試験項目 2.1.b · CCNA-045
802.1Q Trunk Troubleshooting
ドメイン 2 · Switching and Network Access · Configure Network Infrastructure Connectivity
このページのゴール
802.1Q Trunkの設定・実状態を段階的に確認し、Mode、Allowed/Active VLAN、Native VLAN、Router-on-a-Stickの不整合を修正・再確認できるようにする。
このページで学ぶこと
- Trunk 実状態
- show interfaces trunk 確認情報
- show interfaces switchport 確認情報
- Allowed VLAN Path
- Active VLAN on Trunk
- Native VLAN Mismatch Diagnosis
- Router-on-a-Stick Switch Trunk
- Router dot1Q Subinterface
- Trunk 修正 修正後確認
1. 802.1Qトランクのトラブルシューティングの目的
802.1Qトランクのトラブルシューティングでは、設定値を眺めるだけではなく、実際にトランクとして動作しているか、目的のVLANが通過可能か、両端やルータ側の設定が一致しているかを順番に確認します。
代表的な確認対象は次のとおりです。
- トランクの実状態
- 管理モード・動作モード
- 許可VLAN
- アクティブVLAN
- ネイティブVLAN
- Router-on-a-Stickのスイッチ側トランク
- ルータサブインターフェースの
encapsulation dot1Q - 修正後の再確認
重要なのは、原因候補を一度に混ぜず、段階的に切り分けることです。
2. トラブルシューティングでは「設定」と「実状態」を分ける
設定に次のコマンドが存在するとします。
switchport mode trunk
これはトランクとして構成する意図を示します。
しかしトラブルシューティングでは、
設定がある
=
期待どおり通信できている
とは考えません。
実際の動作情報も確認します。
3. 最初に確認する大きなフロー
802.1Qトランクの問題は、次のフローで整理できます。
1. 対象インターフェースを確認
↓
2. トランクとして実際に動作しているか
↓
3. 対象VLANが許可されているか
↓
4. 対象VLANが存在・アクティブか
↓
5. ネイティブVLANに不整合がないか
↓
6. Router-on-a-Stickならスイッチ・ルータ双方を確認
↓
7. 原因に対応した最小修正
↓
8. 修正後に再確認
4. 症状から原因を決めつけない
「VLAN 20だけ通信できない」という症状だけから、
ネイティブVLAN不一致
や、
トランクモード不成立
と即断しません。
同じ症状でも複数の原因候補があります。
5. トランク全体か特定VLANだけかを分ける
最初の切り分けとして有効なのが、
複数VLANすべてに問題
なのか、
特定VLANだけに問題
なのかを見ることです。
特定VLANだけなら許可VLANやVLANの存在状態など、VLAN単位の条件を疑いやすくなります。
6. ただし症状だけで断定しない
「全VLANで通信できない」からといって、必ずトランクモードが原因とは限りません。
反対に「1つのVLANだけ通信できない」からといって、必ず許可VLANが原因とも限りません。
症状は調査方向を決める材料として使い、コマンド出力で確認します。
7. show interfaces trunkの役割
トランクのトラブルシューティングで中心となるコマンドの1つが、
show interfaces trunk
です。
トランクとして動作しているポートやネイティブVLAN、許可VLANなどをまとめて確認できます。
8. show interfaces trunkで最初に見ること
まず、
期待しているインターフェースが
トランクとして表示されているか
を確認します。
対象ポート自体がトランク一覧に存在しない場合は、許可VLAN以前にポートモードやインターフェース状態を確認する必要があります。
9. show interfaces trunkの代表的な確認項目
プラットフォームやソフトウェアバージョンによって表示形式は異なる場合がありますが、代表的には次の情報を確認します。
Port
Mode
Encapsulation
Status
Native vlan
さらにVLAN関連として、
Vlans allowed on trunk
Vlans allowed and active in management domain
Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
などが表示されるプラットフォームがあります。
10. Statusがtrunkingか確認する
