試験項目 2.1.c · CCNA-047
LACP
ドメイン 2 · Switching and Network Access · Configure Network Infrastructure Connectivity
このページのゴール
IEEE LACPのactive / passive動作を理解し、形成可能なMode組み合わせと基本Verificationを判断できるようにする。
このページで学ぶこと
- LACP Standard
- LACP active Behavior
- LACP passive Behavior
- LACP active-active Formation
- LACP active-passive Formation
- LACP passive-passive Failure
- LACP Neighbor Verification
1. LACPとは何か
LACPは、複数の物理Ethernetリンクを1つの論理Port-Channelへまとめる際に、対向デバイスとの間でリンク集約に関する情報を交換するプロトコルです。
LACPは、
Link Aggregation Control Protocol
の略で、日本語ではリンク集約制御プロトコルと表現できます。
EtherChannelそのものと、LACPというネゴシエーションプロトコルを分けて理解します。
2. EtherChannelとLACPの関係
EtherChannelは、
複数物理リンク
↓
論理Port-Channel
として扱う仕組みです。
LACPは、そのPort-Channel形成に利用できる標準的なネゴシエーションプロトコルです。
したがって、
EtherChannel
=
LACPそのもの
ではありません。
3. LACPは標準プロトコル
LACPはIEEEで標準化されたリンク集約用プロトコルです。
現在のリンク集約標準ではIEEE 802.1AXとして扱われます。
古い資料では、LACPをIEEE 802.3adとして説明している場合もあります。
試験では、
LACP
→ 標準プロトコル
という識別が重要です。
4. Cisco独自プロトコルではない
LACPはCiscoデバイスだけに限定された独自プロトコルではありません。
標準プロトコルであるため、LACPに対応する異なるベンダー間で利用される構成もあります。
ただし実際に形成できるかどうかは、双方の機能・設定・メンバー条件にも依存します。
5. LACPで交換する情報
LACPを利用するインターフェース同士では、LACPDUと呼ばれる制御フレームを交換します。
これによってデバイスは、対向ポートがLACPへ参加していることなどを認識できます。
スイッチA スイッチB
│ │
│────── LACPDU ───────────>│
│<───── LACPDU ────────────│
│ │
6. LACPDUはデータトラフィックそのものではない
LACPDUは、ユーザートラフィックを運ぶデータフレームそのものではありません。
リンク集約を制御するための制御トラフィックです。
LACPDU
→ リンク集約制御
ユーザーデータ
→ 実際の通信トラフィック
として区別します。
7. LACPで重要な2つのモード
CCNAで特に重要なのが、
active
passive
の2つです。
この2つは、LACPネゴシエーションをどちらが開始するかに関係します。
8. activeモード
LACPのactiveモードは、LACPによるネゴシエーションを能動的に開始するモードです。
対向に対してLACPDUを送信し、LACP対向機器との形成を試みます。
active
→ 自らLACPネゴシエーションを開始
と覚えます。
9. passiveモード
LACPのpassiveモードは、自らネゴシエーションを開始する側ではありません。
対向からLACPDUを受信すると、LACPに参加して応答できます。
passive
→ 自ら開始しない
→ 受信したLACPへ応答できる
という動作です。
10. passiveはLACP無効ではない
passiveを、
LACP無効
と考えてはいけません。
passiveもLACPモードです。
active側からLACPネゴシエーションが開始されれば、passive側は応答できます。
11. passiveは待機ポートという意味ではない
passiveという言葉から、
普段は使用しないバックアップリンク
と誤解しないようにします。
passiveはLACPネゴシエーションの開始動作を表すモードです。
EtherChannel形成後のトラフィック転送上の役割を意味する言葉ではありません。
12. activeも転送上の役割ではない
同様にactiveも、
現在トラフィックを転送している主リンク
という意味ではありません。
active・passiveはLACPネゴシエーション動作です。
13. モードを「開始するか」で整理する
最も重要な違いは次のとおりです。
| LACPモード | ネゴシエーション開始 |
|---|---|
| active | 自ら開始する |
| passive | 自らは開始しない |
この違いからモードの組み合わせの形成可否を判断できます。
14. activeとpassiveの通信イメージ
片側がactive、片側がpassiveの場合を考えます。
SW1 SW2
active passive
│ │
│──── LACPDU ─────────────>│
│<────── LACP応答 ─────────│
│ │
