバイス管理トラフィックに使うVLANという設計上の役割同じVLAN IDが両方の役割を持つ構成があったとしても、概念は分けて考えます。
60. ネイティブVLANとデフォルトVLANを混同しない
Ciscoスイッチで初期ネイティブVLANがVLAN 1であることから、
ネイティブVLAN
=
常にVLAN 1とは考えません。
switchport trunk native vlanで別VLANへ変更できます。
61. ネイティブVLANは変更可能
ネイティブVLANは固定値ではありません。
デフォルト
VLAN 1
変更後
VLAN 99のようにインターフェース設定によって変更できます。
試験問題では「デフォルト」と「現在設定」を区別します。
62. 「ネイティブVLAN = VLAN 1」と即答しない
問題文に、
switchport trunk native vlan 99があるなら、デフォルトのVLAN 1ではなく設定されたVLAN 99を使用して判断します。
明示設定はデフォルトより優先して読みます。
63. 「ネイティブVLAN = タグなしVLAN」とだけ覚えない
ネイティブVLANを単に「タグなしVLAN」とだけ暗記すると、ネイティブVLANタグ付けオプションが提示されたときに判断できなくなります。
より正確には、
デフォルト動作では
ネイティブVLANトラフィックはタグなしと理解します。
64. 「タグなし = VLANなし」ではない
トランク上のタグなしフレームが、
VLANに所属していないフレームとは限りません。
デフォルトネイティブVLAN処理では、タグなしフレームをネイティブVLANコンテキストへ関連付けます。
65. 「タグ付き = ネイティブVLANではない」と絶対視しない
デフォルト動作では非ネイティブVLANトラフィックがタグ付き、ネイティブVLANトラフィックがタグなしという整理が基本です。
ただしネイティブVLANタグ付けオプションが存在するため、
タグ付きフレームだから絶対にネイティブVLANではないという絶対判断は避けます。
66. 不一致で見るべき原因と影響
ネイティブVLAN不一致問題では、原因と影響を分けます。
原因
トランク両端のネイティブVLAN設定が異なる
影響
タグなしフレームが異なるVLANコンテキストへ関連付けられる可能性この関係を理解します。
67. 不一致と許可VLANの原因を混同しない
ネイティブVLAN不一致と許可VLAN不足は別の問題です。
ネイティブVLAN不一致
→ タグなしフレームのVLAN関連付け
許可VLAN不足
→ 対象VLANがトランク通過対象になっているかネイティブVLAN不一致と許可VLAN不足は、原因と確認対象を分けて判断します。
68. 不一致とトランクモード不成立も別
ポートがトランクとして成立していない問題と、成立しているトランクのネイティブVLANが不一致している問題も別です。
動作モード問題
≠
ネイティブVLAN不一致動作モードの不成立とネイティブVLAN不一致は、別々に切り分けます。
69. 確認の基本フロー
ネイティブVLANを確認するときは、次のフローで整理できます。
対象トランクを特定
↓
ネイティブVLANを確認
↓
対向ポートのネイティブVLANを確認
↓
両端比較
↓
タグ付けオプションの有無を確認70. 設定確認フロー
設定から確認する場合は、
interface
↓
switchport mode
↓
switchport trunk native vlanの順で対象インターフェースとネイティブVLAN設定を確認します。
ネイティブVLANだけを見て、対象ポートが間違っていないかも確認します。
71. 動作状態の出力確認フロー
動作状態の出力では、
show interfaces trunkから対象ポートとネイティブVLANを確認できます。
必要に応じて、
show interfaces <interface> switchportでインターフェース単位の詳細を確認します。
72. 両端比較フロー
ネイティブVLAN不一致を確認する代表的なフローは次です。
SW1 ネイティブVLAN
↓
SW2 ネイティブVLAN
↓
同じか比較
↓
異なる場合は設計値を確認数字だけを見て修正せず、意図した設計を確認します。
73. デフォルト動作判定フロー
ネイティブVLANのフレーム処理を問われたら、
ネイティブVLANトラフィック
↓
ネイティブVLANタグ付けオプションなし
↓
デフォルトではタグなしと判断します。
74. タグ付けオプション判定フロー
ネイティブVLANタグ付けが明示されている場合は、
ネイティブVLAN
↓
デフォルトのタグなし動作だけを適用しない