次のような出力を考えます。
Port Mode Encapsulation Status Native vlan
Gi1/0/1 on 802.1q trunking 99
この場合、Gi1/0/1は動作上トランクとして動作していると判断できます。
11. 設定だけでトランク成立を判断しない
実行中の設定が、
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
でも、トラブルシューティングでは実際の動作情報も確認します。
show interfaces trunk
または、
show interfaces GigabitEthernet1/0/1 switchport
を利用します。
12. show interfaces switchportの役割
特定ポートを詳しく調査する場合は、
show interfaces <interface> switchport
が有効です。
代表的には次のような情報を確認できます。
Administrative Mode
Operational Mode
Access Mode VLAN
Trunking Native Mode VLAN
Trunking VLANs Enabled
表示内容はプラットフォーム・ソフトウェアバージョンによって異なる場合があります。
13. 管理モードとは何か
管理モードは、設定によって意図されたスイッチポートモードを判断する材料です。
たとえば、
Administrative Mode: trunk
なら、管理上トランクとして設定されていることを示します。
14. 動作モードとは何か
動作モードは、インターフェースが実際にどのスイッチポートモードとして動作しているかを判断する材料です。
Operational Mode: trunk
なら、動作上トランクとして動作しています。
15. 管理モードと動作モードを比較する
次の出力を考えます。
Administrative Mode: trunk
Operational Mode: trunk
この場合、設定意図と実状態がトランクで一致しています。
トラブルシューティングではこの2つを分けて読みます。
16. モードが正しければ次の確認へ進む
トランクとして正常に動作していることを確認したら、
トランクだから問題なし
で調査を終了しません。
次は対象VLANがそのトランクを通過できる条件を確認します。
17. 許可VLANを確認する
トランクとして動作していても、対象VLANが許可VLAN一覧から外れていれば、そのVLANのトラフィックを期待どおり運べません。
確認対象は、
Vlans allowed on trunk
です。
18. 許可VLANのシナリオ
次の出力を考えます。
Vlans allowed on trunk
10,20,30
VLAN 20の通信を調査している場合、VLAN 20は許可VLAN一覧に含まれています。
VLAN 40を調査している場合は含まれていません。
19. 許可VLANとトランク成立は別
次の2点は別々に確認します。
動作モード = trunk
と、
VLAN 20は許可されている
トランク自体が成立していても、対象VLANが許可されていなければVLAN単位の問題が残ります。
20. 許可VLANの設定を確認する
設定では代表的に、
switchport trunk allowed vlan 10,20,30
のような設定を確認します。
これはネイティブVLAN設定とは別です。
21. 許可VLAN不足のシナリオ
SW1-SW2間のトランクでVLAN 10と20を使用する設計なのに、SW1側が次の設定だとします。
switchport trunk allowed vlan 10
VLAN 20が許可VLAN一覧に含まれていないため、VLAN 20の経路を確認する必要があります。
22. 許可VLANはリンク単位で追う
複数スイッチを経由する場合、最初のトランクだけ許可でも十分とは限りません。
SW1
│ VLAN 20 許可
↓
SW2
│ VLAN 20は許可されていない
↓
SW3
この場合、途中のSW2-SW3リンクでVLAN 20の経路が途切れます。
23. 許可VLANの経路として考える
対象VLANがエンドポイント間を通るには、必要な各トランクリンクでそのVLANが通過可能である必要があります。
VLAN 20
SW1 ─── SW2 ─── SW3
各トランクでVLAN 20を確認
1つのポートだけを確認して経路全体が正常と決めつけません。
24. 許可VLAN修正時の注意
許可VLANを修正するときは、既存一覧を意図せず置き換えないようにします。
たとえば既存VLANを維持しながらVLAN 30を追加する意図なら、プラットフォームで利用可能な構文として、
switchport trunk allowed vlan add 30
のような操作を使用できます。
問題文の既存設定と目的を確認してコマンドを選びます。