active側が開始するため、LACPネゴシエーションを進められます。
15. 形成可能という言葉の意味
ここで、
active・passiveは形成可能
という場合、
LACPモードの組み合わせとして形成可能
という意味です。
メンバー互換性や物理リンクなど、その他の必要条件まで自動的に正常であることを意味しません。
16. active-active
両端がactiveの場合を考えます。
SW1 SW2
active active
双方がLACPネゴシエーションを開始できます。
したがってactive-activeは、LACPモードの組み合わせとして形成可能です。
17. active-activeのイメージ
SW1 SW2
active active
│──── LACPDU ─────────────>│
│<──── LACPDU ─────────────│
双方がLACPへ能動的に参加します。
18. active-activeは問題ではない
「両端とも開始するから競合する」と考えてはいけません。
LACPはactive-activeの組み合わせを利用できます。
activeとactive
→ 形成可能な組み合わせ
です。
19. active-passive
片側がactive、もう片側がpassiveの場合もLACPを形成可能です。
SW1 SW2
active passive
active側がネゴシエーションを開始し、passive側が応答できます。
20. active-passiveの中心
重要なのは、
少なくとも一方がactive
であることです。
active側が存在するため、ネゴシエーション開始側があります。
21. passive-activeも同じ考え方
インターフェースの左右を入れ替えて、
SW1 SW2
passive active
でも、モードの組み合わせとして形成可能です。
どちらのデバイスがactiveであるかではなく、
少なくとも一方がactiveか
を確認します。
22. passive-passive
両端がpassiveの場合を考えます。
SW1 SW2
passive passive
双方とも自らLACPネゴシエーションを開始しません。
そのため、この組み合わせではLACP EtherChannelを形成できません。
23. passive-passiveで何が不足するか
passive-passiveでは、
SW1
開始しない
SW2
開始しない
となります。
つまりネゴシエーションを開始する側がありません。
24. passive-passiveを直す基本
passive-passiveが原因なら、少なくとも片側をactiveにすることで、LACPモードの組み合わせとして形成可能になります。
passiveとpassive
↓
activeとpassive
または、
activeとactive
へ変更できます。
ここでは、モードの組み合わせと形成可否を分けて判断します。
25. モードの組み合わせ一覧
LACPの基本的な組み合わせを整理します。
| 側A | 側B | LACP形成 |
|---|---|---|
| active | active | 可能 |
| active | passive | 可能 |
| passive | active | 可能 |
| passive | passive | 不可 |
この表は重要です。
26. 「片側passiveだから形成不可」は誤り
次の考え方は誤りです。
passiveが1台ある
→ LACP形成不可
passiveはactiveからのLACPへ応答できるため、
activeとpassive
は形成可能です。
27. 「両端active必須」でもない
LACP形成に、
activeとactive
だけが許されるわけではありません。
activeとpassive
も有効です。
28. passive-passiveだけがモード上の問題
active・passiveの基本的な組み合わせだけに注目すると、
passiveとpassive
では開始側がないため形成できません。
ただし他の組み合わせでも、別の設定不整合があればEtherChannel全体として正常形成できない場合があります。
29. LACPモードとメンバー互換性を分ける
EtherChannelメンバーには互換性が必要です。
したがって、
activeとactive
だからといって、
必ず正常バンドル
とは限りません。
LACPモードとメンバー条件は別の確認項目です。
30. 物理リンクも必要
LACPモードの組み合わせが正しくても、物理インターフェース自体に問題があれば期待するバンドルにはなりません。
モードの組み合わせ
・物理リンク
・メンバー互換性
など複数条件が関係します。
LACPモード、物理状態、メンバー互換性を別々に確認します。
31. LACPモードの設定イメージ
Cisco IOS系では、EtherChannelメンバーへLACPモードを指定する際に、
channel-group 1 mode active
または、
channel-group 1 mode passive
のような構文を使用する構成があります。
activeとpassiveの意味を区別して読みます。
32. チャネルグループ番号
次の例を考えます。
channel-group 1 mode active
ここで、
active
がLACPモードです。
1は自装置上で利用するチャネルグループ番号です。
チャネルグループ番号とLACPモードは別の値として読みます。
33. active設定例
例:
interface GigabitEthernet1/0/1
channel-group 1 mode active
このインターフェースは、チャネルグループ1へLACPのactiveモードで参加するよう構成されています。
34. passive設定例
例:
interface GigabitEthernet1/0/1
channel-group 1 mode passive
このインターフェースはLACPのpassiveモードとして構成されています。
35. activeとpassiveをコマンドから識別する
問題文に、
channel-group 1 mode active
とあれば、
LACP
と
ネゴシエーションを開始するモード
と判断します。
36. passiveをコマンドから識別する
問題文に、
channel-group 1 mode passive
とあれば、
LACP
と
自らネゴシエーションを開始しないモード
と判断します。
37. mode onとの違い
Cisco EtherChannelでは、環境によってネゴシエーションプロトコルを使わず強制的にチャネル化するonモードが存在します。
しかし、
mode on
はLACPのactive・passiveではありません。
LACPのactive・passiveとonを区別します。
38. LACPを使う問題ではactive・passiveを見る
問題文に、
LACPを使用する
と明示されている場合は、
active
passive
の組み合わせを確認します。
LACPを使用する場合は、activeとpassiveの組み合わせを確認します。
39. 標準プロトコルを問う問題
試験では、
標準化されたリンク集約ネゴシエーションプロトコルはどれか
のように問われることがあります。
この場合、
LACP
を識別します。
40. 標準化という観点
LACPの大きな特徴は標準プロトコルであることです。
したがってベンダー固有プロトコルとの比較問題では、
IEEE標準
→ LACP
という判断が重要になります。
41. activeの動作を言葉で判断する
次の説明があればactiveを判断します。
LACPDUを能動的に送信する
ネゴシエーションを開始する
42. passiveの動作を言葉で判断する
次の説明があればpassiveを判断します。
LACPを受信すれば応答する
自らネゴシエーションを開始しない
43. active-activeの判断
次の組み合わせなら、
側A = active
側B = active
LACPモードの組み合わせとして形成可能です。
44. active-passiveの判断
次の組み合わせなら、
側A = active
側B = passive
active側が開始するため、LACPモードの組み合わせとして形成可能です。
45. passive-passiveの判断
次の組み合わせなら、
側A = passive
側B = passive
開始側がないためLACP EtherChannelは形成されません。
46. モード表から形成可否を判断する
試験では長い設定がなくても、
SW1 active
SW2 passive
だけで形成可否を問われる場合があります。
その場合は、
少なくとも一方active
→ モード上は形成可能
という原則を使います。
47. モードの組み合わせを判断するフロー
両端のLACPモードを確認
↓
activeが少なくとも1つあるか
↓
はい → モード上は形成可能
いいえ → passive/passiveなので形成不可
と整理できます。
48. 「形成可能」と「形成済み」を分ける
active-activeまたはactive-passiveなら、
モードの組み合わせとして形成可能
です。
しかし実際に、
現在EtherChannelが正常形成されている
かどうかは確認が必要です。
49. 設定だけで終わらない
設定に、
channel-group 1 mode active
が存在していても、それだけでLACP対向機器まで正常に認識されているとは判断しません。
動作情報を確認します。
50. LACP対向情報の確認
LACPの対向情報を確認する代表的なコマンドが、
show lacp neighbor
です。
LACP対向機器が認識されているかを確認する際に利用します。
51. show lacp neighborで確認する内容
show lacp neighborでは、LACPで認識した対向デバイス・ポートに関する情報を確認できます。
確認したい中心は、
LACP対向機器を認識しているか
です。
52. LACPの対向情報とは何か
ここで確認する対向情報は、LACPを交換している相手機器の情報です。
自装置スイッチ
│
│ LACP
│
対向スイッチ
自装置から見た相手機器がLACPの対向機器です。
53. show lacp neighborで分かること
プラットフォームやソフトウェアバージョンにより表示形式は異なる場合がありますが、show lacp neighborでは代表的に、
- 対向システムに関する情報
- 対向ポートに関する情報
- LACP関連のポート状態
などを確認できます。
54. 対向情報を確認する意味
LACPモードが正しそうでも、
本当に対向からLACP情報を受信しているか
を確認したい場合があります。
そのときshow lacp neighborが有効です。
55. 対向情報が表示されない場合
期待するLACP対向機器が表示されない場合、
対向をLACP対向機器として正常認識できていない可能性
を調査材料にできます。