↓
タグ付けオプションの動作を確認と考えます。
75. シナリオ:ネイティブVLAN 99、タグ付けオプションなし
条件:
ネイティブVLAN = 99
ネイティブVLANタグ付けオプション = なしVLAN 99トラフィックをトランクへ送信する場合は、デフォルト動作としてタグなしで送信することを基本に判断します。
76. シナリオ:ネイティブVLAN 99、VLAN 20トラフィック
条件:
ネイティブVLAN = 99
トラフィック = VLAN 20VLAN 20は非ネイティブVLANなので、通常はVLAN ID 20の802.1Qタグを持つフレームとしてトランクを通過すると判断します。
77. シナリオ:両端99
条件:
SW1 ネイティブVLAN 99
SW2 ネイティブVLAN 99タグなしネイティブVLANトラフィックを両端でVLAN 99コンテキストとして扱えるため、ネイティブVLAN設定は一致しています。
78. シナリオ:99と1
条件:
SW1 ネイティブVLAN 99
SW2 ネイティブVLAN 1ネイティブVLAN不一致です。
タグなしフレームをSW1とSW2で異なるVLANコンテキストへ関連付ける可能性があります。
79. シナリオ:不一致警告
ネイティブVLAN不一致を示す情報が提示された場合は、
両端ネイティブVLAN設定を比較します。
「警告があるからトランク上のすべてのVLANがダウン」と即断しません。
80. シナリオ:ネイティブVLAN変更コマンド
問題で次の選択肢が提示されたとします。
switchport trunk native vlan 99ネイティブVLANをVLAN 99へ変更するコマンドとして判断します。
switchport trunk allowed vlan 99とは目的が異なります。
81. シナリオ:両端をVLAN 99へ変更する
SW1-SW2間のネイティブVLANを99に変更する設計なら、基本的には両端の対象トランクインターフェースを整合させます。
SW1
switchport trunk native vlan 99
SW2
switchport trunk native vlan 99片側だけ変更した状態を完成状態と考えません。
82. シナリオ:確認出力
次の出力があります。
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 99対象ポートのネイティブVLANは99と判断します。
83. シナリオ:switchport出力
次の出力があります。
Operational Mode: trunk
Trunking Native Mode VLAN: 99読み取れることは、
動作モード = trunk
ネイティブVLAN = 99です。
84. シナリオ:「ネイティブVLANは必ずタグなし」
次の説明を評価します。
ネイティブVLANは802.1Qトランク上で
例外なく必ずタグなしであるデフォルト動作だけならタグなしですが、ネイティブVLANタグ付けを利用できる構成があるため、絶対表現としては不正確です。
85. ネイティブVLAN問題の最終判断表
| 確認したいこと | 見る情報 |
|---|---|
| ネイティブVLANの番号 | switchport trunk native vlanと確認出力 |
| デフォルトフレーム処理 | ネイティブVLANはデフォルトではタグなし |
| タグ付きフレームのVLAN | 802.1Q VLAN ID |
| タグなしトランクフレーム | ネイティブVLANコンテキスト |
| 両端整合 | 両端のネイティブVLAN値 |
| 不一致影響 | タグなしフレームのVLAN関連付け |
| タグ付け例外 | ネイティブVLANタグ付けオプション |
この対応関係を使って問題を分解します。
86. よくある誤り:トランクはすべてタグ付き
誤り:
トランク上のフレーム
→ 必ず802.1QタグありデフォルトネイティブVLANトラフィックはタグなしになるため、この理解は不正確です。
87. よくある誤り:ネイティブVLANは常にVLAN 1
デフォルトではVLAN 1が使われる一般的な構成がありますが、ネイティブVLANは変更可能です。
switchport trunk native vlan 99があればVLAN 99として判断します。
88. よくある誤り:タグなしはVLANに属さない
タグなしフレームでも、802.1Qトランクのデフォルト処理ではネイティブVLANへ関連付けられます。
タグがないこととVLANコンテキストがないことを混同しません。
89. よくある誤り:不一致なら全トラフィックダウン