25. 許可されていても通信可能とは限らない
VLAN 20が許可VLAN一覧に存在しても、それだけでVLAN 20の通信成功は保証されません。
次に、
VLAN自体が存在し、利用可能な状態か
を確認します。
26. アクティブVLANを確認する理由
許可VLAN一覧は、
このトランクで許可するVLAN
に関する情報です。
一方で、そのスイッチ上に対象VLANが存在して利用可能であるかは別の確認です。
27. show vlan briefを利用する
VLANの存在や基本状態を確認する代表的なコマンドが、
show vlan brief
です。
対象VLAN IDが存在しているかを確認します。
28. VLAN存在確認シナリオ
VLAN 30を利用する設計で、
show vlan brief
にVLAN 30が存在しない場合を考えます。
許可VLAN一覧にVLAN 30が書かれていても、
許可
=
VLANがスイッチ上に作成済み
とは限りません。
29. 許可VLANとアクティブVLANを分離する
次の2つは異なる条件です。
許可VLAN
と、
VLANの存在・アクティブ状態
トラブルシューティングでは両方を確認します。
30. show interfaces trunkのVLAN一覧を段階的に読む
show interfaces trunkでは、プラットフォームによって複数段階のVLAN一覧を確認できます。
概念的には、
設定済み・許可VLAN
↓
許可VLANとアクティブVLAN
↓
フォワーディング可能な対象
のように条件が絞られます。
31. 許可VLANとアクティブVLANを読む
たとえば、
Vlans allowed on trunk
10,20,30
Vlans allowed and active in management domain
10,20
なら、VLAN 30について、
許可VLAN一覧には存在
しかしアクティブ側には現れていない
ことが調査材料になります。
32. フォワーディング状態の欄も区別する
プラットフォームによっては、
Vlans in spanning tree forwarding state and not pruned
という情報も表示されます。
これは単純な許可VLAN一覧とは別の情報です。
この欄はSTPの状態やプルーニングの影響を反映するため、単純な許可VLAN一覧とは別の情報として読みます。
33. VLANが表示される欄を間違えない
同じshow interfaces trunk内でも、
許可
許可VLANとアクティブVLAN
フォワーディング
は同じ意味ではありません。
どの欄を見ているかを意識します。
34. トランクのトラブルシューティング中間フロー
ここまでをまとめると、
ポートはトランクか
↓
対象VLANは許可されているか
↓
対象VLANは存在・アクティブか
↓
必要なフォワーディング条件を満たすか
という順番で整理できます。
35. ネイティブVLANも確認する
トランクが成立し、許可VLANにも問題がない場合でも、ネイティブVLANの不一致が存在する可能性があります。
両端のネイティブVLANを比較します。
36. ネイティブVLANの確認コマンド
代表的には、
show interfaces trunk
の、
Native vlan
を確認します。
必要に応じて、
show interfaces <interface> switchport
のネイティブVLAN情報も確認します。
37. ネイティブVLAN不一致のシナリオ
次の状態を考えます。
SW1 Gi1/0/1
ネイティブVLAN 99
SW2 Gi1/0/1
ネイティブVLAN 1
両端のネイティブVLANが一致していません。
38. 不一致の中心的な問題
デフォルト動作ではネイティブVLANトラフィックがタグなしとなる構成があります。
両端のネイティブVLANが異なると、タグなしフレームを異なるVLANコンテキストへ関連付ける可能性があります。
SW1ではVLAN 99
↓
タグなし
↓
SW2ではVLAN 1
39. 不一致を見つけても設計値を確認する
ネイティブVLAN不一致を見つけたからといって、
VLAN番号が大きい側が正しい
あるいは、
VLAN 1へ戻せばよい
とは判断しません。
意図した設計値を確認して両端を揃えます。
40. ネイティブVLANの修正例
設計上ネイティブVLAN 99が正しい場合は、対象トランクインターフェースで、
switchport trunk native vlan 99
を使用して両端を整合させます。
修正後は再度動作出力を確認します。
41. ネイティブVLAN不一致だけで全断と断定しない
ネイティブVLAN不一致が存在しても、
トランク上の全トラフィックが必ずダウン
と一律には判断しません。
一方で、プラットフォームのループ防止機構や整合性確認機構などが影響する場合もあるため、
タグ付きトラフィックなら必ず正常
とも断定しません。