ただし原因をshow lacp neighborだけで自動的に1つへ限定することはできません。
56. passive-passiveと対向情報
両端passiveなら、双方がネゴシエーション開始を待つため、期待するLACP形成には進みません。
passive
│
│ 開始しない
│
passive
モード設定を確認する必要があります。
57. active-passiveと対向情報
active-passiveではactive側が開始します。
正常にLACP交換が進めば、対向情報を確認できるようになります。
active
│ LACP
↓
passive
58. active-activeと対向情報
active-activeでは双方がLACPを能動的に送信できます。
正常に交換が行われれば、双方でLACP対向機器を認識できます。
59. show lacp neighborは設定変更コマンドではない
show lacp neighborは確認コマンドです。
show lacp neighbor
を実行してもactive・passive設定を変更するわけではありません。
60. 設定と確認を分ける
基本的に、channel-groupコマンドのmode activeまたはmode passiveは設定、show lacp neighborは確認です。
役割を分けて覚えます。
61. 対向情報だけでEtherChannel全体を断定しない
show lacp neighborはLACP対向機器確認に有効ですが、EtherChannel全体のすべての動作情報を1つで確認するコマンドではありません。
Port-Channelやメンバーの状態は、目的に応じた別の確認コマンドでも確認します。
62. show etherchannel summaryとの役割の違い
EtherChannel全体のサマリーやメンバー状態を確認する際には、
show etherchannel summary
が重要になります。
一方、
show lacp neighbor
はLACP対向情報の確認に向いています。
LACPの対向情報を確認するときはshow lacp neighborを使用します。
63. show interfaces trunkではLACP対向情報を確認しない
show interfaces trunkは802.1Qトランクの状態を確認するコマンドです。
LACP対向システム・ポート情報を直接確認したい場合の中心コマンドではありません。
目的に合ったコマンドを選択します。
64. running-configだけでは対向認識状態は分からない
実行中の設定から、
mode active
など自装置設定は確認できます。
しかし、
LACP対向機器を実際に認識しているか
は動作確認が必要です。
65. 自装置モードと対向モード
LACP形成可否を判断するときは、
自装置モード
と
対向モード
を組み合わせて考えます。
自装置だけactiveでも、対向情報を無視してよいわけではありません。
66. 自装置active・対向active
自装置 = active
対向 = active
ならモード上形成可能です。
双方がネゴシエーションを開始できます。
67. 自装置active・対向passive
自装置 = active
対向 = passive
ならモード上形成可能です。
自装置activeが開始します。
68. 自装置passive・対向active
自装置 = passive
対向 = active
でもモード上形成可能です。
対向activeが開始します。
69. 自装置passive・対向passive
自装置 = passive
対向 = passive
ではモード上形成できません。
双方が開始を待つためです。
70. LACPモードを機器の位置で覚えない
次のように覚える必要はありません。
左側はactive
右側はpassive
デバイスの位置は関係ありません。
少なくとも片側がactiveであれば、active・passiveの組み合わせとしてネゴシエーションを開始できます。
71. passiveは「受け身」
passiveを理解するときは、
LACPを受信したら応答する
という「受け身」のイメージが有効です。
ただしLACP機能が無効という意味ではありません。
72. activeは「開始側になれる」
activeは、
対向から先に来るのを待たず
LACPネゴシエーションを開始できる
モードです。
これがpassiveとの中心的な差です。
73. active-activeで双方が開始しても正常
双方がactiveの場合、
両方からLACPDU
が送信されても、それ自体は設定エラーではありません。
LACPの正常なモードの組み合わせです。
74. active-passiveは一方向通信ではない
active-passiveだからといって、
LACP通信がactive → passiveの一方向だけ
という意味ではありません。
activeが開始し、passiveもLACP交換へ参加して応答します。
75. passive-passiveの核心
passive-passiveの問題は、
どちらもLACPに対応していない
ことではありません。
双方ともLACP対応モードですが、
どちらも開始しない
ことが原因です。
76. LACPとトラフィック負荷分散を分ける
LACPはリンク集約を制御するプロトコルです。
EtherChannel上でどのトラフィックをどのメンバーへ転送するかという負荷分散アルゴリズムの詳細とは分けて考えます。
LACP