ネイティブVLAN不一致の中心的な問題は、タグなしトラフィックのVLAN関連付けです。
ただしSTP/PVID整合性などによって影響するVLANのフォワーディングがブロックされる場合もあるため、非ネイティブVLANのタグ付きトラフィックが必ず正常とも一律に通信不能とも断定しません。
90. よくある誤り:ネイティブVLAN設定と許可VLAN設定を混同する
switchport trunk native vlan 99と、
switchport trunk allowed vlan 99は別の設定です。
コマンド中のnativeとallowedに注目します。
91. よくある誤り:片側だけ変更して終了する
スイッチ間トランクでネイティブVLANを変更する場合は、対向側設定も確認します。
片側だけネイティブVLAN 99、もう片側がVLAN 1なら不一致になります。
92. よくある誤り:実行中の設定だけで判断する
設定確認は重要ですが、確認コマンドから実際に対象ポートがどう見えているかも確認します。
show interfaces trunkshow interfaces <interface> switchportを使い分けます。
93. よくある誤り:ネイティブVLANタグ付けオプションを忘れる
試験問題にネイティブVLANタグ付けに関する設定が明示されている場合、デフォルトのタグなし動作だけで判断しないようにします。
デフォルトと例外設定を分けて考えます。
94. 802.1Qフレームから引き継ぐ判断
802.1Qフレームを読む基本は変わりません。
タグあり
→ VLAN ID
タグなし
→ ネイティブVLAN処理ネイティブVLAN設定では、後者のタグなしフレームの扱いを詳しく判断します。
95. ネイティブVLANと他のトラブルシューティング要素を分ける
トランク通信の問題では、ネイティブVLAN以外にも、
管理モード
動作モード
許可VLAN
VLANのアクティブ状態
ルータサブインターフェース
encapsulation dot1Q
などを確認する場合があります。
ネイティブVLANの設定・動作・不一致・確認と、それ以外の原因を混同せずに切り分けます。
96. ネイティブVLANを解く基本式
最後に、ネイティブVLAN問題を次の形で整理します。
タグ付きフレーム
→ VLAN IDで判断
トランク上のタグなしフレーム
→ ネイティブVLANで判断
ネイティブVLANトラフィック
→ デフォルトではタグなし
両端ネイティブVLANが異なる
→ 不一致
ネイティブVLANタグ付けオプションあり
→ デフォルトのタグなし動作だけで判断しない97. 試験で最優先する確認
ネイティブVLAN問題では、まず次の4点を確認します。
ネイティブVLANは何番か
両端で一致しているか
フレームはタグ付きかタグなしか
ネイティブVLANタグ付けオプションがあるか
この4点を分ければ、多くのシナリオを整理できます。
98. まとめ
ネイティブVLANは802.1Qトランクでタグなしトラフィックを扱うための重要なVLANコンテキストです。
Ciscoの一般的なデフォルト動作では、ネイティブVLANトラフィックはタグなしで送信され、トランクで受信したタグなしフレームはそのポートのネイティブVLANへ関連付けられます。
ネイティブVLANは、
switchport trunk native vlan <vlan-id>で変更でき、スイッチ間トランクでは両端のネイティブVLANを整合させることが基本です。
両端が異なると、タグなしフレームを異なるVLANコンテキストへ関連付けるネイティブVLAN不一致が発生し得ます。
ただし不一致をトランク全通信停止と同義にはせず、STP/PVID整合性など別機能によるフォワーディング制限の可能性も考慮します。
確認では、
show interfaces trunkや、
show interfaces <interface> switchportを使ってネイティブVLANを確認します。
また、ネイティブVLANトラフィックはデフォルトではタグなしですが、ネイティブVLANタグ付けオプションを利用できる構成もあります。
対応するCatalyst IOS XEでは、
vlan dot1q tag nativeはグローバル設定としてネイティブVLANタグ付け動作に作用するため、インターフェース単位のネイティブVLAN ID設定とは区別します。
したがって、
ネイティブVLANは例外なく必ずタグなしとは覚えないことが重要です。
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