ネイティブVLAN不整合は、モードや許可VLANなどと並ぶ原因候補の1つとして切り分けます。
42. DTPとトランク状態を切り分ける
DTPを使用する環境では、トランク形成にネゴシエーションが関係する場合があります。
ただしトラブルシューティングでは、DTPの有無だけで判断せず、最終的にポートがトランクとして動作しているかを確認します。
設定上のモード
↓
DTPなどのネゴシエーション条件
↓
実際の動作モード
静的にswitchport mode trunkを設定している場合も、確認コマンドで実際の動作状態を確認する考え方は同じです。
43. Router-on-a-Stickもトランクのトラブルシューティング対象
Router-on-a-Stickでは、1本の物理ルータインターフェース上に複数のサブインターフェースを作成し、複数VLANをルーティングします。
そのためスイッチとルータ間のリンクでは、VLANコンテキストを正しく運ぶ必要があります。
44. スイッチ側ポートを確認する
Router-on-a-Stickで複数VLANをルータへ渡す場合、スイッチ側の接続ポートは通常トランクとして構成します。
スイッチ
Gi1/0/24
│ トランク
│ VLAN 10・20
↓
ルータ
Gi0/0
45. スイッチ側がアクセスポートならどうなるか
複数VLANをルータサブインターフェースへ渡す設計なのに、スイッチ側ポートがアクセスポートとして動作している場合、期待する複数VLANの802.1Qトラフィックをそのリンクへ渡せません。
まずスイッチポートの実状態を確認します。
46. ルータ側だけ見ない
Router-on-a-Stickの障害で、
ルータサブインターフェースがある
という理由だけでルータ側を正常と判断しません。
スイッチ側トランクとルータ側サブインターフェースの両方を確認します。
47. ルータサブインターフェースを確認する
ルータ側では代表的に、
interface GigabitEthernet0/0.20
encapsulation dot1Q 20
ip address ...
のような構成を確認します。
重要なのは、
encapsulation dot1Q <vlan-id>
です。
48. dot1Q VLAN IDを確認する
VLAN 20用のサブインターフェースなのに、
encapsulation dot1Q 30
となっていれば、ルータが期待する802.1Q VLAN関連付けとスイッチ側のVLANが一致しません。
49. サブインターフェース番号だけを信用しない
次のインターフェース名があります。
GigabitEthernet0/0.20
.20というサブインターフェース番号だけを見て、
VLAN 20である
と確定しません。
実際のVLAN関連付けは、
encapsulation dot1Q 20
を確認します。
50. サブインターフェース番号とVLAN IDを分ける
次の構成は、読み方としては別々の値です。
interface GigabitEthernet0/0.20
encapsulation dot1Q 30
この場合、
サブインターフェース番号 = 20
802.1Q VLAN ID = 30
です。
トラブルシューティングではencapsulation dot1Qを確認します。
51. Router-on-a-Stickの対応関係
代表的な正しい対応例は次のようになります。
スイッチ側VLAN 10
↓
802.1Q VID 10
↓
ルータサブインターフェース
encapsulation dot1Q 10
スイッチ側VLAN 20
↓
802.1Q VID 20
↓
ルータサブインターフェース
encapsulation dot1Q 20
52. スイッチ側の許可VLANも確認する
スイッチポートがトランクでも、ルータへ渡したいVLANが許可VLAN一覧から外れていれば問題が残ります。
スイッチ側トランク
許可VLAN 10のみ
ルータ
VLAN 10サブインターフェース
VLAN 20サブインターフェース
この場合、VLAN 20の経路をスイッチ側で確認します。
53. ルータサブインターフェースが正しくてもスイッチ側で止まる
ルータ側に、
encapsulation dot1Q 20
が正しく存在していても、スイッチ側トランクでVLAN 20が許可されていなければ、ルータへ期待どおりフレームが到達しません。
両側を関連付けて確認します。
54. スイッチ側が正しくてもルータ側で不一致する
反対にスイッチ側トランクが正常でも、
スイッチ側VLAN 20
に対してルータ側が、
encapsulation dot1Q 30
ならVLAN関連付けが一致していません。
55. Router-on-a-Stickの確認フロー
Router-on-a-Stickでは次の順番で確認できます。
スイッチポートはトランクか
↓
対象VLANは許可されているか
↓
対象VLANはスイッチ上で利用可能か
↓
ルータサブインターフェースは存在するか