→ リンク集約制御
負荷分散
→ トラフィックのメンバー選択
LACPの役割と、プラットフォーム固有の負荷分散アルゴリズムは分けて考えます。
77. LACPとトランクを分ける
LACPモードと802.1Qトランクモードも別概念です。
LACPのactive・passive
→ EtherChannelネゴシエーション
アクセス・トランク
→ レイヤ2スイッチポートの役割
LACPモードとレイヤ2のアクセス・トランク属性は別々の設定軸です。
78. activeはトランクモードではない
mode active
を見て、
トランクとしてactive
とは判断しません。
ここでのactiveはLACPモードです。
79. passiveはアクセスモードでもない
同様に、
mode passive
はアクセスポートを意味しません。
LACPネゴシエーション動作です。
80. LACPとレイヤ3も両立できる
LACPはレイヤ2EtherChannelだけでなく、レイヤ3EtherChannelの形成にも利用できます。
LACPモードとレイヤ3Port-ChannelのIP・ルーティング設定は別々の設定軸です。
81. 標準プロトコルかどうかとL2・L3は別軸
LACPが標準プロトコルか
と、
Port-Channelがレイヤ2かレイヤ3か
は別の分類です。
LACPはどちらのPort-Channel形成でも利用できます。
82. シナリオ:標準プロトコルを選択する
問題:
標準化されたリンク集約ネゴシエーションプロトコルを使用したい
この条件ならLACPを選択します。
83. シナリオ:ネゴシエーションを自ら開始したい
条件:
対向からの開始を待たず
LACPネゴシエーションを開始したい
この場合はactiveモードを選択します。
84. シナリオ:受信時のみ応答する
条件:
自らLACPネゴシエーションを開始しない
対向からLACPを受信すれば応答する
これはpassiveモードです。
85. シナリオ:active-active
SW1 = active
SW2 = active
モードの組み合わせとしてLACPを形成可能です。
「両方activeだから競合する」という選択肢は誤りです。
86. シナリオ:active-passive
SW1 = active
SW2 = passive
SW1がLACPを開始できるため、モードの組み合わせとして形成可能です。
87. シナリオ:passive-active
SW1 = passive
SW2 = active
SW2が開始できるため、モードの組み合わせとして形成可能です。
88. シナリオ:passive-passive
SW1 = passive
SW2 = passive
どちらも開始しないため、LACP EtherChannelは形成されません。
89. シナリオ:設定はactiveだが対向認識を確認したい
自装置設定:
channel-group 1 mode active
対向LACPシステム・ポートが認識されているか確認したい場合は、
show lacp neighbor
を使用します。
90. シナリオ:モードは正しいが形成を断定できない
SW1 = active
SW2 = passive
でも、
必ずバンドル正常
とは断定しません。
モードの組み合わせは正しいため、問題があるなら物理状態やメンバー互換性など別条件も考えます。
形成できない場合は、物理状態やメンバー互換性など他の条件も切り分けます。
91. シナリオ:passive-passiveを見つけた
SW1 = passive
SW2 = passive
なら、LACPネゴシエーション開始側が存在しないことを特定できます。
少なくとも片側をactiveにする必要があります。
92. シナリオ:ネイバーコマンド選択
問題:
LACPモードは設定されている。
対向LACPシステムを認識しているか確認したい。
適切な方向は、
show lacp neighbor
です。
93. よくある誤り:passiveはLACP無効
誤り:
passive
=
LACPを使用しない
正しくは、passiveもLACPを使用します。
自らネゴシエーションを開始しないモードです。
94. よくある誤り:passiveはバックアップメンバー
passiveはトラフィックの主系・待機系の役割ではありません。
LACPネゴシエーションを開始するかどうかのモードです。
95. よくある誤り:両端activeで形成不可
active-activeはLACPを形成可能な組み合わせです。
双方がネゴシエーションを開始できます。
96. よくある誤り:active-activeだけが有効
active-passiveも形成可能です。
少なくとも一方がactiveならネゴシエーション開始側があります。
97. よくある誤り:passive-passiveも時間が経てば形成する
両端passiveでは、双方が開始を待ちます。
単に時間が経過するだけで、このモードの組み合わせからLACPネゴシエーションが開始されるとは考えません。
98. よくある誤り:モードが正しければ必ずバンドル
active-activeやactive-passiveでも、EtherChannel形成には他の条件があります。
モードの組み合わせは適切
≠
EtherChannelの全条件が適切
です。
99. よくある誤り:show lacp neighborだけですべて分かる
show lacp neighborはLACP対向機器確認に有効です。