↓
encapsulation dot1Q VLAN-IDは一致するか
↓
必要なL3設定を確認
この確認では、802.1Qに関係するスイッチ側トランクとルータ側サブインターフェースの対応を切り分けます。
56. ネイティブVLANをRouter-on-a-Stickで使う場合
問題文でネイティブVLANをRouter-on-a-Stickへ関連付ける構成が明示されている場合は、スイッチ側ネイティブVLANとルータ側802.1Q設定の整合性も確認します。
たとえばスイッチ側ネイティブVLANが99で、デフォルトのタグなしネイティブVLAN動作を利用する設計なら、ルータ側でも対応サブインターフェースがネイティブVLANとして設定されているか確認します。
代表的には次のような設定です。
interface GigabitEthernet0/0.99
encapsulation dot1Q 99 native
nativeキーワードは、そのサブインターフェースで指定したVLANをネイティブVLANとして扱うことを示します。
したがって、
encapsulation dot1Q 99
と、
encapsulation dot1Q 99 native
を同一の設定として扱いません。
ネイティブVLANのタグ付け動作と、ルータ側サブインターフェースのnative指定は、スイッチ側とルータ側で整合しているかを確認します。
57. 1つのコマンドだけで全原因を判断しない
show interfaces trunkは非常に有用ですが、すべての原因を1つの出力だけで確定できるとは限りません。
必要に応じて、
show interfaces trunk
show interfaces <interface> switchport
show vlan brief
show running-config
などを組み合わせます。
58. showコマンドには役割がある
代表的な使い分けは次のとおりです。
| 確認対象 | 代表的な確認方法 |
|---|---|
| トランク一覧・ネイティブVLAN・許可VLAN | show interfaces trunk |
| 個別ポートの管理モードと動作モード情報 | show interfaces <interface> switchport |
| VLANの存在・基本状態 | show vlan brief |
| 実際の設定 | show running-config |
問題に応じて必要な情報を選びます。
59. 実行中の設定と動作出力を組み合わせる
トラブルシューティングでは、
何を設定したか
と、
実際にどう動作しているか
を比較します。
片方だけではなく両方を見ることで原因を絞り込みやすくなります。
60. 設定確認例
対象ポートだけを確認する場合、プラットフォームで利用可能な構文として、
show running-config interface GigabitEthernet1/0/1
などを使用できます。
表示構文はプラットフォームやソフトウェアバージョンによって異なる場合があります。
61. トラブルシューティングでは最小単位で比較する
スイッチ間トランクで問題がある場合、
SW1対象ポート
↕
SW2対向ポート
を比較します。
Router-on-a-Stickなら、
スイッチ対象ポート
↕
ルータ物理インターフェース・サブインターフェース
を比較します。
62. 両端でモードを確認する
スイッチ間トランクでは、一方だけが期待どおりでも十分とは限りません。
SW1 Gi1/0/1
Operational Mode: trunk
SW2 Gi1/0/1
Operational Mode: ?
対向側も確認します。
63. 両端でネイティブVLANを確認する
同様にネイティブVLANも、
SW1 ネイティブVLAN 99
SW2 ネイティブVLAN 99
のように比較します。
片側だけ見て一致していると判断しません。
64. 許可VLANも経路全体を見る
VLAN 30の通信経路に複数のトランクがある場合は、
トランクA
トランクB
トランクC
それぞれでVLAN 30が通過可能かを確認します。
65. 「設定されている」を正常判定にしない
次の設定が存在するとします。
switchport trunk allowed vlan 10,20,30
それでも、
- 対象ポートがトランクとして動作しているか
- VLAN 30が存在しているか
- 経路上の他ポートも適切か
を確認します。
66. 「許可されている」を正常判定にしない
許可VLAN一覧にVLAN 20があっても、
許可だから原因ではない
と即断しません。
アクティブVLAN情報や経路の他リンクも確認します。
67. 「ネイティブVLAN不一致がある」を唯一の原因にしない
ネイティブVLAN不一致を見つけた場合でも、別の問題が同時に存在する可能性があります。
たとえば、
ネイティブVLAN不一致
と
VLAN 20が許可されていない
という複合障害もあり得ます。
68. 1つ修正したら再確認する
原因候補を修正したら、
次の設定もついでに変更
と無関係な変更を重ねるのではなく、まず結果を再確認します。
最小修正はトラブルシューティングを明確にします。
69. モード不整合の修正例
設計上静的トランクが必要で、対象ポートのモードが原因なら、例として、
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
のように意図した設定へ修正します。
その後動作モードを再確認します。
70. 許可VLAN不足の修正例
既存許可VLANを維持しながらVLAN 30を追加する設計なら、対応プラットフォームでは例として、
switchport trunk allowed vlan add 30
を使用できます。
修正後に許可VLAN一覧を再確認します。
71. ネイティブVLAN不一致の修正例
設計上ネイティブVLAN 99なら、対象ポートで、
switchport trunk native vlan 99
を設定し、対向側との一致を確認します。
72. ルータ側dot1Q不一致の修正例
VLAN 20用サブインターフェースで誤って、
encapsulation dot1Q 30
となっている場合、設計がVLAN 20なら、
encapsulation dot1Q 20
へ修正します。
修正対象は設計値に基づいて決定します。
73. VLAN不足の修正は設計を確認して行う
対象VLANがスイッチに存在しない場合でも、
見つからないから自動的に作成
とはしません。
そのVLANが本当にそのスイッチで必要な設計かを確認してから修正します。
74. 修正後の確認は必須
設定コマンドが受理されたことだけで完了としません。
修正後は、
確認コマンドの出力
と
対象VLANの疎通結果
で再確認します。
75. モード修正後の再確認
トランクモードを修正した場合は、
show interfaces trunk
または、
show interfaces <interface> switchport
で動作モードを確認します。
76. 許可VLAN修正後の再確認
許可VLANを修正した場合は、
Vlans allowed on trunk
に対象VLANが期待どおり現れるか確認します。
必要に応じてアクティブVLAN側も確認します。
77. ネイティブVLAN修正後の再確認
ネイティブVLANを修正した場合は、両端で、
Native vlan
を確認し、意図した値に一致しているか確認します。
78. ルータサブインターフェース修正後の再確認
ルータ側encapsulation dot1Qを修正した場合は、実行中の設定を再確認し、スイッチ側VLANとの対応を確認します。
その後、対象VLANの疎通を確認します。
79. 疎通確認は修正内容と対応させる
修正後に疎通確認するときは、何を確認したいかを明確にします。
たとえばVLAN 20のトランク経路を修正したなら、
VLAN 20に属するエンドポイント間
または設計上必要なゲートウェイまでの疎通を確認します。
80. pingだけでレイヤ2原因を確定しない
ping成功・失敗は重要な結果ですが、pingだけでトランク設定のどの部分が原因かまでは確定できません。
原因の切り分けでは、
確認コマンドの出力
と
設定
と
疎通結果
を組み合わせます。
81. シナリオ:設定上トランクだが実状態を確認したい
実行中の設定:
interface GigabitEthernet1/0/1
switchport mode trunk
最初に確認したいのは、対象ポートが実際にトランクとして動作しているかです。
代表的には、
show interfaces trunk
を確認します。
82. シナリオ:管理モードと動作モードを詳しく見たい
対象ポート単位で、
Administrative Mode
Operational Mode
Trunking Native Mode VLAN
Trunking VLANs Enabled
などを詳しく確認したい場合は、
show interfaces GigabitEthernet1/0/1 switchport
を利用します。
83. シナリオ:VLAN 30だけ通信できない
トランク自体は動作上正常で、VLAN 10と20は通信できるがVLAN 30だけ通信できないとします。
優先的な確認候補には、
VLAN 30が許可されているか
VLAN 30が存在・アクティブか
経路上の各トランクでVLAN 30を運べるか
があります。
84. シナリオ:許可されているのに通信できない
出力:
Vlans allowed on trunk
10,20,30
VLAN 30が通信できないとします。
許可であることだけで終了せず、
許可VLANとアクティブVLAN
側やVLANの存在状態、経路の他ポートを確認します。
85. シナリオ:許可VLANとアクティブVLANで差がある