しかしPort-Channel全体、メンバーのバンドル状態、レイヤ2属性など、すべてを1つのコマンドだけで判断するものではありません。
100. よくある誤り:LACPモードとトランクモードを混同する
active・passive
はLACPモードです。
access・trunk
はレイヤ2スイッチポートの役割です。
別の概念として扱います。
101. LACP基本比較表
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| LACP | IEEE標準のリンク集約制御プロトコル |
| active | LACPネゴシエーションを自ら開始 |
| passive | 自ら開始せず、受信したLACPへ応答 |
| active-active | モード上形成可能 |
| active-passive | モード上形成可能 |
| passive-active | モード上形成可能 |
| passive-passive | 開始側がなく形成不可 |
show lacp neighbor |
対向LACP情報の確認 |
102. 試験での判断順序
LACP問題では次の順に整理します。
LACPかどうか確認
↓
自装置モードを確認
↓
対向モードを確認
↓
少なくとも一方がactiveか
↓
モード上の形成可否を判断
↓
必要ならshow lacp neighborで対向確認
103. 問題パターン1:LACPの標準化
標準化されたリンク集約制御プロトコルとしてLACPを識別します。
標準プロトコル
→ LACP
を判断します。
104. 問題パターン2:LACP activeの動作
LACPDUを能動的に送信し、ネゴシエーションを開始するモードを判断します。
答える中心は、
active
です。
105. 問題パターン3:LACP passiveの動作
自らネゴシエーションを開始せず、対向から受信したLACPへ応答するモードを判断します。
答える中心は、
passive
です。
106. 問題パターン4:active-activeの形成
activeとactive
がLACPモードの組み合わせとして形成可能であることを判断します。
107. 問題パターン5:active-passiveの形成
activeとpassive
ではactive側がネゴシエーションを開始できるため、モードの組み合わせとして形成可能であることを判断します。
108. 問題パターン6:passive-passiveの形成失敗
passiveとpassive
では開始側が存在しないため、LACP EtherChannelを形成できないことを判断します。
109. 問題パターン7:LACP対向機器確認
対向LACPシステム・ポートを認識しているか確認するコマンドとして、
show lacp neighbor
を選択します。
110. 問題パターン8:標準プロトコルとactive
標準プロトコルを利用し、さらにネゴシエーションを自ら開始したいシナリオから、
LACP
と
active
を組み合わせて判断します。
111. 問題パターン9:active-passive形成判断
SW1 = active
SW2 = passive
という構成から、
active側が開始するためモード上形成可能
と判断します。
112. 問題パターン10:active-activeとpassive-passive比較
2つの構成を比較して、
activeとactive
→ 形成可能
passiveとpassive
→ 形成不可
を判断します。
113. 問題パターン11:ネイバー確認コマンド
LACPモードそのものではなく、
LACP対向機器を認識しているか
を確認したい場合に、
show lacp neighbor
を選択します。
114. 最終判断フロー
LACPの問題は、次のフローで整理できます。
標準リンク集約プロトコルか
↓
LACP
↓
両端のモードを確認
↓
active・active
active・passive
passive・active
passive・passive
↓
少なくとも一方activeか
↓
はい → モード上形成可能
いいえ → passive/passiveで形成不可
↓
必要に応じて
show lacp neighbor
↓
対向LACP情報を確認
115. まとめ
LACPは、複数物理リンクを論理Port-Channelへまとめる際に利用できる標準のリンク集約制御プロトコルです。
LACPで特に重要なのは、
active
passive
の違いです。
activeは、
LACPネゴシエーションを自ら開始する
モードです。
passiveは、
自ら開始しない
対向からLACPを受信すれば応答する
モードです。
そのためモードの組み合わせは、
activeとactive
→ 形成可能
activeとpassive
→ 形成可能
passiveとactive
→ 形成可能
passiveとpassive
→ 形成不可
と整理できます。
ただし、
モードの組み合わせが正しい
=
EtherChannel全体が必ず正常
ではありません。
物理リンクやメンバー互換性などの別条件も存在します。
LACPの対向情報を確認する代表的なコマンドは、
show lacp neighbor
です。
このコマンドによって、対向LACPシステム・ポートを認識しているかを確認できます。
LACP問題では、
標準プロトコル
→ active・passiveの意味
→ モードの組み合わせ
→ ネイバー確認
という順序で判断することが基本です。
理解確認
このページの内容を14問で確認します。
理解確認14問へ →