出力:
Vlans allowed on trunk
10,20,30
Vlans allowed and active in management domain
10,20
VLAN 30について、
許可ではある
しかしアクティブ側には現れていない
という差を原因調査へ利用します。
86. シナリオ:ネイティブVLANが99と1
SW1:
ネイティブVLAN = 99
SW2:
ネイティブVLAN = 1
ネイティブVLAN不一致として確認し、設計値を確認した上で両端を整合させます。
87. シナリオ:Router-on-a-StickでVLAN 20だけ失敗
スイッチ側:
トランク
許可VLAN 10,20
ルータ側:
interface GigabitEthernet0/0.10
encapsulation dot1Q 10
interface GigabitEthernet0/0.20
encapsulation dot1Q 30
VLAN 20用のルータサブインターフェースでVLAN IDが一致していません。
88. シナリオ:ルータ側は正しいがスイッチ側がアクセス
ルータ:
encapsulation dot1Q 10
encapsulation dot1Q 20
スイッチ側ルータ接続ポート:
Operational Mode: static access
複数VLANをRouter-on-a-Stickへ渡す設計との不整合を確認します。
89. シナリオ:スイッチポートはトランクだがVLAN 20が許可されていない
スイッチ:
動作モード = トランク
許可VLAN = 10
ルータ:
encapsulation dot1Q 10
encapsulation dot1Q 20
VLAN 20のルータサブインターフェースが存在していても、スイッチ側トランク経路が成立していません。
90. シナリオ:修正後に何を見るか
許可VLANへVLAN 20を追加した後は、
show interfaces trunk
でVLAN 20が期待する一覧へ現れるか確認します。
その後、VLAN 20の疎通を再確認します。
91. よくある誤り:running-configだけで終了する
誤り:
switchport mode trunkがある
→ トランクは正常
トラブルシューティングでは実際の動作情報も確認します。
92. よくある誤り:show interfaces trunkだけで全部分かる
show interfaces trunkは重要ですが、個別ポートの詳細、VLANの存在、ルータサブインターフェース設定などは別コマンドが必要になる場合があります。
必要な情報に応じてコマンドを選択します。
93. よくある誤り:許可されていればアクティブとみなす
許可
=
存在・アクティブ
ではありません。
許可VLANとアクティブVLANを分けます。
94. よくある誤り:ネイティブVLAN不一致だけで全断と断定する
ネイティブVLAN不一致は重要な不整合ですが、その存在だけで全VLANのトラフィック状態を一律に決めません。
実際の動作情報を確認します。
95. よくある誤り:サブインターフェース番号だけを見る
Gi0/0.20
だからVLAN 20と決めつけず、
encapsulation dot1Q <vlan-id>
を確認します。
96. よくある誤り:スイッチ側かルータ側の片方だけを見る
Router-on-a-Stickでは、
スイッチ側トランク
↕
802.1Q VLAN ID
↕
ルータサブインターフェース
という対応関係があります。
片側だけが正しくても経路全体の設定は完成しません。
97. よくある誤り:複数設定を一度に変更する
原因が確定していない状態でモード、許可VLAN、ネイティブVLANなどを一度に変更すると、どの修正が有効だったか分かりにくくなります。
原因を切り分け、必要な設定を修正し、再確認します。
98. トランクのトラブルシューティング判断表
| 確認したいこと | 主な確認情報 |
|---|---|
| ポートがトランクとして実動作しているか | show interfaces trunk |
| 管理モードと動作モード | show interfaces <interface> switchport |
| 対象VLANが許可されているか | 許可VLAN一覧 |
| VLANが存在・アクティブか | show vlan brief・トランクのアクティブVLAN情報 |
| ネイティブVLAN | トランク・switchport出力 |
| ネイティブVLAN両端一致 | 対向ポートとの比較 |
| スイッチ→ルータのVLAN経路 | スイッチ側トランク・許可VLAN |
| ルータ側VLAN関連付け | encapsulation dot1Q <vlan-id> |
| 修正結果 | showコマンドと疎通 |
99. 試験での基本判断順序
問題文でトランク障害が提示された場合は、次の順序で整理します。
1. どのポート・VLANが問題か
2. トランクの実状態はどうか
3. 対象VLANは許可されているか
4. 対象VLANは利用可能か
5. ネイティブVLANは両端で一致しているか
6. Router-on-a-Stickならdot1Q IDは一致しているか
7. 原因に合う修正は何か
8. 修正後に何を確認するか
100. 「確認 → 特定 → 修正 → 再確認」で解く
トランクのトラブルシューティングでは、
確認
↓
原因特定
↓
最小修正
↓
再確認
のフローを崩さないことが重要です。
コマンドを暗記するだけでなく、各コマンドから何を確認するのかを理解します。
101. 問題パターン1:トランクの実状態
設定にはトランク設定があるが、実際の動作状態を確認したい。
どの情報を確認すべきか判断します。
102. 問題パターン2:show interfaces trunk
トランクポート、ネイティブVLAN、許可VLANなどを一覧で確認するコマンドを判断します。
103. 問題パターン3:show interfaces switchport
特定ポートの管理モードと動作モードを詳細に確認するコマンドを判断します。
104. 問題パターン4:許可VLANの経路
特定VLANだけ通信できないシナリオで、経路上のトランクの許可VLANを確認します。
105. 問題パターン5:トランク上のアクティブVLAN
許可VLAN一覧には存在するがアクティブ側に現れないVLANを判断します。
106. 問題パターン6:ネイティブVLAN不一致の診断
両端のネイティブVLAN情報から不一致を判断し、設計値へ揃える方針を選択します。
107. 問題パターン7:Router-on-a-Stickのスイッチ側トランク
複数ルータサブインターフェースへVLANを渡すスイッチポートがトランクとして動作しているか判断します。
108. 問題パターン8:ルータのdot1Qサブインターフェース
ルータサブインターフェースのencapsulation dot1Q VLAN IDとスイッチ側VLANの対応を判断します。
109. 問題パターン9:修正後確認
設定修正後にshowコマンドと疎通で結果を確認する方針を判断します。
110. 問題パターン10:設定と実状態
switchport mode trunkが存在していても、動作状態を別途確認する必要があるシナリオを判断します。
111. 問題パターン11:モードと許可VLANの組み合わせ
特定VLAN障害について、
動作モード
と
許可VLAN
を組み合わせて原因を絞り込みます。
112. 問題パターン12:アクティブVLANとネイティブVLAN
許可VLANだけでは説明できない問題で、VLANの存在状態とネイティブVLAN不整合を別々に確認します。
113. 問題パターン13:スイッチ側トランクとルータ側dot1Q
Router-on-a-Stickでスイッチ側トランクは成立しているが、ルータ側VLAN IDが不一致しているシナリオを判断します。
114. 問題パターン14:修正と再確認
原因に対応した最小修正を行い、その後どの出力と疎通を確認すべきか判断します。
115. 最終トラブルシューティングフロー
最後に、実際の問題を次のフローへ当てはめます。
対象ポート・VLANを特定
↓
トランクの実状態を確認
↓
管理モードと動作モードを比較
↓
許可VLANを確認
↓
アクティブVLANを確認
↓
ネイティブVLANを両端で比較
↓
Router-on-a-Stickならスイッチ・ルータ双方を照合
↓
encapsulation dot1QのVLAN IDを確認
↓
原因に対応した最小修正
↓
確認コマンドで再確認
↓
対象VLANの疎通を再確認
116. まとめ
802.1Qトランクのトラブルシューティングでは、設定だけを見て正常と判断せず、動作情報を段階的に確認します。
最初に、
show interfaces trunk
でトランクの実状態、ネイティブVLAN、許可VLANなどを確認します。
特定ポートの詳細には、
show interfaces <interface> switchport
を使用し、管理モードと動作モードを分けて確認します。
VLAN単位では、
許可
と、
存在・アクティブ
を別々に判断します。
ネイティブVLANは両端を比較し、不一致があれば設計値に基づいて整合させます。
Router-on-a-Stickでは、
スイッチ側トランク
↓
許可VLAN
↓
802.1Q VLAN ID
↓
ルータサブインターフェース
encapsulation dot1Q
という対応関係を確認します。
問題を修正した後は、
確認コマンドの出力
と
疎通結果
で必ず再確認します。
トランクのトラブルシューティングの基本は、
確認
→ 原因特定
→ 最小修正
→ 再確認
です。
理解確認
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